美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




学生の頃から何度も来ている美術館。昔から買いためた絵葉書を虫
干しするときに、ひょいとモネの『黄昏、ヴェネツィア』なんかが
出てきたりする。きっと十年以上も前の絵葉書。

そんなわけで眼に馴染んだ作品もあれば、初めて観た作品、あるい
は初めて気付いた作品などもあるわけで...

本日、一番気に入ったのは藤島武二の一画、『黒扇』と『東海旭光』、
『黒扇』の白いレースを被った女性、庭の反映なのでしょう、青い
影をアクセントに、まっすぐに見詰める視線には気品が感じられま
す。そして今日はモネの夕暮れよりも、藤島の朝の日が眼にまぶし
いと思った...(やっぱり船が好き)。

関根正二のまっかな子どもとルオーのモノクロームの並び、どちら
も芯の太さを感じさせる純朴な作風です。青木繁も若くして亡くな
ったけど、関根は二十歳。画面からあふれる色彩に目眩いを感じた。

佐伯祐三の『靴屋』と『広告貼り』はお初。代表作『ガス灯と広告』
のとげとげした印象よりも、こちらの方がマイルド。好みかもしれ
ない。

そういえば繁盛している藤田展、ブリヂストン美術館なら佳作三品
がじっくりと堪能できます。『猫のいる静物』は東京国立近代美術
館の『猫』と同じ系譜、『ドルドーニュの家』は私が大好きな作品、
とも1940年制作です。藤田展を概観して、戦争まっただ中のこの時
期はキャリア的にぶれてた時期だと思っていたのですが、この年に
描かれたこの二作には迷いがない。戦争がなかったなら、日本が平
和だったら、藤田の画風はどんな変遷を辿ったのだろう...

黒田清輝の『針仕事』、外の光に映える水色が良かった。モンドリ
アンの砂丘、額縁も絵もいい。ザオ・ウーキーは青の方が好み。

その他、いつもながらモディリアーニは『若い農夫』、キリコは制
作年不詳の『吟遊詩人』、ルソーは小品...そういやモローの水彩は
久しぶりだったかも...この美術館の作品には、どちらかと言うと印
象派以降の作品に惹かれる。

そして石橋美術館収蔵の日本画の数々...

円山応挙の屏風で『牡丹孔雀図』は二枚の小ぶりな作品ですが、構
図決まっている。羽がとても美しい。池田孤邨の『青楓紅楓図』は
さらに背が低い。紅い楓の金との対比がべただけどきれいだった。
雪舟の四季山水図は四年前の雪舟展にも展示されていた。渋い、渋
すぎる...どの季節にも小さく人が描かれている。雪舟だろうか?秋
の小舟釣りするところなんか遊び心が感じられてとてもよい。

石橋財団50周年記念 雪舟からポロックまで(ブリヂストン美術館) - 6/4 まで...

おまけ
ブリヂストン美術館関係の感想...
ザオ・ウーキー展
絵の中の二人
特集展示 青木繁 《海の幸》100年

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
とても良い展覧会でしたよね (mako(雑感ノート))
2006-05-03 10:10:19
今回の展示会は、ブリジストン美術館館の全容が見られて、とてもよかったですよね。

私は、日本、中国作品の展示室がとてもよかったと思っています。

拙blogにも書きましたが、この美術館の収蔵品は、大好きです。

TBさせていただきました。
 
 
 
Re: とても良い展覧会でしたよね (lysander)
2006-05-04 01:16:26
makoさん

こんばんは



> 日本、中国作品の展示室がとてもよかった

石橋美術館の作品ですね。

久留米の石橋美術館もなかなか良さそうですよ。

http://www.ishibashi-museum.gr.jp/information/ennai.html

# そういえば九州の美術館には行った事ありません...

 
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