『ありがち日記』

アラスター・グレイ『哀れなるものたち』

映画版の補完として原作を読んでみたら…


ストーリー
19世紀後半、天才医師と、奇怪な手術で蘇生された女がいた。そう記された古書に魅せられた作家はある行動に出る。映画化原作

シンプルなあらすじだけど、そういうこととしか言えない…。自分が身ごもった子供の脳を移植された女性ベラ・バクスター、その手術をしたゴドウィン・バクスター博士 、ベラの夫となるアーチーボールド・マッキャンドルズ。そして発見された古書の編者であるアラスター・グレイ(著者と同名)。
この本は、アーチーボールドによる著作、ベラ(ヴィクトリア)による夫への反論の手紙、そして注釈とは言えないくらい長い編者による注釈で完成されている。映画とはだいぶ印象が違ったので戸惑ったけど、すごい面白い体験だった。

映画版は衣装やストーリー展開的にもどうも現実離れしているというか、ファンタジーのような都合よさを感じていたけれど、それは原作で言うところのアーチーボールド・マッキャンドルスの著作を元にされているからで、ヴィクトリアの主張を読むと、彼女はもっと理想の社会を作るために活動する政治的な女性であることがわかる。

え、どっちが本当のことを言ってたの?

ゴシックホラー小説の雰囲気を楽しんでいたと思ったら、次の瞬間、ミステリー小説を読んでいるのかな?っていうくらい印象がガラリと変わる。

イングランドやスコットランドの関係など背景をもう少しわかっていたら、その意味がもっと刺さりそうなんだけどな。アラスター・グレイ自身がスコットランド、グラスゴーの作家なのも関係あるでしょうし。あの辺が複雑なのは何となくわかるんだけどねぇ💦

それにしてもこの本を翻訳した方、かなり苦労されただろうなぁ。そういうものも含めて様々な仕掛けを楽しんで読んでみて欲しい一冊。

頭が疲れたので、今は軽めの本を所望しています(笑)





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