鹿児島県は指宿の砂むし温泉に行ってきた。
熊本から指宿までは4時間半くらいかかり、けして近い距離とはいえない。
鹿児島県に入ってまず目に飛び込んできたのはやっぱり桜島。お昼前にみた時はこんな感じだった。(下写真)
これでも、「おお、やっぱり煙でてるでてる!」と興奮した。
熊本の阿蘇も火山だから、方々から噴煙が上がっているけれど、桜島のそれはやっぱりダイナミックに見えた。
でも、午後になると、もっとすごいことになっていた。
午後にみた桜島の様子。(下)えっ、これはこれで大丈夫なのですか?大噴火してるようにみえますが。噴煙の色も違う。
鹿児島では見慣れた光景なのでしょうか。とっても驚いた。
そして、ヤシの木。
熊本にもヤシの木はあるけれど、宮崎、鹿児島に入るとますますヤシの木の割合は増え、南国の様相を呈してくる。
小学校の廻りにはたいてい、背の高いヤシの木がぐるりを囲んでいた。私の認識では小学校のぐるりは桜、というイメージだけど、
南九州ではヤシの木が一般的なのかもしれない。
ところで、鹿児島ははやくも春だった。今日の気温はけしてぽかぽか暖かかったわけではないが、
一日二日の暖かさでこんなにもそろって自然が芽吹いているとは考えにくいので、やっぱり鹿児島は暖かいのだと思う。
春の花々が、「もう春ですがなにか」と当然のような顔で咲き誇っていた。
砂むし温泉。テレビなどで観たことはあったけど初体験。
入浴施設内で受付を済ませ、浴衣に着替えて湯けむりのあがる海岸へ。
大きな海の家、といった風情の屋根の下に入ると、(ネットで検索すると、夏季期間中はこの屋根はないようだ)
公園の砂場のようなスペースがいくつか仕切ってあって、砂に埋めてもらったお客さんの頭だけがぽこぽことのぞいている。
スペースが仕切ってあるのは、ひとつの砂場(8人分くらい?)を使ったら消毒するので、
いったん閉鎖(ロープを張ってた)し、他の砂場にお客さんを寝かせるためのよう。
スタッフのおばさんが、スコップで砂をすくいながら、
「熱くないですかー、ぬるくないですかー」と声をかけながら、首から下の全身に砂をかけてくれる。
砂は湿り気を帯びていてずっしりと重い。
身動き出来ないくらい埋められたところで、おばさんが「カメラ持ってみえますか?」。
カメラ持ってきてよかったのか!!だったら埋める前に言ってくれ~
なので、自分が埋まってる写真はなくて、帰りに撮ったものが下。
日が射す場所に寝ているひとには、こうやって、パラソルをたてかけてくれるようだ。なんだかちょっとおもしろい。
重い砂に埋まって仰向けになると、よしずとテントで出来た屋根の下に空が見える。とんびがとんでいるのも見える。
寝ている私からみると、足の下(足も埋まっている)に空があって、空を見下ろしているような感じに見えるのだった。
(だから海側に寝た方がいいと思います。反対側だと、裏の歩道を見上げて寝るような感じなんじゃないかなあ)
重い砂に圧迫されて、体中の「どくんどくん」という血流の重さを感じる。
手のひらでどくんとなったすこしあとに、足の裏がどくんとなる、ということも初めてわかる。
砂で蒸されている身体は熱いのに、顔には冷たい潮風を感じる。
顔に触れてくる潮風は、ちょうど波のリズムに似ていて、
ささん ささん という感じで、通り過ぎるたびに潮の香りが鼻先をくすぐる感じ。
うとうとと眠りそうになるけど、眠ってしまうのももったいないので、ずっと足の下の空をみていた。
安部公房の『砂の女』を思い出したりもした。でも『砂の女』の砂感とは違うな、と思ったりもした。
そんなこんなで、20分ほど蒸されて(目安は10分くらいなんだそう)から、シャワーで砂を落とし、大浴場の温泉へいく。
おもしろい経験だった。もしまた友達がきたら、こんどはここに連れてきたい。遠いけど。
指宿では、河津桜も三分咲きくらいに開花していた。2月の初めでもう桜が見られるなんてびっくりだ。南九州の春は、はやい。
このあと、知覧の特攻平和会館へ行った。太平洋戦争で散った若い命の軌跡を目の当たりにして、考え込むことも多かった。
それはまた次回に。
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