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シリーズ PKO「駆けつけ警護」の危険(その四) 内戦の激化でPKO自衛隊派兵の前提が崩れている

2015-11-11 | 集団的自衛権

 南スーダンPKO(国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS))への自衛隊派遣は今年11月までとなっており、実施計画における自衛隊部隊の派遣期間は、撤収期間も見込んで2016年2月までとなっています。
 しかしすでに2013年12月に政府軍と反政府軍との内戦が勃発し、自衛隊派遣の前提となる停戦は崩壊しました。この時点で自衛隊は活動を停止し撤収すべきでした。しかし政府はその後も南スーダンPKO自衛隊派遣を継続し、首都ジュバの国連の敷地に立てこもって、敷地内の道路敷設や宿舎建設、他国PKO軍への給水、国連施設内の文民保護区での避難民医療支援活動などをアリバイ的に行っているのです。明らかにPKO活動の前提が崩れて破綻しているのを隠しているのです。海外派兵を恒常化するためにほかなりません。

 以下は11/10に外務省が公開した第8次要因の活動記録のビデオです。上記のような国連施設内での活動やマラソン大会、太鼓のパフォーマンスなどのイベントに精を出している様子がわかります。私たちは、自衛隊の海外派兵はどのような「文化的活動」「非軍事的活動」を装おうとも憲法違反であり反対です。即時撤収すべきであると考えます。
※南スーダン国際平和協力隊 第8次要員 活動記録-活動開始編-
https://www.youtube.com/watch?v=L1EvVWYVte8&feature=youtu.be

 ところがこのすでに破綻したPKO、引きこもりのPKOに、新しい「駆けつけ警護」の任務を付与するのが戦争法です。
 現在南スーダンの自衛隊が駐屯する地域の警備はウガンダ軍が請け負っています。2013年12月以来の内戦では民族的対立が前に出てきており、政府軍(大統領派)も反政府軍(副大統領派)もともに国連施設や避難民に対する攻撃を行っています。自衛隊が駐屯する首都ジュバでは、政府軍及び「武装勢力」から国連PKO宿営地に逃げ込んだ避難民(及びPKO部隊等)を守る構図になっています。「駆け付け警護」を実行する場合には、自らが内戦の当事者となって政府軍を相手に戦闘になる可能性が最も大きいのです。政府軍あるいは反政府軍との泥沼の闘いに突き進む危険です。そして本シリーズ(その三)で紹介したように、内戦状態にある領域で「駆けつけ警護」やパトロールを行うためには、外務省ビデオに映っているようなパワーシャベルやブルドーザーではなく、装甲車や機関砲などによる重装備と部隊が必要になるのです。

(ハンマー)


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