5月3日の関西テレビ「スーパーニュースアンカー」でPOSSEが取材されました!

2013-05-10 23:56:02 | 京都POSSEの活動報告です!

5月3日の関西テレビ「スーパーニュースアンカー」で就活についての特集があり、京都POSSEへの取材とPOSSE事務局長、川村遼平へのインタビューが放送されました。その就活特集の書き起こしを掲載します。


5月3日 関西テレビ「スーパーニュースアンカー」
『金曜日のギモン!? 就活が若者を追い詰める?』

2014年卒業予定の大学生の「就職活動」、学生にとって厳しい状況は続いているようです。中には100社受けても内定がもらえない人、うつ病になる人や自殺する人までいるといいます。何がそこまで学生を追い詰めているのでしょうか。


関西学院大学4年生の岡部咲彦さん。得意の英語を活かせる企業への就職を目指しています。

【関西学院大学4年生の岡部咲彦さん】
「先月はこんな感じでした」

スケジュール帳は2月から就職活動の予定でぎっしりです。岡部さんは3回生の1月から就職活動を支援する「内定塾」に通っています。塾の講師が持ってきたのは各企業の過去の面接での質問を集めたファイルです。

「関西学院大学から来ました岡部咲彦と申します!」

内定塾では自己アピールの組み立て方や、効果的なエントリーシートの書き方などをマンツーマンで学生に指導します。講師は学生の相談に乗ったり愚痴を聞いたりもします。

【岡部さんと内定塾講師とのやり取り】
「魅力に感じたという理由をもっと明確に説明してほしい」
「『なんでうちなの?』と言われたら、なんて切り返したら、いいんですか?」

【内定塾・阪口良平さん】
「就職活動は不合格の理由が全くわからず、どんどん落ちてしまう。不本意な就活になる学生が多いので(塾を)始めた」

【岡部さん】
「就活って人生の一度、将来を決める事。失敗したくない。(もし内定塾がなければ)死んでいるというとおかしいが、うつになって愚痴のはけ口もない。就活から逃げていたかもしれない」


大阪市内で開かれた合同説明会。受付のスタッフが学生に、あることを尋ねています。

【スタッフ】「学生時代何かスポーツをされていましたか?」
【学生】「していました」
【スタッフ】「こちら体育会系の方に貼っていただいていますので胸元に貼って下さい」

体育会の学生にはピンクのシールが配られます。

【主催者の学情・大西浩史ゼネラルマネージャー】
「体育会系の、上下関係がしっかりした中で学生生活を過ごした経験が今の企業に魅力的に映る」
【企業の採用担当者】
「リーダーシップをとって動くのは運動部の学生」

大卒の就職内定率は低迷しています。
少し回復傾向にあるものの100社以上不採用という人もいて、学生の不安は募ります。

【学生】
「(周りから)ちょくちょく内定をもらったという話を聞くので自分がいつになるんだろうという不安があります」
「落とされたら人生を否定されているような気がしてショック」
「新卒扱いが終わったらどうしようもない。やり直しがきく仕組みがあっらたいいなとは思う」

「就活うつ」になる学生も増えています。就職の失敗を理由に自殺する大学生はここ数年で一気に増えました。大学生活の半分近くを費やしても、就職が決まらず絶望してしまうことが背景にあります。


安倍総理は学業に悪影響を与えることを懸念し、先月、経済界に就職活動の解禁を大学3年生の3月に、選考活動を大学4年の8月に遅らせるよう要請しました。

日本は世界でも珍しい「新卒一括採用制度」をとるため、「新卒で就職できないと非正規雇用しか道がない」と思いつめる学生が多いと専門家は指摘します。

【関西大学・森岡孝二教授】
「本当に正社員になければならないという意識が強い。在学中に決まらないと落伍者になる国はおそらく世界で日本しかない。教師40年やっているが、今ほど学生が弱い立場追い詰められている時代はなかった」


【POSSE】「残業代は払われていましたか?」
【相談者】「手当が月に4000~5000円、それが残業手当にあたるのかなと」
【POSSE】「月4000円だけでは全然足りないと思われます」

NPO法人「POSSE」では、弁護士を目指す大学生などがボランティアで労働相談に乗っています。長時間、サービス残業をさせるなど劣悪な労働を強いる「ブラック企業」の相談が最近、急激に増えました。就職難が一因になっているといいます。

【POSSE・川村遼平事務局長】
「今の自分のままではどこも拾ってくれないという事を(就職活動で)何十社も落ちる中でイヤというほどわからされる訳です。その中で正社員として最後に拾ってくれた会社。この会社のいう事を聞かないと二度と正社員としてやっていけないという恐怖感があると思う」

では就職活動をする際、何に気をつければいいのでしょうか?

