やまたび茶飯事164

物言えば唇寒し

パソコンで音楽を聴く その2

2013-01-23 12:04:12 | オーディオ

中学校時代からのながら族で、今でもパソコンからは常に音楽が流れている。最初に使ったパソコンはNTTからのリースでNECの入門機だった。新聞広告を見てたぶん安く感じたのだろうが、今なら絶対に手を出さないだろう。いつの世にも初心者を巧妙に誘う広告はあるものだ。

メモリー128MBというのでは今となってはウソのようでいかにも非力だったが、その頃では別に珍しくもなかった。CDを入れたらもちろん音楽も聴けたが、本体内蔵の貧相なスピーカーから出る音は一昔前のラジオの音のようなものでとても音楽を聴ける代物ではなかった。

そのころヤフーオークションが一般的になってきて、いらない物の処分に私も利用するようになっていた。捨てるしかなかったものにいくら安価しろ値段がつくようになったのだからこんないいことはない。インターネットが世の中をどのようにしていくかということについて私は楽観的ではないほうだが、このオークションばかりは恩恵を認めないわけにはいかないだろう。もっとも、そのころはまだオークションも牧歌的で、個々人の要らない物の再利用といった感じが強かった。今では大部分が商売であろう。

宿を始めてから現在に至るまで、我が家に出入りしたオーディオ機器は相当な数にのぼるが、そのほぼすべてがこのオークションを経由したものである。

パソコン内蔵のスピーカーではながら族もできはしない。もうちょっとまともな音が聴きたいと思って500円で落札したのがNECのパソコン用スピーカーだった。アンプ内蔵で、スピーカーネットに見えるところが振動板そのもので、音を出すとぶるぶると震えた。モニターの横に置ける分、パソコン内蔵のスピーカーよりは多少良くなったが、これも、まあパソコンの操作音を出すだけのものであった。体裁や値段を見れば当たり前なのに私は今までもこれからも常にまず安物を買って銭を失う。

かくてはならじと次にオークションで1000円で仕入れたのが東芝のスピーカー。これは大きさだけはいっぱしだったが、重さはなく、つまりは薄いベニア板を張り合わせただけの、ひところの安いシステムコンポのスピーカー部分といったものだった。新品という触れ込みだったが、倉庫の片隅にでも長く忘れられていた物らしく、裏ぶたを開けてみようと木ねじを回したら、どのねじも錆びていて頭だけがもげてしまった。

いかに安物でも容量というものは大したもので、先のNECのスピーカーの内蔵アンプを利用して音を出してみたら、これがなかなかふくよかに鳴る。要するに、それ以前のスピーカーでは決定的に低音が不足していたのである。もっともそのときは、NECのスピーカーから取り出した、マッチ箱に入るくらいのアンプ部分で、よくもそれなりに音が出るものだと、そちらのほうに驚いた。

このスピーカーをモニターの台の下(つまり足元)に置き、たしか次のパソコンを買うまでの数年間はそのまま使っていたと思う。


パソコンで音楽を聴く その1

2013-01-21 15:43:01 | オーディオ

アンプの買い替えの話の続きをしなければならないのだが、ちょっと時を遡って、それ以前の、パソコンで音楽を聴きだしたことを書いておこうと思った。それには、まずパソコンとのなれそめから書く必要があるだろう。長い前置きで恐縮である。

私のパソコン歴はさほど古いものではない。宿を始めるにあたって、その頃にはすでにインターネットによる宣伝や集客も当たり前になりつつあったので、これは買わざるを得ないだろうとやっと購入したのであった。2000年のことである。

それまでにもワープロを使っていたのでキーボードに抵抗はなかったが、逆に言えば、パソコンといっても文章入力以外の活用方法を思いつかなかったので、それならワープロでも充分で、すでにかなり世間に浸透していたパソコンにもあまり食指が動かなかったのだった。「やっと購入した」というのはそのためで、仕方ないといった気持ちが強かった。

それが今や、1日の大半をパソコンの前に座って過ごすという、パソコンの奴隷のような生活となってしまったのだから隔世の感がある。もっとも、トラックが荷台優先でドライバー席が貧弱のように、自分達のスペースがかなり狭いペンション業では私の座る場所はパソコンの前しかない。

パソコンを買ったら宿のサイトぐらいは自分ですぐに作れるだろうと思ったのは浅はかで、ソフトを買って説明書を読んでもほとんどちんぷんかんぷん、結局、当時は現在の建物を賃貸して営業していたのだが、その家主がホームページ作成の会社をしていたのをいいことに、もっとも簡単なホームページを作ってもらってお茶を濁した。

ホームページひとつ作れない情けなさを思うのを嫌さに、しばらくはパソコンを起動することもそれほどなかった。しかしメールその他、パソコンは日常に侵入してきて、それは同時に世間もますますインターネットの時代なのだから、せめて自分のサイトくらいはやはり充実させなければと思って一念発起したのが2005年の夏前だった。

