感想日記

生活の感想を書き綴る場所。
日常の感想とか、本の感想とか。

「戦う司書と絶望の魔王」(著者:山形石雄)

2009-07-30 23:00:32 | Weblog
 読了。面白かった!
 実はこのシリーズ、前巻と前々巻とが続けざまに期待はずれな出来だったので、読む気が失せ始めていたシリーズでした。しかしまあ、そろそろ終わりそうな雰囲気ではあったので、最後まで付き合ってみようかと今巻も購入したのですが・・・・・・
 うおおおおーっ! 面白いじゃないか!
 ちょっとだけ読んでみようとページをめくったら、一気に最後まで読んでしまった。むう。
 どうやら次巻で最終巻らしく、それを考えるとシリーズ全体では不満が残りそうなんだけど(結果的に不要になってしまったキャラクターが多すぎるね!)、ラスト一冊は非常に盛り上がりそうです。おそらく、「恋する爆弾」と「荒縄の姫君」と並ぶ出来になりそう。
 今から期待です。

 では以下、ネタバレ感想です。








 読んで最初に思ったことは、ファンタジーから御伽噺にシフトしたな、ということ。
 今までは魔法や神様が出てきてはいても、その中でこの小説世界独自の人間社会が描写されていたと思うのですが、ルルタの過去話においては完全にステレオタイプの王政となり、ステレオタイプの神様となっていました。もちろんコレは作者が狙っている効果ですから(作中の扱いでも、ルルタ時代は古代だからね)、それは悪いことではありません。むしろGOOD(余談ですが、神の力を“良心の声”とダブらせたのが非常に私好みでした。現代の小説の外の世界にも神様の声がある……そう語りかけてくる点も、なんとも御伽噺的です)。
 過去の話に関して、この定石どおりのシンプルさが、作者のストーリーテラーとしての力量を表していると思います。定石を定石のまま書き切り、尚且つ読者を満足させるというのは相応の実力が必要だと私は常々思っているのです。特に今巻はそのシンプルさの中に今までの伏線の答えが散りばめられている。メインのストーリーは単純明快ながら、読み進めるにつれて頭の中のもつれていた糸が次々とほぐされ解かれていくのは心地よい感覚でした。
 最初に出てきたキャラクタたちにも意表をつかれました。何故いまさらこんな雑魚キャラを3人も出してくるのかといぶかしんだのですが、進むにつれて納得。この三人は滅私奉公を行った人間達なんですよね。彼らの視線から(ウインケニーだけしか問い掛けられなかったけど)ルルタの現在の行動を見せ憤りを与え、しかる後にルルタの行動に同情させる。この三人を使っての読者操作は非常に上手かったな、と思いました。
 そしてこの時点で既に登場を果たす、今巻最大最後のサプライズゲスト、コリオ君。いったい誰がこのような形での彼の復活を予想しえたであろうか。コリオとハミュッツ、二人の主役で始まった物語は、今まさに始めに戻ってきた。果たして彼がルルタの問いにどのように答え、ハミュッツとルルタの最終決戦にどのような役割を果たすのか、興味は尽きません。ま、またもやハミュッツはコリオに負けるんだろうな。多分ルルタでさえも、コリオには勝てない。それがどんな形になるかはわからないけれど。
 ただ私自身の予測としては、コリオはルルタと違い、愛する人を守るために強くなったのではなく、既に愛する人が居ない世の中で、愛する人と出会うため……愛を手に入れるために強くなった人間です。愛する人といっしょに居られないと分かっていても、愛に全てをかけられた人間です。その辺りがルルタとの違いとなって、何かを表すのではないかと思っています。
 別れないための強さではなく、出会うための強さ。失うことを恐れる強さではなく、得るための強さ。
 どちらが正しいかなんてどうでもいい。ただそれぞれ違った形の愛情が交わった時にどんな化学反応が起こるのか、作者はどんなものを見せてくれる気なのか、私にはそれが楽しみです。ま、全然的外れかもしれないけれど。
 それとこの予想の延長線上で、ひょっとしたらコリオ君とシロンが次巻で出会うこともあるのではないかと私は疑っています。
 そもそもコリオがシロンを知ったのは、“本”によって。そしてこのルルタの仮想臓腑は喰われた本の人間が、形を持って現れることが出来るのですから……シロンの本がコリオと同じくルルタに喰われていたのならば、仮想臓腑内でシロンとコリオが出会えてもおかしくない。
 ただしその場合、二人には非常に辛いことになるでしょうね……ルルタの仮想臓腑が消える時が、やっと触れ合えた二人の、別れの時なのだから。むしろ、コリオの何らかの言葉に対して、ルルタがコリオの覚悟を試すため、或いは揺さぶりをかけるために、ルルタがシロンを臓腑内に生じさせるかもしれません。

