11月12日、「餃子の王将」の労災裁判を傍聴してきました。

2013-11-19 23:43:35 | 京都POSSEの活動報告です!

 11月12日に王将フードサービスに対し、長時間労働でうつを発症させたとして損害賠償を求める裁判が京都地裁であり、POSSEのメンバーで傍聴してきました。

 原告の男性は28歳。アルバイトから2010年1月に正社員になって長時間労働が続き、発症前6か月は月平均135時間の時間外労働を行って2011年4月にうつ病と診断されました。男性は診断が出てから現在も休職中で、2012年2月には労災として認定されています。

 この裁判では、男性が王将に対してうつ病にされたことについて約2300万円の損害賠償を求めています。
 一方の王将側は、主な点として①労働時間はもっと短かった、②うつ病ではない・すでに治っているはずだ、③損害賠償額はもっと低いといった主張をしています。

 今回の弁論では、企業には従業員の労働時間を把握する義務があるとの原告側の主張がなされました。「餃子の王将」の店舗では、レジスターに10時間を超える勤務時間が入力できない仕組みになっていたことが労災認定における店長らへの聞き取りから明らかになっています。原告は1日11~12時間の労働をしていましたが、この仕組みによって10時間を超えた分の残業は管理されず、長時間労働を放置・促進するような状態でした。
 原告側は、賃金台帳に労働時間を記入するという労基法の規定や労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を示した46通達などを引き合いに労働時間把握の責任を訴え、労働時間を把握していなかったこと自体が安全配慮義務に反している、と主張しました。

 また労基署の是正勧告を受けたかどうかという問いかけに被告側の弁護士が「回答しない」「勧告があったかどうかはこの事件に関係がないと考える」と答える一幕もありました。現在の労働行政では、労基法等の違反の疑いがあれば労働基準監督署によって会社に臨検が行われ、実際に違反があれば是正勧告がなされます。是正勧告というのは労働行政の根幹をなすものであり、勧告があったかどうかも答えないのはおかしいのではないかと原告側が強くただし、裁判官も王将側の弁護士に対して次回の調書に記載するように求めました。

 次回は1月29日(水)の午前11時より弁論が行われます。京都POSSEは今後も傍聴を続け、裁判を支援していきたいと思います。

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