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ギュスターヴ・モロー展(Bunkamura ザ・ミュージアム)
美術
/
2005-08-13
学生の頃、耽美なものに惹かれていた私は、オスカー・ワイルドの
サロメという戯曲に出会いました。
岩波文庫版
はビアズリーの挿絵
でとても雰囲気があります。そんなサロメ繋がりから足を運んだの
が1995年に国立西洋美術館で開催されたギュスターヴ・モロー展で、
それ以来、モローは気になる画家の一人です。
今回の展覧会はパリのモロー美術館のコレクション。前後期あわせ
て二ヶ月以上の長丁場です。私は会期四日目の金曜日、夜間入館で
鑑賞してきました。最近はすっかりナイターづいています。まだま
だ宣伝が足りないのでしょう、人影まばらな館内で、ゆっくり鑑賞
できました。
モローには豊かな色彩と細密な描写というイメージがあったのです
が、色数を抑えた油彩もみごとです。『トロイアの城壁に立つヘレ
ネ』は習作ですが、朦朧とした立ち姿に、静かな孤独が感じられま
す。ケンタウロスから逃れようとする『デイアネイラ』の伸びやか
な姿態も美しい。また、女神たちに祝福される詩人を描いた『ヘシ
オドスとムーサたち』の正方形のキャンバスを彩る暖色はどこか祝
祭的でした...
また、西洋美術館でのモロー展もそうでしたが、小さな水彩画もい
い味わいです。森の中をさまよい歩く色とりどりの服を着た九人の
女神を描いた『ムーサたちの逍遥』や『豹の毛皮をまとったサロメ』
のような単色の色で塗り残しが多い表現にはパンクな印象を受けま
した。それに対して『ケンタウロスに運ばれる死せる詩人』や『妖
精とグリフォン』では筆使いは激しいのに緻密に描き込まれていま
す。顔を近づけてまじまじと見つめてしまいました。
そして特筆すべきは『一角獣』と『出現』でしょう。この二枚の前
には広い空間があります。少し離れたところから、まっすぐ絵に向
かってゆっくりと歩くのがこの上もない至福でした。遠くからは見
えない黒い線描が徐々に見えてくるところがとてもスリリングです。
一角獣と共に描かれた女性は裸体でいても清楚な印象を受けるのに
対して、ヨハネの首を直視するサロメには悪魔的なものを感じます。
前者の女性は肌の色が白くて澄み切っているのに対し、サロメの肌
は死人のようにくすんで見えます。右手に白い花を持ちながら、左
手はまっすぐヨハネを指差すサロメ...自分の欲望のためには人を殺
めることを厭わない、強烈な意志が伝わってきました...毒婦。
というように、見応えのある絵は沢山ありましたが、個人的にはス
フィンクスのイメージが観られなかったのがちょっと残念でした。
また、思ったよりも地味な印象を受けたのですが、これは期待が大
きすぎたせいでしょう。やはり、モローを堪能しようと思ったら、
パリのモロー美術館まで行かねばならないのかな...
とはいいながら、後期はもちろん、会期中、何度か足を運ぶであろ
う展覧会であります。
・
ギュスターヴ・モロー展
コメント (
16
)
|
Trackback ( 0 )
«
モエレ沼公園/...
わたしの美術...
»
コメント
もう
(
村崎式子
)
2005-08-13 12:51:45
行かれたんだ、いいなぁ!!
私もとんでもないタイミングで帰郷してるってハナシですよ……。
帰京したら真っ先に行きますから!!
その折はTBしておきますね☆
「...毒婦」に笑わせていただきましたww
Re: もう
(
lysander
)
2005-08-13 21:27:50
村崎さん
コメントありがとうございます。
> 「...毒婦」に笑わせていただきましたww
自分で使うのは初めての言葉。どう使ったら
よく分からなかったので、とってつけてしま
いました。この展覧会の、村崎さんの感想は
楽しみです...期待してます。
はじめまして
(
lapis
)
2005-08-14 19:27:14
alice-roomさん、経由で、たどり着きました。
モロー繋がりということで過去記事にTBさせていただきます。
この展覧会は、見たいのですが、新幹線を使ってとなると、躊躇してしまいます。もっと行きやすいところでも開催して欲しいものです。(苦笑)
それでは、よろしくお願いいたします。
サロメ
(
alice-room
)
2005-08-14 22:58:52
コメント有り難うございました。まさに魅惑的な少女にして、悪女。ビアズリーの病的に繊細なあの絵にはまると抜け出せませんね。勿論、モローのサロメももうたまらないくらいの大好物です(笑顔)。
もし機会がございましたら、パリのモロー美術館を訪れて下さい。まさにモローの世界です。但し、完成品の多くは、ご存知のように貴族が私蔵している場合がほとんでですので、習作や下絵が中心になりますが、それでも本当に素晴らしいです。展示会にもありました。螺旋階段を登り降りしながら見るモローの絵も素晴らしかったです。
お邪魔致しました。
Unknown
(
lysander
)
2005-08-16 00:06:40
lapisさん
こんばんは。
> もっと行きやすいところで
モロー美術館に行かれたのであれば、
いいのでは...(^^;
alice-roomさん
こんばんは。
> 大好物です(笑顔)
そういう感覚ですよね...(^^)
パリのモロー美術館は、そのうち、絶対、行きます!
