まあ、予想はしていたことだが、
耐震偽造:「不当な圧力」経験4割
前にも書いたが、姉歯元建築士にも同情すべき点がないではない。
このご時世、どの企業もコストダウンのために凄まじい努力をしている。
そりゃもう、本当に「凄まじい」としか言いようのないくらいスゴいもんがある。
具体的にはイロイロ都合があって敢えて控えさせて頂くが、まあ現場の方は良くおわかりのことと思う。
そんななか、姉歯元建築士のような零細下請けな設計事務所は、まさに「喰う」ためにギリギリの設計をしなければならないのであろう。
なにせ構造設計という部門は安全性の根本部分であるにも関わらず、意匠設計と違って全く日の当たらない分野である。
「地味だが重要な仕事」という奴だが、こういうのは目立たないだけに割を食いやすい。
きちんと評価してくれるのが上にいてくれれば良いが、大抵の場合、評価してくれる人間が上にいないものである。
上述の記事で、
「技術が安売りされ、構造設計の重要性が認知されていないという現実が、一番極端な形で出た。」
と東大のセンセがおっしゃっておられるが、日本はずっと技術を安売りし続けてきてしまった。
おかげで、技術の値段はその重要性の割にずっと低いままだ。
今後、技術者の地位が改善されない限り、このようなことは別の分野でも十分に起こりうるだろう。
技術者だって人間だ。きちんと評価されなければモチベーションは落ちるし、なにより「喰」っていかねばならない。
その部分をもっと沢山の人にご理解いただきたいものである。