金沢21世紀美術館

遂に念願の金沢21世紀へ...その名の通りの21世紀型の美術館です...

横浜を朝早く出て、発電所美術館に寄り道してから金沢へ...

到着したのが三時頃だったのでまずは遅いお昼...サンドイッチと生
ビール、開放感のある広い窓がとても気持ちいい。受付を入ってす
ぐのところで人だまり。お、これがあのプールか...

とりあえず水の中からワンショット...


帰り際、暗くなってからのワンショット...


さて、企画展は粟津潔さんの『荒野のグラフィズム』です。以前、
印刷博物館の館長をされていた頃に、何度か対談を聞いたことが
あります。篠田正浩監督や黒川紀章さんなんかとの昔話はとても
面白かった。

今回はその業績をたどる大回顧展...

粟津さんといえばグラフィックアート、特にポスターのインパク
トが強い。演劇のポスターがいいな...こうした派手派手のどぎつ
いイメージと共に昔観た芝居を思い出すなんて、リアルタイムで
観た人の特権でしょう。ちょっとうらやましい。

ちなみに今回は映画『心中天網島』や『ゴダールの中国女』の絵は
がきを買いました...

粟津さんは本の装丁も多く手がけられています。その中に知らず
に持っていた本が...
・ジェイムズ・モナコの『映画の教科書』
さっき、本棚からひっぱり出してみたら、やたらと付箋が貼って
あってびっくり。久しぶりに読み返してみようかな...

常設展もなかなかです。

森村さんの初期の写真はとてもシャープ。サイコロ重ねた『水の塔』、
ブランクーシ風やらゴッホ風、ダリ風やらピカソ風...う～む、わか
るわかる...遊び心たっぷりです。

日比野克彦さんのプロジェクト『ホーム→アンド←アウェー』方式。
朝顔の種を交換することでいろいろな地域や人を結びつけようとい
う明後日朝顔プロジェクトの一環だそうです。

段ボールを使った三艘の船が展示されています。どれも種子型。一
艘は乗れるようになっていて、中にはプロジェクトの記念写真など
が飾られています。耐水紙で作られたその船は水に浮かべられたこ
ともあるそうです。

残り二艘の船内には灯台の光。まっくらな夜空には星状の穴があい
ています。ぬくもりがあってとてもいい感じ。

初めての作家さんでは大巻伸嗣さん。何てことのない天井からぶら
さがった無数のまっしろいひも。手前では頭上にある短いヒモが、
展示空間の奥に行くにしたがってだんだんと長くなります。息を大
きく吸い込んで、潜るようにヒモの中を進みます。

かすかに光をはらんだヒモを左右にかきわけながらさまよううちに、
光が明るくなって、ふっと気付くとヒモのない空間...振り返って、
再びざぶんと飛び込みたくなるのでした...

この金沢21世紀美術館には『場』のようなものを強く感じます。人
をひきつける磁力を持った『場』、観客がともに参加できる『場』、
とても楽しい...

思っていたよりも簡単にこれたので、暫くしたら、また遊びにこよ
うと思います。

・金沢21世紀美術館