美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




VOCA展2010にちなんだシンポジウム『いまなぜ、具象なのか』につ
いての雑感...

パネリスト:高階秀爾、荒木夏実、酒井忠康、建畠晢、光田由里、
南嶌宏、本江邦夫

『いまなぜ、具象なのか』。これは座長の高階秀爾さんが発せられ
た問いかけなのではないかと思った。基調講演で語られる高階さん
のイメージは、イデオロギーが弱まった世界で、他者との対話、あ
るいは物語を求める欲求などと結びつけた、よりイメージできるも
のとしての具象。

そこから派生する言葉を聴くなかで、ふと思ったのは、そもそも絵
画は具象ではなかったのかということ。私はむしろ抽象絵画が要請
される社会ってどんなだろうかと思ってしまいました。具象があふ
れる世界から抽象がこぼれてくるきっかけのような。これからくる
かもしれない社会...

そんな中で印象に残ったのが光田由里さんの言葉。これまで主流だ
ったリアリティをジャコメッティ的リアリティと表現し、そんな特
権的なところのないものに宿るどこかでみた映像の断片や記憶に堆
積するイメージを『像』という言葉で表現していました。

心強かったのは、欧米のマーケットに乗ってこない日本の絵画を難
じる会場からの質問に、日本の絵画は世界でも最高の水準にあると
言い切った高階さんや本江邦夫さんの言葉。

そんな日本のアートを世界にどう発信するのでしょう...

ミュージアムサミットでも思ったのですが、こうしたシンポジウム
にギャラリストと美術館関係者が同席しないのはなぜなのでえしょ
う。もっとまざればいいのにな...



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