>
パリへ行かれたら
(
Tak
)
2005-08-17 23:46:29
まず、モロー美術館です。
一番のお勧めかと。
駅からも近いですし(迷いましたが)
こじんまりしている割には
見応え十分の他にない美術館です。
聖女と毒婦
(
Julia
)
2005-08-19 08:09:53
lysander様
お久しぶりです。残暑、お見舞い申し上げます。
聖女と毒婦についての対比感想文、大変面白かったです
確かに女性にはそういった二面性もあるのですが、
モローは女性に対してとても優しい感情を抱いているのをこの展覧会の作品を通じて、フランスの文化的な香りを感じることができました。
モローの恋人がきっといろいろな面を持つ素晴らしい女性であったのでは・・?と想像しています。
TBさせて頂きます。
Re: 聖女と毒婦
(
lysander
)
2005-08-21 02:53:01
Julia様
コメントありがとうございます。
> 確かに女性にはそういった二面性もある
おぉ、そうなのですね。勉強になります。
そして、男性もそういった両極端を行った
りきたりするわけなのです...
# な~んて...(^^;
Unknown
(
kosuke
)
2005-08-22 04:59:48
こんにちは、初めまして! モロー、大好きです。あ、性別は念のため♀です。現在パリに留学中なので、モロー美術館、何度か行きました。今は、工事のため閉鎖中。モローも日本に出張中なんですよね。日本の友人からコメントが。モロー展、パリで見るのとは違う。壁によって雰囲気があそこまで変わるとは思わなかった・・・。だそうですよ。ぜひ、パリでもごらんになってみてください!
モローは生涯独身でした。でも家政婦さんが彼の面倒を見ていたそうですよ。かなりのマザコンだったそうで。。。聖母を描くときの優雅さ、エロティックさはそういう点も影響しているのかしら、なんて思います。
Unknown
(
lysander
)
2005-08-23 00:33:34
kousukeさん
コメントありがとうございます。
行った方のコメントを読むたびに、しみじみ行
きたくなってしまいます。
> 今は、工事のため閉鎖中。
ちなみに工事が終わるのは、いつでしょうか!?
モロー、大好きです。
(
アイレ
)
2005-08-24 23:08:19
lysander様
はじめまして、アイレと申します。
TBさせていただきました。
モローは本当に大好きな画家です。私も10年前の国立西洋美術館でのモロー展に大変感銘を受けました。
水彩画に湛えられた繊細な詩情、線描と油彩との危うい均衡…
私も既にBunkamuraに2回行ってしまいました。
後期展示もとても楽しみにしています。
では、これからもよろしくお願いします。
Re: モロー、大好きです。
(
lysander
)
2005-08-26 23:42:35
アイレさん
コメントとTBありがとうございます。
> では、これからもよろしくお願いします。
こちらこそ。
後期も観にいったら、感想読ませてもらいますね...
「毒婦」のサロメ
(
saya
)
2005-09-20 10:22:12
こんにちは。
コメント、TBどうもありがとうございました。
そう、サロメは「毒婦」ですよね!
ユイスマンスの『さかしま』(渋沢龍彦訳)でのサロメ評に「女獣」とあって、私はそのイメージがどうしても抜けないのです…
「毒婦」「女獣」「妖婦」…聖書中でのサロメについての記述はとても少ないのに、文学や絵画ではなんだかすごい女として描かれてますね。
モロー美術館について書いたエントリーをTBさせていただきましたので、お暇なときにご覧いただければ幸いです。
Re: 「毒婦」のサロメ
(
lysander
)
2005-09-21 00:52:48
saya さん
こんばんは
> 「毒婦」「女獣」「妖婦」
う~む。凄い言葉が並びましたね...
って、きっかけは私の『毒婦』でしたか...
私が持つサロメのイメージは、ク・ナウカとい
う劇団のイメージです。
http://www.kunauka.or.jp/jp/salome0307/salome01.htm
ちょっと今は言葉にはできないのですが、どう
しても美とは分かち難い...
