岸和田生活保護裁判を傍聴してきました。

2013-06-12 10:29:29 | 京都POSSEの活動報告です!
5月29日(水)に大阪地裁で開かれた、岸和田市の生活保護申請「却下」の取り消しを求める裁判の傍聴に、京都POSSEのメンバーが行ってきました。

事件の概要については、前回の記事を参照して頂けたらと思います。
岸和田生活保護裁判を傍聴しました。-京都POSSEブログ

今回は結審、つまり判決が出る前の最後の裁判期日でした。


原告側は144ページにわたる主張を提出し、きょうの裁判の時間内にも弁護士3名と原告本人が最後の意見陳述を述べられました。

原告は、毎日毎日ハローワークや新聞の求人広告、フリーペーパーを使って職を探しつづけていたにもかかわらず、それを認めず5回にもわたって生活保護の申請を却下し続けた岸和田市福祉事務所に対しての強い怒りを話していらっしゃいました。仕事が見つからず、見つかってもアルバイトで収入が少ない中、原告は毎日キャベツと小麦粉だけのお好み焼きやパンの耳という食事、寒い冬でも水のシャワーという生活でした。栄養不足からか身体がだるく、就職の面接中でも頭がぼうっとしたり、道端で休み休みしながら移動するような状況だったそうです。意見陳述の中で、原告の方は「(夫婦)2人で自殺していたかもしれない」とも述べていました。

このような過酷な状況で、なぜ生活保護を受けられなかったのでしょうか。岸和田市の職務怠慢としか思えません。
原告は最後に「なぜ助けてくれなかったのか」「なぜ見て見ぬふりをしたのか」「私たちでこんなに苦しい思いをするのは終わりにしてほしい」と強く訴えておられました。

弁護士の方も意見陳述で述べていらっしゃいましたが、生活保護は命を守る最後の砦です。岸和田市にはその砦を守る義務があります。しかし、岸和田市は何1つ正しい行動をせずに、その上何度申し入れをしても態度を改めず、原告夫婦を見殺しにしようとしました。

最後の砦であるはずの行政を正せるのはもう裁判所しかありません。命を守るための、公正な判決を期待します。


今回の裁判も大阪地裁の大法廷で開かれ、100以上の席が満席になるほどたくさんの方が傍聴にきていらっしゃいました。

次回の岸和田生活保護裁判は10月31日(木)11時30分から判決言い渡しとなります。

生活保護法改正と、生活困窮者自立支援法が国会で可決されようとしている今、保護をするかどうかの要件である「稼働能力の活用」についての行政のあまりに恣意的な運用を問題にしたこの裁判は、とても重要です。

引き続きご注目をお願いします。

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