コレクツィア★M

マージナルで、ときにメランコリック、でもマーヴェラスでマジカルかもしれない、マ・イイカな雑記

タッチ・タイピング、皆いつ習得してるの?

2016-04-29 | 僕らがメディア
日本語は、ローマ字入力してる?


                   ↑金属製クリップ(原寸)←レトロで大好き!!

春の季節仕事仲間の miyatake-san が打ち上げの居酒屋で、
「皆さんは、ワープロで日本語をローマ字入力していますか?
タッチ・タイピングされているなら、それをいつ習得しましたか?
僕は、タッチ回数からいっても、かな入力のほうが速いと思うんだけど……」

たしかに、皆、どうやって入力しているか、知らない。
4人のうち、nonaka-san は「ローマ字入力だけど、キーは見るわね」。
komata-san は、「80年代半ばにワープロ使い始め、自然とタッチタイピング習得してたな」
miyatake-san は大学入学前に習ったとのこと。
Olivetti の赤い Valentine がお洒落だったよね!!」

私はといえば、高校に入学した1年の新学期から3ヵ月間、
高校のある隣町のタイプ学校に、毎日放課後通ったのでした。
タイプ学校とはいえ、材木(だったか?)問屋のお嬢さんが2階で始めた教室で、
ほとんどが和文タイプ、30台ほど並んでました。
生徒は働いているので遅夕か夜にしか来ません。

英文タイプは2台だけ。
生徒は私だけでしたから、広い教室でたったひとり、教則本を見ながら、
j  j  j  f  f  f
と、指をホームポジションに戻しながら、ひたすらアルファベットを入力。
3ヵ月通うなんて、のんびりしてましたね。牧歌的というか。
今なら、1週間コースでも長いくらいですよね。

ま、ともかく打てるようになり、
初めて両親にねだって、タイプライターを買ってもらうことになりました。
50歳を過ぎて運転免許をとった父の運転で県庁所在地の代理店を訪れ、
Adler社(ドイツ)のポータブル Tippa をゲット。


もう、わけもわからず、タイプを打ってることが好きなんですよね。
動きとか、音とか。Leroy Anderson ♪ The Typewriter ♪ の世界です。
英語で論文書いているわけでもないので、
少女小説のペーパーバック買ってきて、ひたすらテキストを打って遊んでいました。
ま、それもひと夏だけでしたけど。

miyatake-san、私にとっては Olivetti Lettera Black なんですよね。
卒業して、オリヴェッティ社受けて面接まで行きましたが、落ちました。
あの頃、就職試験落ちまくってたなぁ。

【プラス思考】はびこる

2014-09-18 | 僕らがメディア

ちょっと愚痴るくらい、いいじゃん!!

 
                    遠近法@車内
 
朝のラッシュが終わった9時頃のターミナル駅。
改札へ向かって、階段を下りながらの親子の会話が耳に入りました。
「テスト、やだなぁ~」と、就学前後の女児。
すると、並んでチャッチャッと階段下りながら、ワンピースにジャケットのてきぱきママったら、
「ダメじゃない、マイナスなこと言っちゃ。『テスト、楽しい!!』って言わなくちゃ」
と、すかさず指摘。

negative 表現を口にすると、negative 要素や現象を呼び込むってわけでしょうか。
プラス思考で円滑なコミュニケーション、仕事もうまくいき、元気ももらえ、ラッキーを呼び込む……か。
positive thinking  の蔓延延……、かなり気持悪いです。
最近は、なにもかも positive に表現するんですね。
「危険性」をほどんど使わなくなり、危ない「可能性」です。
negative 表現を、強引に positive 表現に変換するアプリもあるそうな。

ケッ!! アッシはせいぜい愚痴らせていただきヤス。


赤ちゃんはポテンシャルの塊。

2013-09-13 | 僕らがメディア

普通、こどもは欲しいよね。



落として首のとこで壊れたポーセリン人形の頭部を、扁平メタル恐竜に合体

ジャクソン・ポロックの取材で、2003年の夏、大停電後のNYへ行ったとき、
【ポロックとリー・クラズナーの家】@イーストハンプトンを訪問。
帰りに、ロングアイランドの浜辺に立ち寄りました。

