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今週の一番『はじめの一歩』(また)その画力にまんまとねじ伏せられてしまう快感

2012年01月23日 | マンガ
【1月第2週:聖闘士星矢 冥王神話 NEXT DIMENSION Part40 歩み】
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説明不要のボクシングマンガ『はじめの一歩』(作・森川ジョージ)の板垣対冴木のスピード対決に思わず観入ってしまったり。一歩の後輩にして、一歩とは対照的な“天才児”である板垣くんの活躍は、以前から加速を続けていて、最早、一歩の宿命のライバルである宮田くんを凌ぐ、「第二の主人公」と言っていい程の『格』をまとっていると思ったりもします。

…まあ、それは宮田くんが再び本格始動しはじめると、どうなるか分からないんですけどね。しかし、『はじめの一歩』の中で“主人公っぽい”戦いを見せるキャラは他に鷹村さんと宮田くんがいるワケですが、いずれも一歩の為にいる『従格』のキャラという面は大きく感じます。鷹村さんは一歩の“兄貴”として“先を行く者”として君臨し続けるのがその意味でしょうし、宮田くんも一歩の宿敵として置かれ、彼の背負うドラマは一歩の物語の昇華のためにあるのでしょう。

言ってしまえば鷹村さんにもし何かの出来事が起きる時、あるいは宮田くんが何かしら動く時、というのは『はじめの一歩』という“物語自体が動く時”であり、それ故、彼らは大きく動く事が“抑制”されている状態にある。
その中で板垣くんは、彼らほどの“縛り”を受けないキャラと言える。彼がどう物語を組もうが、一歩と対決しようが、大局的に「一歩の物語」としては、大きくはない山であり、その分フリーに動ける。
かつ、一歩と好対照のそのキャラクターの『面白さ』が相俟って、それこそ、一歩が鷹村という“兄貴”を見上げる事よりも、もっともっと劇的に一歩という“兄貴”を見上げる物語を構築してしまっているのですよね。その主体性とフリーさを含め、もう、かなり、相当、主人公をしている…と思うんです。


そんな中での、この板垣対冴木のスピード対決ボクシングなんですが、森川先生の画は相変わらずもの凄いですね(汗)(↓)以前も同じような意図で、一歩対ウォーリーの記事を書いたりしているのですが…

今週の一番追記「はじめの一歩」その画力にまんまとねじ伏せられてしまう快感
本当にこんな戦い方ができるボクサーなんか居るわけがないのに、やったとしても青木みたいなちょっとビックリさせてペースを崩させるくらいの事にしかならないだろうに。このトリッキーな動きで一打一打にとんでもない破壊力を込められる…そんな奴がいるかも!?と思わず信じさせてしまう。動線、斜線、残像、擬音といったマンガでは当たり前の技術の積み重ねだけで、そう思わせてしまう。マンガの醍醐味がここにあると思います。

…今回は、ある面ではこれ以上というか「超人」が二人いるわけで、一つの局面の頂上決戦を、本当に楽しく『面白く』描いてしまっている。一枚画で魅せる力も然ることながら、二人の暴風に巻き込まれて身動きが取れないレフェリーを間に挟む妙、頂上決戦における「空間の制圧」の説明など多角的な演出で、この一戦を盛り上げています。



それと今回、僕はこの対決に『サイボーグ009』の“加速装置戦”を視たりしていました。森川先生がイメージしているかどうかっていうのは分からないですが、二人だけのゾーンに突入して、周りを置いてけぼりにしている感覚が近かったり。描写的にも被る所があったりもしますしね。
それにゾーンに入っている板垣くん、ちょっと009っぽかった(笑)髪栗色だし。…いや、まあ、どうでもいいんですが(笑)



しかし、板垣くんを「第二の主人公」とか、持ち上げたりしましたが、まあ彼はどうなるんでしょうね?(汗)普通に考えると、やっぱり一歩の物語に収斂されて行きそうではあるんですよね。しかし、主人公とかじゃなく、単にライバルキャラとしても彼のキャラの『積上げ』は宮田くんと比肩し得る所まで来ていると思います。
もし、これが互いに絡み、一気呵成に決着をつけ始める事があるなら、それはものすごいカタルシスが生まれると思うんですけどね。………それはどうなるんでしょうね(笑)やっぱり小さく切り崩して行くのでしょうかねえ?(´・ω・`)ショボーン …まあ、気を長~~っくして、ゆっくりゆっくりしながら、見守って行こうと思います。


はじめの一歩(98) (講談社コミックス)
森川 ジョージ
講談社


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