鴨川日記

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歴史的転換点への感慨

2007-07-30 19:50:37 | 政治・社会
昨夜8時に出口調査の結果が報じられた時、安堵感を感じました。
以下、その時に頭の中を駆け巡った感想を小論にまとめました。
このブログを始めたきっかけが2年前の郵政選挙で小泉自民が
圧勝した驚きであったので、今回の参院選はぜひ記録しておきたい
と思います。


今回の参院選での民主党の躍進は、1993年の細川・非自民党政権が成立して以降の14年にわたる紆余曲折した政治状況の1つの終止符であり、現代史を考える上でも非常に感慨深い。

さらに、今回の状況を理解し、今後の予測をする上で、1993年当時、宮沢喜一内閣が与党の一部離反で内閣不信任決議案が可決された時のことは重要な意味を持っているだろう。

その頃、日本の政治経済は、高度成長期のあとバブルが崩壊し、またリクルート事件などの政治家の汚職問題で大きな転換が必要とされていた。宮沢内閣は政治改革の公約達成がかなわなかったことで自民党内の離反もあり、内閣不信任決議案が可決され衆議院が解散された。この時の衆院選で自民党は過半数を取れず、細川氏率いる日本新党が新生党、社会党、新党さきがけ、民社党と会派を組んで非自民党政権ができた。

1993年の国会解散をきっかけに小沢一郎氏の政党遍歴が始まったこと、宮沢喜一氏が先日、鬼籍に入ったことなどと、この14年、日本が歩んだ道に思いを馳せると本当に感慨深いものがある。あの時、一度、非自民政権ができていたが、結局は自民党が政権を奪取し、結果的に官僚政治は惰性のまま改革されなかった。

しかし今回は、まったく新しい局面を迎えた。細川内閣発足時、自民党は野党になったが、衆議院の最大会派ではあった。衆参両議院で自民党以外の政党が最大会派になったのは戦後の政党が確立してから初めてのことである。昨夜の会見で鳩山・民主党幹事長が厳粛に事態を受けとめていた姿は印象的であった。今の状況で与党みずからが衆院解散に踏み切る可能性は少ないかもしれないが、宮沢内閣の時のように自民党の一部が安倍続投で離反するようなことでもあれば、一気に政局は流動化する。

そうなると自民と民主で何が違うのかという根本問題にぶつかる。その時、国民が見失ってはならないのは、今回、国民が「ノー」を突きつけたのは、年金問題に象徴されたように「自民―官公庁」による想像力にかけ、思考停止に陥った旧来型日本システムであるということだ。旧体制はいずれは革新される必要がある。

ただ、その先に何を求めるかも考えていかねばならないだろう。

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