 それはそうと、ヒハクの「殴打ありがとうございました!」は上手いと思いました。
 ヒハクの視点で読者に「ルルタに導かれて改心・強くなった」と植えつけておいて、ニーニウ視点で「気味が悪い・異常」と反転させる。またそれは正常だった人間が、愛情によって正しく導かれたのに、異常に嵌まり込んでしまうという「ルルタのその後」を暗示させることにもなっている。そして、なにより、善良なニーニウの視点も一面を捉えているに過ぎず、全能ではないということを伝えている……ような気がします。
 ヴーエキサルだって、読者から見たその行いは邪ですが、視点を変えれば……ということなのです。我々読者が彼を悪だと決め付けているのは、現代の倫理観と、それを保障する作中の未来神やルルタの言葉によってなのですから。そしてそんな現代の倫理観は、ルルタを崇拝し軍国主義的なまでに一体化している作中の王国に比べてマシなんでしょうかね? 良心という名の神の言葉が聞こえていない点では、さして変わらない気もします。とちょっとシニカルに言ってみる。

 なんにせよ、次がラスト。すっぱりと延命も無く終わりそうですし、期待して待つことにします。

酷い雨

2009-07-26 23:39:15 | Weblog
 ちょっと気になることがあって、セーラームーンの放映されてた時期を調べてみた。
 ・・・・・・そうか、だから五年生のあの子は亜美という名前だったのか。


 一昨日から昨夜にかけて徹夜でした。36時間くらい起きてた。
 悲しいかな消防団。


 戦う司書シリーズの最新刊が出てたから購入。でもあんまり読書欲が沸かない。
 しばらく積むかも。読むなら早めに読まないと、時間がたてばたつほど読む気が失せそうだ。


 「おれたま」という漫画を買った。よくある一般紙でのエロ漫画。最近こういった趣向の漫画をよく読むようになりました。
 笑った。満足。
 しかし最近、本屋レジでの羞恥心が皆無になってきてんな、俺。

後濁す

2009-07-23 22:14:41 | Weblog
 今週号のサンデーを読んでたら「お茶にごす」が来週で最終回とあった。
 なんでやねん! 好きなのになんでやねん!
 そりゃいつの日か別れというのは来るものだけど、この作品に関しては別れが早すぎた気がする。「優しい人」になるという目標にはまだ程遠いし何の結論も出てないような気がするんだけどな。
 ま、多分今週号ラストでカホがまーくんを蹴っ飛ばしたのは、部長に対する恋を押し隠す姿に我慢が出来なくなったからなんだろうけど、部長に告白して最終回なんてのも私には納得できんですよ。
 あと一週間、20Pだけじゃ、どうやったって満足な終わり方は出来ないように思えるけど、はてさてどうなることやら。


 なんか最近体力的にフラフラです。
 仕事中眩暈がした。ちょっとヤバイ。夏バテも含まれているのかもしれないけれど。最近はとりあえず野菜をバリバリ食すように心掛けています。でもフラフラの最たるものは精神面。いろいろ自信無くしてます。だからフラフラクラクラ。
 でも悔しいのが、周りの人たちに「最近痩せたね」と言われること。ここ最近体重変わってないっちゅーねん(4月から今までは体重変動なし)。
 運動して体重を減らしていた時には何も言わなかったくせに、なんで仕事が忙しくなると「痩せた」と指摘する人が増えるのだろう。なんか「今まで仕事で楽してたんだろ」と言われているようで、コンプレックスが刺激されて嫌だ。
 どうせなら痩せる努力をしていた時に指摘してくれた方が嬉しかったのにな。
 とにかく仕事をこなせるように頑張ろう。コンプレックスが払拭されれば、同じ言葉も違った意味合いに感じられるかもしれない。

