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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

第24回 注目!! 普天間基地を抱える宜野湾市長の国への告訴

2010-07-13 | 憲法って、面白っ!
 これまで憲法9条に関係する主な訴訟の紹介をしてきました。地裁で違憲判決が出ても最高裁で合憲とされたり、あるいは憲法の審査が回避されてきました。
 しかしながら、憲法9条の存在は、日本の軍事拡大に一定の歯止めとなってきたことは事実です。だからこそ日本を「普通の国」(戦争のできる国)にしようとしている人々は、この9条を変えて日本が軍備を所有し、交戦権を持つようにすることができるということを明文化しようとし続けているのです。

 ところで、在日米軍基地の75パーセントを抱える沖縄は、憲法9条が存在することの恩恵をどれだけ受けているのでしょうか。朝鮮戦争、ベトナム戦争、そして今も続くアフガニスタン、イラク戦争において沖縄の米軍基地が利用され続けています。普通の旅客機とは比べものにならない訓練機による激しい騒音、戦争という人間性を失わざるをえないストレスにさらされた兵士たちによって引き起こされる事件・事故の被害を、沖縄の人々は日々受けているのです。

 普天間基地の国外、少なくとも県外移転を掲げた民主党政権の成立で、こうした状況に変化がもたらされると考えた人々は多かったわけですが、鳩山首相の裏切り、そして菅首相の「日米共同宣言」の継承と争点隠しによって、また振り出しに戻ってしまったかのようです。(菅首相の唐突な「消費税10%発言」は、沖縄基地問題を選挙の争点から隠すためのものであったのではないかと思われます。選挙を前に増税を口にすることがたいへん不利になることは誰の目から見ても明らかであり、事実、それが結果となって現れたわけですが、それでもあえて沖縄基地問題から人々の目をそらせることが急務であったということかもしれません。)

 しかしながら、この数ヶ月間が無に帰してしまったわけではありません。沖縄から米軍基地を撤去させるためにさまざまな知恵がしぼられ、力が集まっています。その一つが、宜野湾市の伊波洋一市長による国への提訴です。

 伊波市長は7月2日の記者会見で、国が普天間飛行場の危険性を放置したまま米側に提供し続けているのは違憲だとして、国を提訴する意向を示しました。市議会でこの提訴のための予算が可決されれば本年度中にも提訴が実現する見込みです。この訴訟の動向に大いに注目していきたいと思います。(鈴) 

2010年7月3日「琉球新報」記事より
「普天間」国提訴へ 宜野湾市長が意向

2010年7月3日「沖縄タイムス」記事より
宜野湾市、国提訴へ 普天間放置「自治権侵害」全国初 基地提供問う

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
普天間隠しの消費税 (ヒデ)
2010-07-20 22:46:56
(菅首相の唐突な「消費税10%発言」は、沖縄基地問題を選挙の争点から隠すためのものであったのではないかと思われます。……)

という指摘に、まったく同感でした。

それが、大手メディアで語られているのを見つけました。「AERA」7月26日号です。

(大見出し)
菅、本当は「22%」だった
(小見出し)
普天間隠しの消費税
高支持率背に今が好機
このままではギリシャ
着々進んでいた増税策

菅は、今年2月のG7に副総理兼財務相として出席し、ギリシャの財政危機が早晩日本にも訪れるという危機感を持って帰国して、消費税増税論者に変身していたらしい。

そこに、普天間問題を政治的争点から外す必要が生じ、支配層中枢の意を呈した形になったようです。

この記事を読んで、あれほどの大敗を喫したのに退陣論が噴出せず封じ込められた理由がわかったような気がしました。
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Unknown ()
2010-07-21 10:56:14
ヒデさん、その記事、私も読みました。菅首相自身がそんなことを口に出していたとは驚きました。
それにしても、元市民運動家であったとは信じられないほどの豹変ぶりですが、そういう人物が体制側に付いた時は、元から体制側であった人物よりも悪い役割を果たすというのは歴史上も何度もあったことでしたね。
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