駐車場にワゴン車を置いて、
(こんな豪華な取材、後にも先にも1度だけでしたが)
日本からカメラマン koga-san とアッシ、コーディネータ兼通訳の現地女性とドライバーで、
浜辺まで歩いていく道で、乳母車のお母さんとすれ違いました。
乳母車にはまるまる太った男の赤ちゃんが乗っていて(眠っていたかも)、
内側に秘めたエネルギーではちきれそうに見えたんです。

ウゥゥ~、ベキッ! メリ、メリ、メリ、メリ、 
バリ・バリッ、 ドオォォォォ~

と、大木に育っていく様(サマ)を幻視しました。

フェミニストのグロリア・スタイネムが実母の介護していたときでしたか、
「大きくなっていく子どもが相手の育児と違って、枯れて死んでいく老人の介護は憂鬱になる」
みたいなこと、言ってました。

着いた浜辺は家族連れや若者たちで賑わい、
ビーチバレーに興じている少年少女が、バルテュスの絵みたいでした。
長い海岸線と穏やかな波、
白っぽい砂の粒子が空中に浮いているようで、まるで点描マチエールの絵画。

死ぬときに思い浮かべる【とびきり美しい場面】の1つです。


あっちゃん到着

2013-03-22 | 僕らがメディア

プレス機がやってきた!



                            凹版用プレス機 ベッドプレート幅40センチ

版画仲間の inami-san に
数年前から貰ってほしいと言われていたプレス機が、とうとうやってきました。
30代の頃はすごく欲しかった……、けど
購入資金、置く場所、使っている時間、どれも無くて諦めていました。
しかしだ、「消耗品しか買わないぞ!」と決めた今となっては、
この重い鉄の塊……、プレス機だけに、引き取るだけでかなりのプレッシャー。

ところが、ガラクタをどけて、いざ設置してみたら、

なんて、美しい!

プレス機があるだけで、物置だった部屋がアトリエに……。
「楽しいよ。絶対、ハマるから! いろいろ刷ってよ」と 、inami-san。

版画仲間でプレス機を持っている人は結構いて、
圧をかけて刷るところから、「うちの圧子ちゃん」とかニックネームつけたりして。

マン・レイでしたっけ? 
プレス機と撮ったセルフポートレードだったか、ヌードだったか、写真があったような。
池田満寿夫にもありましたね。
ま、プレス機の傍らでヌードになるほど鉄フェチじゃないし。

にしても、スクリーン上でうわ滑っている文字に画像に映像と、
紙に刻印されたイメージは、違いますよね。
みんな違って、みんなイイ……、っか。


ホピ族の、「シンプル&ハンブル」な暮らし

2012-11-20 | 僕らがメディア

Simple and Humble way





                   ホピのお茶【ホホイシ】煎じて飲む●原寸



ホピの村で長年暮らし、パフォーマンス・アーティストでもある今井哲昭さんに、
去る春に伺ったホピの話は本当に刺激的でした。
今井さんは、「ホピから見ると、ここがヘン」、
「日本はこれでいいんですか?」と、何度もおっしゃいました。

                              
●ホピの村では、仰角10度で全方位星空が広がる。
空を見上げることで、宇宙とつながっていることが実感できる。
今井さんは、「星が見えないところで暮らせない」とおっしゃる。

●西洋文明に触らないよう生きている。
祭りと儀式の毎日。精霊たちと生きる。神話を生きる。
村から離れず、皆と暮らす。


●皆で集まって同じものを食べることが大事。

掲示板や回覧板があるわけでなく、会食があることは口コミで伝わる。
最近は、フードスタンプで、ジャンクフードを食べる人もいる。
支給された生活補助や年金で、(本来禁止されている)お酒を飲む人もいる。

●女性は、結婚しないと死後に精神世界へいけないとされている。

結婚が決まると、婚礼に先立ち、女性は婿の実家で2週間暮らし、
その間に婿の親族の男たちが織った白い綿でローブを作ってもらう。
死んだら、魔法の絨毯みたいにそのローブにくるまって、あの世へ行く。

