物理学者のブログ

写真と電子工作のブログ。韓流記事も!

地上デジタル その2

2008-05-05 | 電子工作
パソコン上でハイビジョンの視聴、録画、再生は
できるようになったのですが、PCに記録したファイルを
今度は逆にチューナーに送って、テレビで再び再生するという
『TS戻し』にチャレンジしました。

必要を感じない機能なので、前回は省略したのですが、
改造の難易度が高いらしいので、技術的興味で挑戦しました。

一番いやなのがパターンカット。不可逆なことはいやです。

上の写真の赤い矢印の4箇所を切ります。
精密ニッパーを持ってないので、基盤にキズが付いちゃいました。
また写真を編集しながら気付いたのですが、
黄色矢印のチップ部品がヤバそう。ぶつけたか?

パターンカットをしたチューナーユニットの裏面です。

手持ちのラッピングワイヤはコシがありすぎるので、
信号ラインも撚り線に変えました。
シールドをかぶせた後でも分かるように色を変えます。

配線終了。

これで動作させたところ、ノイズまみれでした
電源とグランドを短くしたら安定に動作しました。
はじめから太く短くしたつもりだったのですが…。
同じトラブルを抱えている方は、試してみてください。

地上デジタル

2008-05-04 | 電子工作
半年振りですね。ご無沙汰していました。

2週間ほど前のことですが、インターネット上で
地デジ・BS・CSの3波チューナーを改造して
パソコン上でハイビジョンを楽しむという
俗に言う『TS抜き』というのが流行っているのを知り、
久しぶりに電子工作魂に火がつきました。

早速チューナーを購入。約27000円

ユニデンのDT300、YAGIのDTC110でもいいようですが、
YDBC-30というのを購入しました。前者は黒で後者は白のボディーです。

パソコンへはUSBで接続するのですが、
そのインターフェースがカメレオンUSB FX2というやつ。
送料込みで約5500円。

定規を置き忘れたのでスケールがわかりにくいですが、
基盤のサイズが7cm×4cmくらい。
0.8mm×1.6mmのチップ部品の半田付けはいいとして、
右上から2番目のICは、たぶん無理
幸い、今回は使いません。
アルテラのCPLDであるMAX2と
サイプレスのUSB I/Oつきマイコン、FX2LPが
乗っています。こいつは他の目的にも使いでがありそう。
2個買っておけばよかったかな?

信号線はラッピングワイヤで、電源とグランドは太目の
線材で配線しました。5時間ほどで完成。

我が家でもようやくハイビジョンが楽しめるようになって
満足です。

連載 デジタルアンプキット 第5回

2006-11-10 | 電子工作
電源、キット、自作回路の基板を並べたところ、
想定されるケースのサイズに比べて表示部が妙に
小さいことが判明

そこでVFDを変更することにしました

いきあたりばったりです

上が従来のキャラクタ型、
下が今回使用するやつです。



DS-GU160X32-800。

型番から分かるとおり、160x32ドットのグラフィック型VFDモジュールです。
今はフォント搭載モデルがありますが、これは非搭載モデル。
なのでフォントは自作します。

今回は20文字程度なので自作しましたが、さすがにJIS第2水準まで
いりそうな時は、LinuxのフォントやフリーのフォントをROMに焼くことにします。
丸文字にすると楽しいかも



さて、ファームウェアの変更をして、表示させたのが下の写真。



う~ん、前のほうがカッコ良かった気がする
さらに消費電流が500mAに跳ね上がりました

つまら~ん

入手性の良い、これくらいのサイズのフルカラー液晶が
あれば、今後は液晶に乗り換えたいところです。

連載 デジタルアンプキット 第4回

2006-10-28 | 電子工作
前回で当初の目的は達したのですが、
急にレベルメーターが欲しくなりました

アンプもデジタル、ボリュームもデジタルなので
表示もデジタルにします

表示には昨年衝動買いしてそのまま死蔵していたVFD
(DS-CU16025ECPB-U4J)を使います。

16文字×2行のキャラクタ形です。

以前、液晶のSC1602BSLBを使ったことがあるので
使い方(プログラミング)は大丈夫でしょう。

見た目は圧倒的にVFDの方がカッコイイです

さて、どこかでこのVFDを使う際の注意事項として
 電源ピンがSC1602と逆
 何かの待ち時間が長い(たぶん電源投入後の待ち時間)
が挙げられていました。

でも、僕的にびっくりしたのは消費電流。100mAも食います。
突入電流はそれ以上。まぁ原理上しょうがないです。
こいつの電源の配線は独立にした方が良さそうです。

さて、入力レベルはバッファアンプを通して整流して
AVRのADCを使います。が、

ここで問題発覚
使用中のATTiny2313はADCを持っていません

当初の仕様になかったのでいいのですが、どうしよう…

悩むこと数時間…
(長すぎっ)