【川村事務局長】
「離職率、それから固定残業代という仕組みがあって、これがあるかないかを調べる方法があります」

「離職率」は新卒から3年以内で辞めた人の割合です。書店などで売られている「就職四季報」でチェックできます。
また「固定残業代」は基本給に一定時間の残業代が含まれている給与体系です。ある企業では月80時間、残業しないと基本給が19万円から減らされ、全く残業しないと月給が12万円まで落ちる仕組みになっています。


【男性】
「パワーハラスメントやサービス残業が常態化していた。食事がのどを通らない、水を飲んだだけで吐いてしまうようになった」

こちらの男性もPOSSEに相談した一人です。
東京の有名大学の大学院の理科系学科を卒業しましたが就職できず、一年就職浪人して兵庫県内の企業に就職しました。しかし「入社後3ヵ月は残業代なし」などの社内独自のルールに疑問を抱き、精神的に不安定になりました。

【男性】
「上司の命令は絶対であるとか、会社の不満を言わないこととか、他にもそれを破ったら退社とする、掟破りは死だ、という文言もありました」

それでも男性は会社を辞めるのを躊躇したといいます。

【男性】
「会社を辞めたら生きていくすべがないと思っていた。昔の会社は夜遅くまで働かせるけど生涯面倒をみたが今の会社は必要なくなったらすぐ切り捨てる。それまではボロクズになるまで働かせる」

うつ病になり休職を申し出たところ会社から退職を求められました。個人で加入できる地域労組に相談し交渉した結果、会社はそれまでの残業代などを支払うことは認めました。男性は現在転職し普通に働くことができています。


【関西大学・森岡孝二教授】
「若者が大変厳しい状況で重荷をせおって希望なく生きるという状況は日本の活力、成長の源がどんどん削がれていく。今の若者が置かれている状況はそれ自体が持つ意味以上に深刻な問題をはらんでいる」

働きたい学生が働く場を見つけられない。就職ができても使い捨てにされる恐れがある今の日本。若い力を活かす仕組みを早急につくる必要がありそうです。


掲載元:スーパーニュースアンカー「金曜日のギモン!? 就活が若者を追い詰める?」

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○NPO法人POSSEとは
POSSEは若者の労働・貧困問題に取り組むNPO法人です。2006年に設立し、現在は東京・京都・仙台の全国3か所に事務所を構えています。会員は 約250人で、10~20代の学生・社会人を中心に運営中。活動内容は幅広く、年間約400件におよぶ労働相談への対応のほか、調査活動、被災地での復興支援、政策研究、生活困窮に関する生活相談などに取り組んでいます。活動の内容についてもっと詳しく知りたい方はPOSSEのHPにて色々と紹介していますのでぜひご覧ください。
http://www.npoposse.jp/

また、仙台で行っている復興支援活動のためにご寄付を受け付けております。皆様のご協力よろしくお願いいたします。
http://www.npoposse.jp/kifu/kifu.html
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所在地:東京都世田谷区北沢4-17-15ローゼンハイム下北沢201号
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所在地:京都市東山区花見小路通古門前上る巽町450番地 東山いきいき市民活動センター内
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E-mail:kyoto@npoposse.jp
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1 コメント

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Unknown (紫織)
2013-05-12 20:05:16
私も前の仕事を辞める時は、仕事を辞めることはいけないと思っていたし、辞めた後が恐くて、
心身が疲労困憊でしたがしばらく続けました。
辞める時もかなり引きとめられ、
「ここは大きな会社だから次の就職は難しいぞ」
的なことなども言われたりしました。
今はアルバイトとして働きながら就活中ですが、
辞めて良かったです。

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