劇場でひとりごちてみる。

職業、ライター。趣味、観劇。というわけで、芝居の感想なぞをつれづれなるままに綴ってみました。

小山慶一郎主演『ハイスクール・ミュージカル』青山劇場

2007-06-29 | ミュージカル・音楽劇
NEWSの小山くん初主演のミュージカルです。
正直、こやちゃんどうなの?って半信半疑というか、どっちかといえば“疑”のほうが強いくらいだったんですが、これが意外に(失礼!)楽しかった~。
というか、小山君、さすがこの舞台のためにボイストレーニングに通っていると言っていただけ合って、この春のコンサートのときよりもずっと声が出るようになっていました。
歌もなんだか、上手くなってるような……。

バスケット部の人気者・トロイ(小山)は、家族で出かけたスキー旅行でカラオケ大会に出場。そこで出会ったガブリエラ(玉置成実)と意気投合し、歌う楽しさを知る。
新学期が始まり、バスケットの大事な試合を控えるトロイだったが、どこかで歌う楽しさを忘れられずにいた。
そんな彼と同じクラスに、ガブリエラが転校してきた。優等生の彼女は、計算コンテストの記録保持者。さっそく科学部にスカウトされる。
そんななか、学校主催のミュージカルの出演者オーディションがおこなわれることになった。
バスケ部のトロイ、科学部のガブリエラは、歌への熱い想いを断ちきれず、オーディションの会場へ向かう……。

歌いたい、でもバスケ部や科学部の仲間には言い出せない、という2人の気持ち、なんかわかるな~。
どっちも自分にとっては大事なんだけど、両立するってことは、ある意味、どっちも中途半端のような気もする。でも、どっちか選べって言われても、やっぱり選べないんだよね。
「二兎を追う者、一兎をも得ず」という言葉があるけれど、いまじゃないと得られないものを得たいと思ったら、時には二兎を追うしかないときもあると思うわけです。
今回の舞台に向けて、小山君が「バスケと歌を両立しようとするトロイは、大学とジャニーズを両立しようとしていた自分と重なる」的な発言をしていたけれど、トロイとこやちゃんがダブって、よりリアルに感じる部分もあったり。

何よりも印象深かったのは、やっている本人がすごく楽しそうだったこと。
舞台だけじゃなくて、番組の司会をやったり、NEWSとしての活動もあったり、ともすれば、毎日毎日の舞台なんてルーティンワークだと思ってしまうこともあるはず。
でも、そんな様子はまったく見えず、好感持てました。そういう、誠実さとか一生懸命さとかが、人望の厚いトロイとカブったりもして。
あと、玉置成実ちゃん、やっぱり上手。「スイートチャリティ」もよかったけれど、今回のもよかった。
歌もダンスも本当に上手。これでまだ18歳とかなんだよね。将来がこわいっす。

曲もダンス(とくにバスケットボールを持って踊るのは最高にかっこよかった)もよかったけれど、唯一残念なのはシャーペイ(長谷部優)。ステレオタイプの悪役というか敵役で、いまいち心情が伝わってこなかったな。
周りのキャラクターがしっかり描けているほど、メインの2人の個性も引き立つわけですから。脇役だって、バカにしちゃいけません。

カーテンコールの時には、それまでファンでもなかったのに「こや~{ハート}」になってた私。
なんてミーハーな(笑)。