結果、AVR追加です

手持ちのATmega8を使います。
かなりのオーバースペック
これにリモコンやボリューム関係も余裕で入りますが
面倒なのでやめときます。

人には「デュアルCPUと言い張ります」



そんなこんなで完成しました

実は最近購入したブレッドボードに作っているのでした。
今まではいきなり基盤に作ってて、ブレッドボードは使ったことが
なかったのでどんな感じかなと思って。

なお、バッファアンプはまだなのでVFDに表示されているレベルは
偽者です(上の青い半固定抵抗で作っている)。

こうやって、部屋の電気を消すと~

う~ん、われながら美しすぎる
すっかり天才ぶりを発揮してしまいました



…冗談です。



これを見て、もうこの段階で充分満足しちゃいました。
ケースとかはしないかも。



そうそう、ひとつ恥をさらしておきます。
VFDの左にある黒いやつ。
製造工程上やむを得ずできてしまう”こげ”と思っていました

最近、別の知識とつながって
 「あ、これ、あれか」
ってなりました。

今度、うちの学生に知っているか聞いてみようかな?

もちろん、偉そうにではなく
 『僕も最近分かったったんだけど、これ何か知ってる?』
と、無知をカミングアウトしちゃいます。

物理学科では(少なくとも僕は)習わなかったので
みんな知らないかかもしれません。

なので、これは日常の好奇心を試す試験です

連載 デジタルアンプキット 第3回

2006-10-20 | 電子工作
今回は送信機について。

ちょっと便利な電子機器に”万能型多機種対応リモコン”の製作記事があり、
ボタン作成中の図4-3を見ると、その美しさに惹かれます


しかし今回は送信機としてこれを使います。

100円ショップで買ったテレビ用リモコンです
210円でした。大きさは縦10cmと小型にできています。
自作でこの大きさは厳しいですし、210円以下では不可能です



早速、赤外線リモコンの受信モジュール(1個110円)を使って
信号の解析をしました。それが下の図。すでに復調されたものです。

最初のスタート信号を無視すると、固定長のLOWレベルと
2種類の時間幅を持つHIGHレベルがあります。

短いのを論理”0”、長いのを”1”とすると
図に書き込んであるようなビット列ができます。
AとA’、BとB’がビット反転になっているのがわかります。
エラーチェック用ですね。

別のボタンを押しても前半16ビットは変わらなかったので
これが製品のIDで後半がボタンのコードとわかりました。

この解析を製品IDごとにボタンの数だけしらみつぶしに調べて
データの取得は終了です



前回作成したLM1972(電子ボリューム)の制御に加えて、赤外線リモコンの
データ解釈機能をAVRに追加。その様子をRS-232Cでモニターできるようにしました。

ふむふむ。ちゃんと動いている(本体も)。画面には出ていませんが、現在のアッテネートの
値も表示できます。

ちなみに上で使っているTera Termは物理学者(当時学生)が開発したそうですね。
プログラマじゃなくて、同業の物理学者が開発したことがちょっとうれしい
インターネット(正確にはwww)もCERN(ヨーロッパ合同素粒子原子核研究機構)という、
やはり物理学の研究所で生まれたし、日本で初めてのホームページも
KEK(高エネルギー加速器研究機構)だったな。
僕が自慢することではないですが。以上、トリビアでした。



さて、今回使用した赤外線受光モジュールはPL-IRM0101-3です。

データシートには周波数についてTypicalの値しか記載されておらず、
最大値・最小値は”-”になっていました。

そこで精密ではありませんが、自分で実験したところ、おおよそ
下限が30kHz強で上限が50kHz弱でした。

将来送信機を自作する際に少なくとも10%位までの誤差は
大丈夫であることが分かりました。

実際には労せずして10%どころか1%以下は達成できますが
モジュールの許容範囲が10%なのか1%なのか、あるいは
1ppm(これは無理)を要求するのかが分からないと困るので
この手の情報はデータシートに記載して欲しいです



最後に、赤外線LEDは秋月電子通商で買いました。

700円。100個入り…

こんなにいらないのに…

なんで100個入りか不思議でしたが、
なるほど、投光器を作る人がいるんですね

正しい使い方をしていればいいですが…

連載 デジタルアンプキット 第2回

2006-10-16 | 電子工作
前回の続きです。連載にすることにしました
6~7回くらいの予定です。

さて、音量調整にボリュームが必要ですが、手でクリクリするのではなく
リモコン操作を可能にしたいと思います

初めて知ったのですが、リモコンの赤外線は誤受信防止のために
38kHz変調されているんですね。知らなかった…
こんな知識レベルからのスタートです

音量をリモコン操作する場合、2連ボリュームにモーターを付けて回す方法も
考えられますが、電子ボリュームが手に入ったのでそれを使います。

使うのはナショナル・セミコンダクターのLM1972Nです。
データシートによると名称が
 ”μPot™ 2 チャネル78dB オーディオアッテネータ(ミュート機能付き)”
となっています。


