伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
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10/31「モクモク手作りファーム 木村修会長講演会」@佐倉アグリフォーラム2014

2014-11-01 10:14:12 | 政治
昨日10月31日は音楽ホールで開催された「佐倉アグリフォーラム2014」に出席した。
実はフェミニスト議員連盟主催の学習会が参議院会館であったのだが、こちらを選択。

「佐倉アグリフォーラム」では農畜産関係の講演会などを毎年開催している。
また、東大農学部学生の農家実習報告も毎年ある。
東大の実習は今年で15回目、述べ255人が3年生の時3泊4日で体験している。

まるっきり農業と縁のない学生が、農家の生活を体験する貴重な機会となっているようだ。

今回の発表を聞いていて、忙しい中毎年受け入れている農家の方のご苦労が想像できた。

学生たちは今後、官庁や研究機関や企業に入って第一線で活躍する幹部候補生として期待されるはずだが、農家の置かれている厳しい現状を少しでも体で感じてもらえたら、この実習体験の意義は大きい。

私個人としては、野菜をいただいている林農園での実習体験の発表に注目。
多分、昨年林さんと一緒に配達に来た子なんだろうな、なんて考えながら聞いていた。

お目当ては、6次産業の成功例として有名な「伊賀の里モクモク手作りファーム」の木村修会長の講演。
テーマは「モクモクに学ぶ地域おこし」。



「伊賀の里モクモク手作りファーム」にはもう20年も前になるが、PTAの家庭教育学級で「手作りウィンナー教室」に行ったことがある。
その時は奈良に住んでいたので、バスに乗ってだった。



そのころの「モクモクファーム」
ログハウスのきれいな建物が1棟だけ。手作りウィンナーを作ったことを覚えている。

今では年商54億円。
従業員 正社員 150人、パート200人、アルバイト650人の伊賀市の一大企業に成長。

そのノウハウを木村会長が伝授する会社が「(株)モクモク流地域産業製作所」。

まずは、30年前の設立以前の話から入った。

三重県は工業県であり、1次産業に力を注いでいなかったため、三重県経済農業協同組合に就職して豚を担当していたが、他県のブランド力にはかなわなかった。

ブランド力をつけるためどうしたらいいか?

今ある品種を差別化するためには、「非絶対代替価値」を考える事である。

それは、おいしいもの、安心、安全なものであることだが、
生産者は、効率的に、安価で作って、儲けることを考えてしまう。
そのため、消費者の望むものとギャップが出来てしまう事になる。

次に、地域の中で、生活圏の中で価値を発揮すること。

愛着ブランド、土着性のあるブランド、地域の人に愛されるブランドを作る事である。

26年前、伊賀豚の養豚農家16軒と農事組合法人伊賀豚振興組合を設立。
22年前 「有限会社農業法人モクモク」設立

時はバブル期。大手ハムメーカーによる手作りハムブームが到来し、グルメブームが始まる。
しかし、成長するのは小売業、メーカーばかり。

農業1次産業が衰退するのは、価値決定権がない下請け産業だから。

自分たちの価値をわかってもらえないと高く売れない。
消費者に知ってもらうための仕掛けづくりとして、「手作りソーセージ教室 モクモククラブ」を作ったところ、現在46000世帯が会員になっている。

講習会で生産者と消費者をつなぐ食育教育を行い、哲学を知ってもらうことが大事。



理解をしてもらい、理解を超えるもの、つまり「いいことしているな」という共感を得ることが重要。

そうなると、次は「応援してあげよう」となる。
消費者を裏切らない限り、応援し続けてくれる。

商品を売るのではなく、考え方を売るのである。



次には共感した人を組織化する事。



食育とは生きる事、食べる事、感謝することを伝える事。
だから、食べ放題はダメ。
価値を伝える事が大事。

「7つのテーゼ」は商品を送る段ボールにまで印刷している、という。



そして、ブランド力を訴えるには、木を活かした建物も重要。

現在、米は地元農家 80軒、野菜は100軒、イチゴ 4万株 ブルーベリーと地元の農家を組織化している。

転作 20haの大豆畑、もち米か和菓子の材料として。

ビールのモルツ作りで麦芽を作る工場を隣町に。

200人規模の宿泊施設。
現在年間50万人の訪問客がある。

食の大切さを感じると、地域農業を理解し、愛着がわくようになる。
そうなると郷土愛につながるようになる。

地域農業をもっと伝えるには、消費者と一体化する仕組みづくりが大事。

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木村会長の話を聞いていて、デンマークのロラン島で話を伺った市議のレオ・クリステンセンさんを思い出した。
レオさんも教育が大事と言っていた。
再生可能エネルギーに興味を持たせるにはまずは子どもたちの教育から、と言うのが持論だったなあ。

優れたリーダーとは「スタッフの力を最大限引き出す能力のある人」と実感させる魅力のある木村会長の講演だった。

先週、議運視察で訪問した長崎県大村市の6次産業の産直所も、入った途端、ただものじゃあない、と感じさせるものだった。
魅力ある所は、一歩入っただけでもわかるものだなぁ。

おおむら夢ファームシュシュ

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