言葉による音楽的な日々のスケッチ

作曲講座受講日記と、言葉による音楽的日々のスケッチを記録

メグちゃん

2008-05-01 01:16:27 | 日々
このあいだ、メグちゃんが泣いた。

以前、メグちゃんが泣いているのを一度みた。
そのことが何となくずっとひっかかっていた。
どうしてあの時メグちゃんは泣いていたのだろうと。

私の中でのメグちゃんのイメージは
「不機嫌なネコ」というかんじで

一見、可愛いというかんじでもなく
決して愛想が良いわけでもなく、、、
という程ではないけど(笑)

少なくとも会社で仕事中に誰かや何かに甘えたり
媚びたりする人でなく
女性特有の、あの際限のない
おしゃべりをするでもなく

忙しさを自覚した責任感と真面目な気質のせいなのか
甘え下手だからなのだろうか、
若干、いつも怖い(真剣さゆえ)顔で仕事をしていて

それは、私でも今は話し掛けない方がいいな、と
思うことがあるくらいの生真面目さで

以前、気の弱そうな若い男子(笑)が
「あの人、怖いから苦手です。
何か、私に近寄らないで!的な
オーラをいつも出していて…」と
先輩の男性に漏らしていたのを聴いたことがあって
そう思うのは、わからないでもなかった。

でも、たぶんにふくよかな体型と
笑った時の顔やら、エレベーターホールで
ばったり会った時の「ちょっと聴いて下さいよ~」と
失敗談を漏らすメグちゃんと
笑いの波長が合ってよく笑い合う時の笑顔も含めて

何だか可愛らしく思える。

今の職場に入ったばかりの去年の9月
年下ながら2年先輩だったメグちゃんは
やっぱり愛想が無がなくて(笑)

未だ慣れない職場ということもあり、
向いに座って居た無愛想な彼女に対して
若干の気詰まりを感じて居たのだけど

あるとき、目薬を差していたら
「大丈夫ですか?」と彼女が言ってきた事があり

その時から、この人は実際は優しくて正直で
繊細な女性なんだな、という事がわかった。

通常、職場で目薬をさしている人に
「大丈夫ですか?」と口に出して言うような
配慮をする人は案外少ないものだ。私もかつて
言われたことがないし、もしその場面を見ても
「コンタクトなのかな?」とか思うだけで、
特別親しく無い限り、声を掛けたりしないと思う。

「大丈夫。ドライアイで。
長時間はコンタクトつけていられなくて。
○さんこそ、さっきから
ひどく咳してるけど大丈夫ですか?」

「喘息なんです。ここには何人か居て。
でも風邪じゃないから、大丈夫ですよ」

数少ない会話や幾つかのやりとりのうち
私たちは意気投合していたのかもしれない。

実際、忙しいプロジェクト室の、
社員とスタッフ合わせて100数十名も居る職場で

たった独りで滞り無く総務を取り仕切って居た
派遣社員のメグちゃんは
私にもとても頼りになる存在で

わからないことや、困った時などは
かなりメグちゃんに助けられた。

それだけでなくて、メグちゃんは
さらっと未だ職場にとけ込めていなかった私と、
他の人とを知らず知らずのうちに
結び付けてくれたりもした。
(たぶん彼女はそのことにきづいていない)


でも、メグちゃんはトイレで泣いていた。



帰り際の彼女に、まだ仕事を続けるつもりで居た私は
お。今日は早めに帰るんだな~と
おつかれさま~と声かけたら彼女は

笑いながら「○○さ~ん。
愚痴っても良いですか?」と
いつもの元気な笑顔で話しかけて来た。


身綺麗に身支度をして(彼女はいつもお洒落)

身体に似合わないくらい小さいけれど

丸みにおいて彼女の体型と似て相性の良い

黄色い花柄の布のついたカゴのバッグを抱えて。


「また、パソコン壊れちゃったんですよ」
「ええ~!?昨日代替機来たのに?」
「2台目です…」

「何か変な電波出してるんじゃないの~?」
と私が茶化したらメグちゃんは笑いながら泣きだした。

ふくよかな身体と無愛想な面持ちに似合わない
子猫みたいなかわいらしい目が見る間に潤んで

身体に見合わない小さなカゴからハンカチを取り出して

「ごめんなさい。愚痴聴いてもらっていいですか?」
「もちろん、なんでもきく」
「ほんとは今日、やらなきゃいけないことが
たくさんあって。それをやらなきゃ
困る人とかたくさんいて。Tさんの部署は
リーダーのOさんが相談事にのってくれたり、
代わりに色々動いてくれますよね?
なのに。わたし、ほうっておいても
たぶん、大丈夫だろうとかグループの皆に思われていて
みんな、帰っちゃったんです。隣のKさんも。」

「S課長のKさんには?頼めないの?」
「あのひと、言っても忘れちゃうんです。」

「だったら、マスターのOさんは?」
「だめです、あのひと、見てみぬふりをして」

「だって。彼は全権限を持つ責任者だよ、この部の。
困ってるんです。どうかお願いしますって
言っても良いんじゃない?そうだ。
今席を離れているけどTさん、あの人は
そう言う時に助っ人になれる人だよ」

「そっか。OちゃんみたいにTさ~んって
走って行けばいいんですよね。いや。
でも私、そういうキャラじゃないし…」

ああ。愛しき、か弱くも
強い女子。メグちゃんよ。。。

きっと、ほとんどの人は、
キミのキャラをわかっているから大丈夫なのに。
弱音吐いたっていいのに。

でも、女性には弱さをプレゼンテーション出来るような
強さもある一方、あなたのように、
強さをもってしかプレゼン出来ない弱さもあるんだよね。
そのことは本当はどこか表裏一体でもあるんだけど。

ついもらい泣きしそうになったので
「こっちの席に移ってマスターOの隣になって
二週間目でしょう?気持ちわかる。緊張する部署だよね。
ほんと、大変。マスターちょっと冷たいというか
感情読みにくいよね?突然、M会議の召集と進行、説明をふられて
いざやったらしどろもどろになってほんと。恥かいた。
まるで生け贄。そのあと話が進んで妙に和んじゃって。
散々だった~私のほうが愚痴っちゃった。」

「じゃあ、明日ひさびさにお昼行かない?」

子猫の涙、ようやく止まって笑顔になった。
明日、お洒落して来ま~す。とメグちゃんは言って
笑顔でエレベータホールに向かった。

カレーの美味しい江戸城の見える
とっておきのランチスポットに連れて行こう。

「二人だけの秘密ね」と耳打ちをして(笑)

きっと明日は桜も吹雪いていることだろう。

彼女を怖いといっていた若い男子の話を聴いて居た
先輩の男子の続きの言葉も彼女に伝えてみよう。

「あの子、すごく良い子だよ。僕、ああいう人好きだな」







































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