【祝】水城せとな《失恋ショコラティエ》
第2回ananマンガ大賞受賞!!!
2011-06-25
本日6月22日に発売されたanan1763号(マガジンハウス)にて、
第2回ananマンガ大賞が発表された。
大賞に輝いたのは水城せとなの「失恋ショコラティエ」。
anan1763号では受賞を記念して、水城のインタビューも掲載。
インタビューにて水城は、これまで自身の作品は物語が説明しづらいものが多かったが、
「失恋ショコラティエ」は意図的にテーマを簡潔にしたと語っている。
また「物語でも現実でも、基本恋愛は“片思いが当たり前”って思ってる」
「“両思い”なんてきっと一種の思い込み」など、自らの恋愛感も晒した。
また受賞には至らなかったが候補に選ばれた4作品として、
ジョージ朝倉「溺れるナイフ」、岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」、
咲坂伊緒「ストロボ・エッジ」、小玉ユキ「坂道のアポロン」が挙げられ、
ほかにもアンアン女子マンガ部のオススメ作品が多数紹介されている。
(コミックナタリー)
せとなさーん、おめでとうございます。
優しそうでお美しい。あんな奥深いマンガ描くひととは思えない。
大好きですー、大好きすぎますーー!!(超ハイテンション)
【失恋ショコラティエ】あらすじ。
高校時代から憧れ続けていたサエコと付き合っている爽太。
バレンタインデーの前日、爽太は精魂込めて作ったチョコレートをプレゼントする。
しかし、サエコは受け取ってはくれなかった。
そもそも、付き合っていると思っていたのは爽太だけだったのだ。
傷心の爽太は、なけなしの金と少々の荷物だけを持って、
フランスの有名パティスリー・ボネールを訪れ、雇ってほしいと頼み込む。
5年後、ボネールの日本上陸が決まり、心躍るサエコの目に映ったのは、
ボネール日本進出店を支える若きシェフとして紹介される爽太だった。
爽太はただサエコを振り向かせたい一心で修業に励んできた。
しかし、サエコは結婚が決まっていた。
間もなく爽太は独立し、ショコラ専門店「ショコラヴィ」を開店させる。
(wikipedia)
大好きな大好きな水城せとなさん、
第2回ananマンガ大賞受賞、
おめでとうございます!
ほかの賞でもノミネートされていたけれど、
こちらでは堂々の受賞ですね!!
水城せとなさんが描く主人公たち、登場人物たちは
ぬきさしならない状況を生きています。
その、ぬきさしならない状況のなかで苦しんだり悲しんだり、
喜んだり悟ったり・・・、
読んでいるうちにまるで自分が直面する問題であるかのように、
どんどん深みにはまっていくし、
それは何十回繰り返し読んでも色あせないんですよ。
L図書では水城せとなさんの代表作として挙げてもなんら恥ずかしくない、
BLコミックの最高峰、(このBLがすごい、2010年度大賞)
【俎上の鯉は二度跳ねる】を大推薦していますけれど、
あの作品はもう100回は読んでいると思います、まじで!
せとなさんはジャンル、関係ないんですよね。
BLだからというだけで読まないひとは置いといて、
俎上・・では、【恋愛は業である】と主人公に言わせているし、
両思いのはずが、それぞれの相手にたいする愛を抱えて、
この先隘路に行き着くまで歩いてゆくしかない、歩いていこうと
覚悟を決めているんです。
【失恋ショコラティエ】でも、自分の終わらないうちは、
その片思いをあきらめることができずにいるんですよ。
登場人物がすべて、相手への片思いを胸に生きている・・
そういうマンガなんですが、
主人公・爽太が恋する相手は
女子なら誰もが最低~!と思うようなぶりっ子で(←死語)、
爽太のキモチをもてあそぶ確信犯(爆)。
爽太に片思いする年上の女性ショコラティエの恋を応援したくなる、
だけど、爽太は友人の、片思いしてる女性モデルと納得づくで
セフレ関係になったりするんですよね。
このあたり、すごくリアルでちょっと生理的に受け付けないひとも
あるだろうけれど、でも、人間って上澄み液のなかで生きられない、
傷を舐めあう弱さもあるじゃないですか、
せとなさんはそういうのもちゃんと描いてみせる、
ストーリーテリングに長けただけじゃないんです←力説。
お話が面白くてもにんげんが薄っぺらで、
語りのために動かされているような、
そんな小説にうんざりしているひとには、
コミックスにすごいひとがいるよ、と全力で水城せとなさんを推奨します。
も1回言っておこう!
せとなさーん、大賞おめでとうございます。
超面白い最新作【脳内ポイズンベリー】については
きちんとレビューしたいです^^
(失恋ショコラティエは友人たちの間で回覧中:汗)