慣れというのは恐ろしいもので、ホームページ作成ソフトはほとんど使わないでいたものの、他のソフトをそこそこ使っていたから、やってみれば似たような動作も多く、数日かかりきりで何とか使い方がわかってきた。もっともHTMLの知識など今でもほとんどない。そのソフトを使うのに慣れたというだけである。

そしてパソコンに慣れるにしたがって、パソコンから音を出すことにも興味が出始めたのである。

 


アンプの交換 その4

2013-01-09 11:33:41 | オーディオ

ブログを更新するのに1年近くもかかってしまったのは、とりもなおさず、音に満足して、オーディオのことを考えるのが面倒になってしまったからであった。しかし「ある不満が出てきた」で終っているのではいかにも不親切なことで、このブログを読んでおられた数人の方にはまったく申し訳ないことであった。

「ある不満」というのは、購入したアンプのメーカーにあてて私が出したメールに尽きている。

(株)エーワイ電子  山枡 昌典 様

注文のEPWS-5acを受け取りました。さっそく結線し、その軽やかで美しい音に感動しました。これ以前はLM3886というICを使った中国製のアンプを使っていたのですが、解像度がぐっと上がり、音が軽やかに外へと広がりました。中国製は売り払うことにします。

その中国製アンプはテクニクスの30万円したアンプが故障したときに、つなぎの機械として安さにつられて買ったものでしたが、一聴して、前のテクニクスを修理せずに売り払うことに決めるほどの音でした。音は値段ではないと思いました。

音源がわりとあるものですから、ラックスのプリアンプに中国製パワーアンプをつないでいたのですが、あるときCDプレーヤーからアンプに直結してみると、明らかに音の鮮度が上がりました。それで、プリは不要だなと思ったわけでしたが、それでもセレクターがないわけにもいかず、そこで余計なものがついていない御社のパッシブプリに目を付けたのでした。

ラックスのプリはさすがにブランドイメージが高いだけあって、予想外の高値で売れました。予算が増えたので、それならいっそのこと御社のパワーアンプはどうだろうとなったわけです。EPWS-5acならセレクターもあるので問題はない。アンプは値段ではないと強調しておられますので、そのあたりにも同感したのです。

丸1日聴いてみて、ほぼ満足できました。しかし、そう多くはないものの、私はジャズを大音量で聴くことがあるものですから、その場合(ちなみにスピーカーはKEFのC-95という能率90dbのものです)、ピアノやバスドラムの音が頭打ち、すなわちひずんだ音になります。その際のボリュームは1時から3時の位置です。前のテクニクスや中国製アンプではそのくらいの音量では破綻はありませんでした。これはやはり出力の問題で、ある程度の音量までで美しい音を楽しむためにはあきらめるべきことなのでしょうか。

そこで質問です。

●御社にはその上に10W出力のアンプがありますが、それに代えることによって、前述の、大音量の際の音のひずみはある程度避けられるでしょうか。

●出力を上げることによる、小中音時の質の低下はいかほどのものでしょうか。

●出力の余裕で効果がある場合、その製品との差額を払うことでアンプの交換はできるでしょうか。

もし、それが効果がないか、交換が可能でなければ、今のEPWS-5acを使い続けたいと思っています。

以上、お尋ねします。

このメールの回答は下記である。

 

長沢 様

お世話になります。

10W品に変更はさせていただけますがお聴きの環境では不足と思われます。

KEFのC-95 は聴いた事がありませんが90dbの能率でパワー不足を言われたのは御貴殿が初めてでございます。

私共の製品で50W級に対抗できるのは残念ながら30W品しかございません。

上記のようなお返事しか出来ませんがアンプの出力は本来10Wまで(内部直流電圧は低いほど音が荒れない)と思っておりましてウーハーの駆動力という点で30Wを出しておりますがBTL接続で電源電圧は10Wアンプと同じでございます。

少し書きましたが返品を希望される場合でも抵抗はいたしません。御希望通りにさせていただきます。

(株)エーワイ電子
山枡 昌典

 

近隣に迷惑がかからない環境なので、ジャズなどはかなり大音量で聴くことがある。その際にピアノやドラムの音がひずむ。これは今までにはなかったことであった。山枡氏はパワー不足を言った人はこれまでにないというが、この現象がパワー不足に起因するのか私にはわからない。しかし決して耳をつんざくような音量で聴いているわけでもないのに音がひずむのは困る。ただ、いつでもそれだけの音量を出すわけでもない。普段の音量なら問題はないのである。

結局、イチかバチか差額を払って上級機に交換することにしたのである。それがEPWS-10DXであった(現在販売中のものは当時と少し違っているかもしれない)。