橋下・維新の会が大阪府・市議会、堺市議会に提出しようとしている「教育基本条例」(案)に、義務教育の学校選択制の導入が盛り込まれている。
※橋下・維新の会の「大阪府教育基本条例案」に反対の声を!
これが子どもたちの勉学条件を著しく悪化させ、さらに地域社会の崩壊をももたらすことが、2006年11月22日放送のクローズアップ現代「地域の学校が消えていく 学校選択制の波紋」が伝えている。
この番組は、教育基本法の改悪が焦点になっていた時期に作られたものだが、その当時既に学校選択制が導入されて5~6年が経っていた東京都のいくつかの区立小・中学校に取材している。
学校選択制によって、入学者がわずか5人という小学校がある一方で、入学者が体育館に入りきらないほど殺到する中学校も現れる。
小・中学校の児童生徒の激減によって、登下校し地域で遊ぶする子どもたちの賑やかな声が消えてしまい、地域社会そのものが崩壊していくことが映し出されている。ある住民は危機感をもって「町が沈んでいく」と表現する。
人気・不人気を決めるのは、有名高校進学率が高かったり、クラブの全国大会で好成績を上げたりする学校とその地域だ。学力テスト結果が公表されるため、保護者は否応なくその結果に判断を左右されることになる。結局は、学力テストやクラブの成績で序列化されていくのである。
教職員が入学者を増やそうと思えば目に見える成果を上げるために奔走せざるを得なくなり、結局は、好成績を上げる可能性のある「よくできる子ども」に力を割くことになってしまう。
そして、一度よくない噂がたったり、入学者数が減ったりすると、スパイラル的に入学希望者が激減し、クラス対抗競技や運動会、それどころか体育の従業のドッジボールさえ困難になる事態になる。そのような学校は次には廃校の危機にさらされる。
コメンテーターとして登場する佐藤学氏は、“確かに全国で200くらいの自治体で学校選択制が導入されているが、多くの地方では過疎地の学校の入学者減少に歯止めをかけるために、校区外からでも入学できるようにしている。しかし東京都での学校選択制は、競争によって格差を付けるために導入されたもので基本精神が全く違っている。都市部で学校選択制を導入すべきではない”と懸念を表明する。
(入学者数が5人しかいない小学校)
20061122クロ現「地域の学校が消えていく 学校選択制の波紋」(1)
http://www.youtube.com/watch?v=up51UD6WFi0&feature=youtu.be
20061122クロ現「地域の学校が消えていく 学校選択制の波紋」(2)
http://www.youtube.com/watch?v=QNk-d36kZbU
20061122クロ現「地域の学校が消えていく 学校選択制の波紋」(3)
http://www.youtube.com/watch?v=uxiIdyOQyGM&feature=youtu.be
(ハンマー)