LM1972の特徴は
 2ch (ステレオ向き)
 減衰範囲 0~78dB
 減衰ステップ 0.5dB(0.0~47.5dB)
              1dB (48~78dB)
 ミュート(104dB typ.)機能あり
 電源電圧(Vdd-Vss) 4.5~12V
です。

さっそくテストします。

電源は±5ないし6Vだと気持ちがいいですが、ズボラして
Vddはグランド、VssはRS-232CのトランシーバーICであるMAX232の
2番ピンからもらいます。実測で約10Vでした。このおかげで
電源は5V単一で済みます。

制御にはアトメルのAVRマイコン、ATTiny2313を使います。

AVRのプログラミングはこれが初めて。コードはアセンブラで記述します。
C言語の方がなじみがあるのですが、コンパイラ(AVR-GCC)がよく
分からないのでCは遠い将来に保留。

せっかくRS-232Cドライバを付けたので、しばらくはパソコンに
赤外線リモコンの役をさせてAVRにコマンドを送信。
AVRがさらにLM1972へコマンドを送ります。



完成したので入出力の特性を調べてみました。

入力信号はefu's pageにあるWaveGeneを頂いて1kHzの正弦波を生成します。
電圧はほぼ1V(実効値)にしました。あと、ICの電源はMAX232
からもらうのはやめて5Vにしました。

以下の赤丸が測定点。横軸は指示した値、縦軸は出力電圧を
入力電圧で割った値です。DMMは持ってないので、安価な
カード型のテスターで測りました。

30dB付近までは美しいです。
しかしその後ずれはじめて、50dBからフラット。

この辺りの測定電圧は5mV。テースターのせいか、
ノイズのせいか原因不明です

104dBのところに孤立してある赤丸はミュート時のもの。
実測で2mV。アンプキットのゲインが14dBなので
増幅後は10mVとなり、これまた無視できない量です

青の丸は試しに3mV引いてプロットしたもの。何もヒントが得られない…

いずれ
 デジ/アナを分離する
 グランドをしっかり取る
 シールドをする
等の対策をして、それでも実用上問題がある時に
ふたたび悩むことにします。

LM1972も一応は動作したし、初めてのAVRも問題なく動いてとりあえずは満足です

デジタルアンプキット

2006-10-13 | 電子工作
これ、

『どすぶいだにょ☆創刊号』
      と
『どすぶいだにょ☆第3号』

いわゆる同人誌と呼ばれるもので、5年ほど前に初めて買いました

実は内容はアニメや漫画ではなく、電子工作です。
内容がハイレベルで、特に「光学距離計の実験製作」は
勉強になりました

先入観(表紙)で興味のないものを無視してしまうと
重要な情報を失ってしまいかねないことを学習しました


さて、この同人誌で見て以来、気になっているものがあります。
デジタルオーディオアンプです。

紹介されているのはカマデンから発売されているキットで、
トライパス社のTA2020-020というICが使われています。

このキットに関するHPも多く、また最近はこれを扱った本(デジタル
アンプキット + PICマイコンではじめる電子工作)まで刊行されるなど
なかなか人気のようです。

というわけで、買っちゃいました

オリジナルのキットに含まれるLとCをオーディオ用のものに
交換してあるスペシャル版です。約6000円でした。

さっそく組み立てて試聴…といきたいのですが、実はスピーカーを持っていません
このキットを買った意味ないです

使えるスピーカーはあまりに大きかったので引越しのときに捨てちゃいました。
また、サークルの先輩に頂いた小型のも以前はあったのですが、
朝起きたらコーンが破れていました
寝相が悪くて、寝ている間に蹴ってしまったのでした

このキット、どうしたものか…

デジタルCメーター

2006-09-27 | 電子工作
デジタルCメーター(静電容量計)を作りました


どうも動かんと長いこと悩んでましたが、
トランジスタのピンアサインを勘違いしていました

上の写真は100μFの電解コンデンサーの容量を
測っているところです。



なお、えるむ - Electronic Lives Mfg.で紹介されているのも、そのものです。

スペックは
 最小0.1pF
 最大約440μF
 有効数字3桁(10.0pF以上)

秋月電子通商のキットやその他の文献で見たどれよりも
部品点数が少ない上に高精度です。
作者の優秀さが覗えます