皆既日食

2009-07-22 21:37:43 | Weblog
 見なけりゃ後悔するだろうと思って見た。
 生憎の空模様だったけれど、おかげで特に色セロハンとか用いなくても太陽が欠ける様を眺めることが出来ました。
 でも出来ることなら炎天下の下、暗くなる空と下がる気温とを体験したかったな。思い描いてた日食が味わえなかったのが残念。くすん、お天等さんのばかばか。

三連休三日目

2009-07-20 21:32:49 | Weblog
 休日出勤をしないとなぜか落ち着かない体になってしまった私。
 この強迫観念・切迫感はどうにかならんもんだろううか。昨日一昨日と仕事やボランティアはしてるんだけど、書類仕事をしないと気が休まらない。難儀なことよのぉ。

 でも開き直って今日は久しぶりに本屋へ行ってきました。漫画4冊ゲット。そうか、連休前に新刊が出てたのか。チェックし損ねていた。
 買ったのは「神のみぞ知るセカイ⑤」と「こどものじかん⑦」と「エデンの檻③」と「お茶にごす⑨」。

 神のみぞ知るセカイは一月ほど前に集め始めた漫画。書店で平積みにされていたので適当に買った本だったのですが、予想外に面白く、一気に全巻集めました。でもこんな「エロゲ・ギャルゲ」を下地にした漫画がそれなりにヒットするという点で、漫画界の行く末が不安になる。……買っといて言うべき台詞ではないが。
 各ヒロインの話を必ずキスで締めるというのもギャルゲならばお約束なのでいいのだけど……そろそろ別パターンも欲しいかなぁ、と思う。
 ところで、この漫画が売れてる理由の一つはキャラクタの可愛さやギャルゲエロゲのパロディ的な面ももちろんのこと、長期連載化する傾向にある「ラブコメ漫画」に対する読者の不満・アンチテーゼも含まれているような気がする。読んでていらいらしてくるラブコメより、すっぱりと答えが完結に出てくるこちらの方が読んでて精神衛生上よろしい。もっとも、何でもお気楽お手軽に済ませてしまう世相の反映だとも見れるだろうけど。まあ、なんにせよギャルゲエロゲをそのまま漫画にカスタマイズしたのはアイデア勝ちだと思います。
 後もう一つ。何気に主人公が「美少年」だからこそ成立する話だよね。やはり人間は顔か。

 「こどものじかん」は割りと初期の頃から読んでる漫画。とは言っても、中途で読んでない巻があるけど(多分四巻あたりだと思う。レイジが本気でやばい男だと知れる巻かな←飽くまでその後の展開からの予測です)。
 すっかり長期連載の趣になっていますが、前巻までで白井先生のキャラ形成や方向性を終え、子供三人組だけでなく、大人4人組の描写の仕方も定着してきました。視点がだんだんと拡散されてきて、読み易くはあるんだけど……拡散された所為で、初期の頃に感じていた「深刻さ」は鳴りを潜め始めています。本来はすんごく重い話だと思うんだけど。
 子供グループ・大人グループ。ただ一人グループに属していないレイジが酷い異物に感じます。彼にどういった決着をつけさせるつもりですかね、作者は。
 しかし、先日ロリコン発言をした翌日にこの日記かよ……俺ってやつは。
 一番笑ったシーンは、単行本おまけの、白井先生へ向けての「誰だーっ!」の指差し。髪型変えると本気でわからなくなって怯える子供っているよね(笑

 「エデンの檻」。正直、この4冊の中では一番どうでもいい漫画です(失礼
 何となく惰性で読んでる。CAの巨乳お姉さんが好き。

 「お茶にごす」。この作者さんの書く漫画はほとんど読んでるんですが、その中でもかなりお気に入り。今までの漫画と違い、日常からはみ出し過ぎないように、学園生活の「青春」を心掛けて書いているように思います。爽快感は無いけれど、ほのぼのとした雰囲気が好き。
 今巻で明らかにされた雅也の人生の目標(どうにも後つけ設定っぽいが)。個人的には主人公を「優しい人間」にさせることは結構なのですが、それと同時に社会性も身に付けさせてやってください、などと思ってしまう。雅也君は卒業したらどこの企業にも就職できず、起業もせず、日雇いでしか生きられない人間になりそうで……。ま、今巻で生活に困らない程度の不動産を父親から譲られていると明らかになったので、本当は心配要らないんだけど。
 電子レンジのパントマイムが一番面白かったです(笑

 んじゃまあ、そーゆ-ことで。