●結婚と出産は別。結婚までに1人や2人子どもがいることが多い。
拡大家族で大所帯、子どもは村の皆で育てる。
女子は大勢子どもを産む。10人、多い人は20人も産む。
子どもは大勢いる。
男の子たちは早く一人前になってカチナ・ダンスを踊りたいと思っている。

●男は畑、女は家

働かなくて愛想をつかされた夫は、実家へ帰っていいことになっている。
出戻り男子は大勢いる。

●文字を持たず、記録を残さない。
徹底してオラルな(口承・伝承の)文化。
ホピは記録を残さない。神話や言い伝えや秘儀も、口で伝えていく。

※今井さんのお話を伺う数日前のテレビ番組で、
「自らのあらゆる記録を残す人が増えている」傾向を報道していて、真逆だと思った。
自分の瑣末な記録を世界中からアクセス可能にしておくことで、
立ち位置を確認している人の孤立した姿と、
過去を参照せず、将来に不安をもたず、たった今を皆で生きているホピの人びと。


●簡素に慎ましく生きる。

「私には、この約束を交わす神も長老もいない。
不安と不満渦巻く社会で greedy に生きるのは辛い」と言ったところ、
今井さんは、「勇気をもって田舎へ行くのです。空を見て農業をするのです。
こんなに水と緑が豊かな日本で、都会にいるのはもったいない」と、強調されました。

●ヒト・モノ・カネが動かない。

畑で作るのは、儀式で使うトウモロコシや豆。
換金作物は作らず、余剰産物も(儀式目的以外に)貯蔵しない。

民芸品として人気のあるコチナ(精霊)人形や銀の宝飾品作家もいるが、
たくさんは作らない。
周囲150キロは誰も住んでいない。

●お祈りで一日が始まる。

父なる太陽が母なる大地から現われる瞬間が、神聖な時。
皆、夜明け前に起きて、祈りで一日が始まる。

以上、印象に残ったフレーズを日ごろの反省とともに箇条書きにしてみました。

今年5月、facebook 上場時のニュースで、
世界で毎日80億枚の写真がアップされていると聞き、唖然。
(……アッシも日に1枚くらいアップしている、か……)
この行為、どこかに何かを定着させたことになるんでしょうか。

ホピは、文字を持たず、記録を残さない。
儀礼は伝承されるが、歴史は残さない。
過去を参照せず、未来を憂えない。
日々を祈りと祭りで満たす。

ホピの暮らしぶりを参照すると、考えさせられること多いです。
                                                


電話でするのは、無駄話、よもやま話。

2012-06-21 | 僕らがメディア

はてしない雑談


                        ポスター  印刷面315×350 

K・チュコフスキー作のお話『テレフォン』(1926年)は、
動物たちからひっきりなしに電話が入って超多忙になる先生のお話。

ゾウは、「チョコレート、食べたい」
ワニは、「革靴、送って!」
ウサギたちは、「てぶくろ、お願い」
サルは、「もっと本が読みたいな」
クマは、うなるだけ。
サギは、「カエルが食べすぎたから胃薬が必要」
ブタは、「ウグイスを呼んで、歌ってほしいんだ」。
アザラシ、シカ、ガゼルからもリン・リン。
カンガルーからは間違い電話。
サイからのSOSで、カバを助けに沼へ。

↑これは、北米に電話が普及し始めた頃、業界が想定したまっとうな使われ方ですね。
都市部では、家庭からの電話は、お店への注文やオフィスで働く夫への連絡など、
【家政 home economics 】のお助け役になるはずだった。


 『電話するアメリカ』(NTT出版)

ところが、実際は、
人びと(とくに女性)は、もっぱら電話でゴシップや世間話を楽しんだという。
隣の家が離れている農村では、主婦たちでパーティラインは大賑い。
ラジオもまばらで、新聞も1~2日遅れで届くなかで、
電話は、情報の伝達・交換に手軽で便利な社交ツール。
会いに行かなくても、会った直後でも電話で話せる。

思えば、ヒトは毎日とるに足らないよしなし事を話したり、つぶやいたり。
つぶやきも駄ブログも、文字になってブツブツ。