初めまして・・
(
えみ丸
)
2005-10-07 07:34:43
モローやイサム・ノグチにつてい検索してやってきました
私は油絵の大作も良いですが、水彩画にも惹かれました
トラックバックさせていただきました
諏訪内晶子さんや村治香織さんの名が見えるので
音楽の話もこれから読ませていただこうと思います
Re: 初めまして・・
(
lysander
)
2005-10-08 00:54:18
えみ丸さん
こんばんは
水彩画もよかったですよね。
> 諏訪内晶子さんや村治香織さんの名
要はミーハーなのです...(^^;
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私もとんでもないタイミングで帰郷してるってハナシですよ……。
帰京したら真っ先に行きますから!!
その折はTBしておきますね☆
「...毒婦」に笑わせていただきましたww
コメントありがとうございます。
> 「...毒婦」に笑わせていただきましたww
自分で使うのは初めての言葉。どう使ったら
よく分からなかったので、とってつけてしま
いました。この展覧会の、村崎さんの感想は
楽しみです...期待してます。
モロー繋がりということで過去記事にTBさせていただきます。
この展覧会は、見たいのですが、新幹線を使ってとなると、躊躇してしまいます。もっと行きやすいところでも開催して欲しいものです。(苦笑)
それでは、よろしくお願いいたします。
もし機会がございましたら、パリのモロー美術館を訪れて下さい。まさにモローの世界です。但し、完成品の多くは、ご存知のように貴族が私蔵している場合がほとんでですので、習作や下絵が中心になりますが、それでも本当に素晴らしいです。展示会にもありました。螺旋階段を登り降りしながら見るモローの絵も素晴らしかったです。
お邪魔致しました。
こんばんは。
> もっと行きやすいところで
モロー美術館に行かれたのであれば、
いいのでは...(^^;
alice-roomさん
こんばんは。
> 大好物です(笑顔)
そういう感覚ですよね...(^^)
パリのモロー美術館は、そのうち、絶対、行きます!
>
一番のお勧めかと。
駅からも近いですし(迷いましたが)
こじんまりしている割には
見応え十分の他にない美術館です。
お久しぶりです。残暑、お見舞い申し上げます。
聖女と毒婦についての対比感想文、大変面白かったです
確かに女性にはそういった二面性もあるのですが、
モローは女性に対してとても優しい感情を抱いているのをこの展覧会の作品を通じて、フランスの文化的な香りを感じることができました。
モローの恋人がきっといろいろな面を持つ素晴らしい女性であったのでは・・?と想像しています。
TBさせて頂きます。
コメントありがとうございます。
> 確かに女性にはそういった二面性もある
おぉ、そうなのですね。勉強になります。
そして、男性もそういった両極端を行った
りきたりするわけなのです...
# な~んて...(^^;
モローは生涯独身でした。でも家政婦さんが彼の面倒を見ていたそうですよ。かなりのマザコンだったそうで。。。聖母を描くときの優雅さ、エロティックさはそういう点も影響しているのかしら、なんて思います。
コメントありがとうございます。
行った方のコメントを読むたびに、しみじみ行
きたくなってしまいます。
> 今は、工事のため閉鎖中。
ちなみに工事が終わるのは、いつでしょうか!?
はじめまして、アイレと申します。
TBさせていただきました。
モローは本当に大好きな画家です。私も10年前の国立西洋美術館でのモロー展に大変感銘を受けました。
水彩画に湛えられた繊細な詩情、線描と油彩との危うい均衡…
私も既にBunkamuraに2回行ってしまいました。
後期展示もとても楽しみにしています。
では、これからもよろしくお願いします。
コメントとTBありがとうございます。
> では、これからもよろしくお願いします。
こちらこそ。
後期も観にいったら、感想読ませてもらいますね...
コメント、TBどうもありがとうございました。
そう、サロメは「毒婦」ですよね!
ユイスマンスの『さかしま』(渋沢龍彦訳)でのサロメ評に「女獣」とあって、私はそのイメージがどうしても抜けないのです…
「毒婦」「女獣」「妖婦」…聖書中でのサロメについての記述はとても少ないのに、文学や絵画ではなんだかすごい女として描かれてますね。
モロー美術館について書いたエントリーをTBさせていただきましたので、お暇なときにご覧いただければ幸いです。
こんばんは
> 「毒婦」「女獣」「妖婦」
う~む。凄い言葉が並びましたね...
って、きっかけは私の『毒婦』でしたか...
私が持つサロメのイメージは、ク・ナウカとい
う劇団のイメージです。
http://www.kunauka.or.jp/jp/salome0307/salome01.htm
ちょっと今は言葉にはできないのですが、どう
しても美とは分かち難い...
私は油絵の大作も良いですが、水彩画にも惹かれました
トラックバックさせていただきました
諏訪内晶子さんや村治香織さんの名が見えるので
音楽の話もこれから読ませていただこうと思います
こんばんは
水彩画もよかったですよね。
> 諏訪内晶子さんや村治香織さんの名
要はミーハーなのです...(^^;