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今週の一番『ハヤテのごとく!』~水蓮寺ルカってどんな娘なんだろう?

2011年10月10日 | マンガ
【9月第2週:魔法先生ネギま! 337時間目 力になりたい!】
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『ハヤテのごとく!』(作・畑健二郎)で、ナギと新キャラ・水蓮寺ルカとの同人誌対決…のような?違うような?何かが行われていました。元々はどちらもマンガの内容は“お粗末”というか「レベルたけぇ」設定だったと思うのですが、方やルカは才媛ヒナギクの助言を得て、方やナギは自らのマーケティングの才に頼り、目標とする売上部数を得ようと奮闘します。…という展開なんですが、ルカの向上や、ナギの売り方などに、様々、話題、賛否があったかと思いますが、そもそも大元の所で「なんで、この展開が在るのか?」という事にひっかかりを覚えた人も多いんじゃないかと思います。
…いや、多くは無い気もしますけど(汗)このブログに訪問される方とか、マンガを理屈っぽく読んだりする方なんかは、感じたりなかったでしょうか?……いや、いいんだ!僕は感じたの!(`・ω・´)-3 (←あ、切れた)

そもそも、この水蓮寺ルカさんって、かなり謎のキャラなんですよね。僕のキャラクターの『読み』において、どういう位置の娘で、どういうキャラの娘なのか、判然としない。予想はするんですけどね。あまり、しっくりこない。まあ、これからする話も予想の一つに過ぎないんですが…。
当初、主人公のハヤテくんと接触し、スーパーアイドルの描きと共に、けっこう鳴り物入りでその登場を宣言される。~これ重要です。基本「何かをさせるつもりのキャラ」宣言がされたようなものです~そうして、しばらく女の子と誤解されたハヤテくんと、誤解が解けるまでの絡みのエピソードが描かれる。そうして、マンガ描きという趣味においてナギと意気投合し、現在に至るワケですが…。「そういう娘がどうして出てきたのか?」よく分からない…のです。
また、畑健二郎先生は、非常にキャラクターを“記号的”に描く作家さんだと思うのですが、ルカにはその記号性を感じない所があって~キャラを記号的に描く特性である「分かりやすさ」が得られていない。※このへん要議論としても、ちょっとそのまま話をすすめます。~……結果、鳴り物入りのキャラの割に「場を持って行くパワー」を感じられないというか、インパクト低いのですよね。たとえばハヤテの対ヒロイン・天王州アテネ様とかと比べると。

にも関わらずルカは、そこに“棲む”事に相当に気を使われていたと思います。今、一番人気のヒナギクだって、けっこう無造作に置かれたように思えるんですけど、このルカさんはハヤテくんとの絡みを長回しに細かく描いいて…ハヤテのごとく・ファミリーの一員に恙無くなれるように配慮されていたように思える。しかし、にも関わらずその動作にはあまり指向性が感じられないのです。
大きく扱われる割に「ハヤテのごとく!」のグランドストーリーのキー・キャラには見えない。ハヤテくんの女の子誤解編の後は、特に前とつながりなく、ナギとの同人誌対決編と、ランダムにハヤテの日常を一部を担っているように見える。まあ、そうやって“日常”に入り込んで、時機が来たら「実は、この娘にはこんなすごい設定が!」と言って驚かすパターンがあると言えばあるんですが…本当にそんなキャラなのか?ん~どうですか?僕が何をそんなにgdgd考えているのか分からないですかね?(汗)

ただ、それでも今は彼女はナギの対キャラ(ライバルキャラ)として在るのかなあ?と考えています。ここらへん『漫研』内で色々話しあったのですが、まあ、元々、ルカは“マンガ描き”の人として出てきている事みても、ナギの対関係でこの娘が在ると観る事が妥当に思えます。
これはつまり「ナギのキャラとしての瑕疵に対して、何らかの補強をするために置かれた」と言っているのですが、実は、それも…ナギの瑕疵って何?という話になると、僕は首を傾げてしまうのですけど(汗)しかし、それでも、これまで得た情報から考えて行くと、そう考えられる。
…まあ、仮にナギが自立していない子、ハヤテに依存した子だとしましょう。~これも難しい話ですけど、ナギが自立していない/依存があると言えばそう思えるし、そうではないと言えばそうではない気がするんですよね。でも、そうだと考えて~そこから考えると、彼女がナギに無いものを持っているというか…ルカの持つ設定は、ナギとの対比(比較)のために置かれているものだと思えます。

既にアイドルとしての自己を確立していて、しかし、それでも尚、マンガ家としての確立を目指している。ナギと同じスタートラインに立っている子なのに、実は全然まるで先を行っているキャラとして設定されている。その同じスタートラインだった同人誌においても、今、また、先を行かれてしまった。そうやって、ナギを打ちのめすような、みじめにさせるような、そういうジョブを持ったキャラ…と考えると、その与えられた設定は全てその方向を向いているように見える。…なので、今は「そういう、事かなあ~?」という『読み』の元、この水蓮寺ルカさんを眺めています。
(↓)ここらへんの話は『漫研ラジオ』のハイライトで話しています。

▼USTREAM:ハイライト:『ハヤテのごとく!』の話題

あと、それに付随して…というか、こっちの方が、もっと大きな注目点なんですが、それまで『ハヤテのごとく!』(あるいは畑先生のマンガ)には“物語を進めるキャラ”がいなかったんですよね。“物語を留める”~日常を回る~連載を続ける~そういう機能を持ったキャラは居ても、進める、終わりに向かうキャラはいなかった。(`・ω・´)
…いえ!天王洲アテネは“当然”そのキャラなんですが!!彼女の事はこの物語が終わる頃に、また評したいと思いますが、彼女はハヤテの設定の開陳はしたものの、物語を進めるに足らなかった…という見方を僕はしています。比してルカは、ちょっとナギを変えた…と思うんです。(最近、見たナギはそんな変わってなかった気もするけど(汗)まあ、のび太もね、そんな変らないワケでね)それは物語を進めたと言え、またルカはその使命を果たしているのではないかと思うんです。

そうしてみると、最初に言ったルカの“記号性”の希薄さ、ハヤテのごとくにおける異質さは、その役目の機能を果たすのに貢献しているように思える。この娘が「分かりづらい」のは、“変わってゆく”事を持った白紙を持ったキャラだからで、それ故、記号的なワッペンを貼れない(貼りきれない)と。逆に日常を回るキャラは“変らない”のがその使命であり、故に「分かりやすい」、故に記号的なワッペンは貼りやすい…という事かと。
要するにルカは、回りに比してキャラが希薄に見えもして、異質で、ぎこちなさも感じるけど、逆にそれは生きて動いているキャラとも言えるって事です。いえ、記号キャラだって当然、生きて動いているのですが…その生態は節足動物と軟体動物程も違うと言えばいいですかねwまあ、ちょっと、この娘が“変な子”である事に気づいたので、ちょっと、気にしています。


ハヤテのごとく! 29 (少年サンデーコミックス)
畑 健二郎
小学館


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