美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




これぞ企画展!といった趣きの展覧会です。
ルソーの絵をまとめて観るのは初めてでした。いずれも既視感のあ
る、不思議な温もりを感じさせる絵...

そして、そんなルソーとともに、ルソーの影響を受けた新旧日本の
アーティストの作品も並べられています。ちなみにこの展覧会、フ
ランス語だか英語だかで書かれたタイトルはこんな感じです...
ROUSSEAU ENVISAGED Henri Rousseau and Japanese Artists
# ルソーの見た夢...アンリ・ルソーと日本のアーティスト

岡鹿之助、松本竣介、有元利夫、矢吹申彦らの油彩は言うに及ばず、
小野竹喬の、それ一点だけならルソーの影響を感じられないのでは
ないかと思わせる日本画...こういう並べ方は展示の妙ですね。土田
麦僊が渡欧した時に描いた小品や『大原女』なんかも、なるほどこ
うした文脈で紹介されると実にルソー的、また、会場で読める川上
澄生がルソーに捧げた『我が師父』という詩には、ほろっときまし
た(そしてそんな川上がグワッシュで描いた小さな小さな作品にも...)...

会場の最後に展示されている立体作品(AOKIT)が傑作で、そこから愉
快な心持ちで入口へと逆走していく楽しさ、面白さ...

和から洋、近代から現代、写真から立体作品、ルソーの作品がさま
ざま表現に与えた影響を地道に集積させた、とても密度のある企画
でした。これは、海外へも持って行ける展覧会です!

ルソーの見た夢、ルソーに見る夢 (世田谷美術館) - 12/10 まで...

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (自由なランナー)
2006-10-15 17:43:01
素敵な企画展でした。私としては、ルソーに対する味方がすっかりかわりました。
 
 
 
Unknown (lysander)
2006-10-15 20:19:23
自由なランナーさん

コメントありがとうございます。



> 素敵な企画展でした。

よかったですよね...(^^)
 
 
 
流石!世田谷美術館 (とら)
2006-10-16 00:05:01
区民なので陰ながら応援していますが、久々のヒットですね。」
 
 
 
Re: 流石!世田谷美術館 (lysander)
2006-10-17 00:22:19
とらさん

コメントありがとうございます。



> 区民なので

おぉ...そうでしたか。



普段は山手線より西には、なかなか足が向かないのですが、

思いきって来てみてよかったです。



世田谷美術館はミロ展以来、四年ぶりでした...
 
 
 
はじめまして (edible)
2006-10-18 21:19:29
わたしもルソー展、行ってきました。

有名な作品は少なかったですが、ルソーの人となりとか、素朴派のことがよくわかって、よかったです。でした。

トラックバックもつけさせてください。
 
 
 
Re: はじめまして (lysander)
2006-10-20 00:35:01
edibleさん

コメントありがとうございます。



> 有名な作品は少なかったですが

それでも一目でルソーだと分かる作風が、強い印象を残してくれました...
 
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