375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

「本田美奈子.フィルムコンサート“舞輝(BUKI)”」を見る。

2006年08月12日 | 本田美奈子.記念館

先ほど、ラ・フォーレ原宿での「本田美奈子.フィルムコンサート“舞輝(BUKI)” TOUR 2006-2007」を、見てきたところだ。記憶が鮮明なうちに、とにかく、今の感動を書き残しておこうと、渋谷のネットカフェに飛び込んだのである。

自分が見たのは、第1回目の午後1時開演の上映だった。どれだけの混み具合になるか見当がつかなかったので、1時間半前の午前11時30分に会場に到着してみると、すでに20人以上の列ができている。全館300席ということなので、これは余裕だ・・・と思いきや、後から来た人たちが、次々と、自分の前方のほうに並んでゆくではないか。どうやら「ぴあ」で前売り券を購入した人たちが、優先的に入場できるらしい。

それでも、心配は杞憂だった。12時15分の開場時には、問題なく、中ほどの良い席を確保することができた。周囲を見渡すと、さまざまな年齢層の人たちの姿が見える。ふだんはあまり音楽を聴きそうもない年配の方々から、子供連れの夫婦、若いカップルまで、実にバラエティに富んでいる。自分のような美奈子ファンもいれば、通りすがりに興味を持って立ち寄ってみた人たちも、少なくないようだ。

午後1時になり、上映が始まる。まずは、美奈子さんが出演したテレビCMの特集。懐かしいカルビー・ポテトチップスの3種類のCM、佐藤製薬のストナエース、東芝扇風機「風のイマージュ」、ろうきんのCMが2種類、シャワランのシャンプーとリンスに、同社の牛乳粉石けん・・・と続く。こういうテレビ時代があったんだよと、若い人たちに紹介する意図がうかがえる。

続いて、いよいよ本編。まずは2004年のライブから2曲、①誰も寝てはならぬ ②アメイジング・グレイス。②のほうは、すでにDVDで出ているのと同じライブ映像だが、①のほうは、②と同じ衣装であるところを見ると、同日に行われたライブのようだ。これを歌う美奈子さんは、声量といい、迫力といい、まさにオペラ歌手顔負け。文句なく、すごい。まるで、時速100マイルの剛速球でいきなりストライクを取られたかのように、呆然としてしまった。

この2曲が終わると、昔にタイムスリップし、1987年の3つのヒット曲 ③Oneway Generation ④孤独なハリケーン Crazy Nights のメドレー。「ミュージック・ステーション」等での映像と思われ、いずれも、切れ味がよく、パンチの効いた若き美奈子さんのパフォーマンスを堪能できる。

続いて、MINAKO with WILD CATS時代(1988年から1989年)の ⑥勝手にさせて 愛が聞こえる あなたと、熱帯

この時期の映像は貴重だ。セールス的には壁に当たった時期でもあるので、素通りされることも多いのだが、再評価の進んでいる今、この時期のライブDVDを、「元祖J-POP」という触れ込みで出しても面白いと思う。

この後、ふたたびCM映像の特集となり、グリコ・ポッキー、AUREXのCDコンボ、「つばさ」を歌ったオッペン化粧品、が登場する。

ここからはミュージカル・ナンバーとなり、⑨命をあげよう(「ミス・サイゴン」より) ⑩オン・マイ・オウン(「レ・ミゼラブル」より) ⑪ララバイ(「十二夜」より) ⑫FRIENDS(「クラウディア」より)、が歌われる。

この中で、圧巻だったのは⑩だ。CDでは、アルバム「心を込めて・・・」に、デモテープからのテイクが収録されていて、もちろんそれはそれで素晴らしいのだが、今回、劇中で歌われる同曲は、本当に鬼気迫るものがある。これぞ、完成版の「オン・マイ・オウン」だと思う。ミュージカルの場合は、全体をDVD化するのは難しいかもしれないが、せめて美奈子さんが歌う、この曲の部分だけ、市販できるようにはできないだろうか、と願わずにはいられない。

この後は、いよいよクラシック・アルバムの夢がかなう時期のナンバーとなる。
AVE MARIA ニューシネマ・パラダイス ⑮Time To Say Goodbye、が情感たっぷりに歌われると、「ありがとう」の詩の朗読をはさんで、本日のクライマックス、⑯つばさ ⑰ジュピター ⑱1986年のマリリン、のライブ映像となる。

ここでの⑯は、野外ライブで、場所は阿蘇と聞いたことがあるのだが、素晴らしい演奏だ。ゆっくり目のテンポが雄大なスケールを生み、文字通り、大空へ飛翔していくような感動に包まれる。やはり、圧倒的な名曲。しかも美奈子さんは、あのロングトーンの間、顔色ひとつ変えず、ごく普通に、にこやかな笑顔に戻っていくのだ。ほんとうに、すごい人だと思う。

⑰⑱も、すごい。クラシック音楽の名曲「ジュピター」の、荘厳なドラマが幕を閉じたかと思いきや、そのままの衣装で、「1986年のマリリン」の華麗なダンスが始まる! 

魔法のような離れ業だ。まさに、歌の女神ディーバ)と呼ぶにふさわしい。ふだんテレビで見かけるような歌手とは、格段にレベルの違う存在。間違いなく、日本最高、いや、世界最高かもしれない

これが、ほんとうの芸術というものだと思う。「うまい」とか「美しい」とかいう次元ではなく、「圧倒的に、ものすごいもの」。芸術とは、まさに爆発であり、落雷のような衝撃の伴うものなのだ。

自分は初めて、感傷ではなく、歌の力だけで、泣いた
芸術のすごさを教えてくれる、ほんとうの大歌手。

午後1時開演の上映のあと、少し時間を置いて、第4回目の5時30分開演の上映を再び見た。今度いつ見れるかわからないので、目に焼き付けておきたかったのだ。

明日は、もうアメリカに戻らなければならないが、まだ、渋谷の追悼展について書いていないので、後日、アップしたいと思う。


★「ラ・フォーレ原宿」 ここの6階のミュージアムで、本田美奈子.フィルム・コンサートが行なわれた。



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2 コメント

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まさに同感 (永根成人)
2006-08-18 23:31:00
自分も見てきたのですが、詳しくコメントありがとうございます。記録としてもプリントしておきます。また、あなたのコメント全く同感。まだ知らない人たちにも彼女を知ってそれぞれの感性で感じてもらいたいものです。
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ようこそ。 (孤独なウルフ☆)
2006-08-19 13:57:58
ご来訪ありがとうございます。

美奈子さんが文字通り「舞い輝く」フィルムコンサート・ツアーが、全国に感動の渦を巻き起こすことを期待したいと思います。

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