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『超弩級少女4946』~“護る”という事/セカイを護る物語

2011年10月06日 | マンガ
【ヒーローの条件】



まな「私とあのヒトを逢わせてくれた、だから私は…死んでも人類を護る」

ミコト「やっぱり、あなたは私と同じね。なぜならあなたは、マコトを殺した相手を絶対に許さない」


(『超弩級少女4946』第27話より)


『超弩級少女4946』(作・東毅)の最終巻買って来ました。いや、良かったです。とても真っ当な…“護る”という物語が描かれていたと思います。しかし、それにしても……センリくんと玖海ちゃんが…ふうん。まあ……ねえ?………いや、やっぱそこは納得いかねえ!!(`・ω・´) 玖海ちゃんは“お兄ちゃん”一筋ちゃうんかい!!?
ところで、『超弩級少女』は、身長40メートルオーバーのヒロイン・衛宮まなが、背は低いが人並み外れた正義感を持ったヒーロー・飛田マコトと出会ってしまう『物語』。超身長差ラブコメにして、人類を脅かす宇宙生物(怪獣)と戦っているお話で……クライマックスは、マコトを転生前から千年に渡って待ち続けた怪獣の統率者・日輪ミコトが登場し、彼女と人類存亡をかけた戦い(ラブコメ)に突入しています。

『超弩級少女4946』“護る”という事/ヒーローの条件
ともかく現在進行形で正義を成す国…と思われている米国は、同時に“正義の逆説”の代表格のような扱いも受けているわけで、ヒーローというものの別の角度の見え方を『受け手』に見せていると言えます。
…ここらへんの視点としては、国交省の土田さんも、かなりそんな感じな気がします。実はモンタナは「現実には正義が無かった(これまでの自分のセカイでは出会えなかった)という体験」から諦観を抱えた少女なんですが、土田さんは彼女よりはもう少し“超能力/超解決力を持たない正義の味方”というものが、どういうモノなのか知っていて、それを選んでいる人のように観えます。

(↑)以前の紹介記事でも書いたのですが『超弩級少女』は、様々な角度のヒーローというか、正義の味方というか……“護るもの”、“護ること”の意味を描いている『物語』で、これは間違った護り方ではないか……いや、「間違った」とは言いたくないんですが……ともかく、ちょっと、疑問を投げかけられる護り方(全ての護り方に疑問を投げかける事もできるんですが)、そこを全て飲み込んで「それらが描かれていること」が良かったです。
それは、長らくヒーローものが好きな…ヒーローの絶対的に正しい所も、相対的に間違ってる所も、恐ろしく自分勝手な所も、途方もなく慈しむかと思えば素晴らしく狭量だったりする所も、全部ひっくるめて、長らくヒーローものを愛してきた僕の感覚として、すごく納得の行く描きだったんですよね。
最終巻で、「自分たちだけ」助かるためにまなを殺そうとする米軍も嫌いじゃないというか……あの、艦隊司令の人を観ても「自分が」助かるためには、そんな事しないと思えるのですけど、彼らも“護るもの”があるから、そういう決断にも行き得たと言うかね。



そういう意味で、この巻は国交省の土田さんが特に良かった…というか、ここで土田さんの良さが一気に炸裂していた感じがします。彼は、マコトのように“選ばれたヒーロー”ではなく、特別な力を持たない無力な人間なのだけど、それでも自分がヒーロー~護れる者~である事を目指し、衛宮まなが兵器ではなく、ヒーローであってくれる事を願った人間だったと思うんですよ。だから、この『物語』が生まれたと言ってもいい。
どこまで努力してもセンリくんや、玖海ちゃんのように、一刀両断に正義を執行する力は手に入らないのだけど(それ故、少年マンガの主人公にはなれないのだけど!)、それ故、策略を持った悪い大人に見えるかもしれないのだけど、そういう者には、そういう者の意地がある所を見せてくれています。

それら“護る意志”の様々な交差交錯がある中、クライマックスで一つの方向に向かうのは「誰かを好きになる事を突き詰めると、結局、世界全部を好きにならざるを得ない」、「誰かを護る事を突き詰めると、結局、世界全部を守らざるを得ない」という“すごい”結論に至るからなんですよねw

そして、それは真のラブコメだと……すごいw「キミとボク」ではじまるセカイ系は、そこに至るべき…!とでも言うか、『ヴィンランド・サガ』、ヴィリバルド神父が言った「それは差別です」は、「いやぁ?人はそこから全てを愛し得るんだよ?」というか(僕は、元々、「凡てを愛せないとダメ~差別即悪~」という考え方に乗っていない人ですけど)、おとぎ話的ではあるんですけど、その在り様がキレイにまとまっていたと思います。

…ん、ちょっと、構成余りしましたけど(汗)あと、センリくんがスーパーヒーローを目指す切っ掛けになった“あの娘”ですが、真言の最期を見た“あの娘”という所も好きです。『つながって行く物語』というか。基本的には“愛”の横の拡がりを主体に描いた物語ですけど、縦の繋がりも描かれていますね。僕は、この物語ではセンリくんが一番好きで、彼の事も(妄想的に)もう少し語りたかったんですけどね~。まあ、別の機会に。


超弩級少女4946 6 (少年サンデーコミックス)
東 毅
小学館


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-08-30 00:22:16
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