ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

タイトル変更のお知らせ

「今日も、約束通りに。」というタイトルでずっと綴ってきました。 これは「天使の涙」という曲の一節から取ったこのでした、よりパーソナルな内容にするためタイトルを変更しました。

おわらないアトリエ

2011-07-29 21:13:30 | art
「忘れっぽい天使」という鉛筆の線で描かれた、可愛らしい天使の絵を好きな方、多いのではないでしょうか?
私も初めて見たときから、そのかわいらしさと線の力強さにとりこになりました。

一筆書きのようにシンプル線で、一見子供のいたずら書きのようにくっと描かれているのに
それはそても美しいバランスの造形で、簡単な線がこんなに饒舌なのか、と驚かされます。

クレーの展覧会はこれまでも東京で開催されるたび違うテーマや切り口で、紹介されてきました。

7月31日で終了の、
国立近代美術館「パウルクレー おわらないアトリエ」展

は、国立美術館では初めてのクレーの展覧会だそうです。

「おわらないアトリエ」というテーマの通り

その、創作過程や手法に注目した構成の展覧会でした。


○アトリエの中の作品たち

クレーのアトリエを飾っていた絵に焦点を当てています。
クレーにとって、アトリエ自体が一つの作品のように
綿密に計算されて、自作の絵を選び飾って作られていたことが分かります。

クレーの絵の不思議な空間の描き方を考えると、構造物としての強い空間に意味があったのでしょう。
空間を描くいた絵がたくさんあります。

○油彩転写の作品



素描から、油彩転写の手法を使って油絵にした作品を
素描と油彩転写の作品を並べて、展示してくれています。
素描の印象と、油彩転写になった時の印象の違いが鮮明です。
クレーの線と色彩がいかんに共鳴しているのかがよくわかります。

油彩転写の線の汚れやにじみを生かした表現が、独特のファンタジックさの味わいを生んでいることが
分かります。

○切断・再構成の作品
○切断・分離の作品



切断やその断片を回転したり再配置して新しい表現を模索した様子が紹介されています。

なぜ、わざわざ絵を切断して再構成する必要があったのか。
絵を見ながら考えました。

自分の絵を、完成品ではなく新たな素材として捉えなおして、それをモチーフに切ったり動かすことで
無意識、形而下の作品を生み出すことをしているのだろうと思います。

それは、私たちが(デザイナーが)、PCで画像処理して作品を作る作業に、きっと近いのではないかと思います。
たとえばDJがレコードを使って、新しい音楽をつくるのと根本的には同じなのではないかと考えました。
そう考えると、クレーが作品の一部を切り取って、そこだけを新たな作品にした意味がよくわかります。
クローズアップだったり、切り取る前の作品には表れていない形而下の意味を見いてしているのだ、と。

○うら・おもて両面の作品

なぜ両面に作品を描いたのか。
この展覧会の説明だけでは、私としてはまだ謎です。
「両面に作品を描くことで、時間的、物理的3次元4次元の意味を持つ」という説明ですが
それは、今結果としてそのような意味を見出すことは可能ですが
クレーの意図は分からないままです。

○特別クラスの作品
後世や世の中の評価とは別の、クレーにとって大事な作品があった
それを画家本人がわざわざ分類していたことを知りました。
クレーの大事にしていたモノ、が垣間見られる作品です。


今までとは少し違った角度でのアプローチを試みた展覧会。
「忘れっぽい天使」だけではないクレーを知ることが出来ます。

やはり線の印象深さと、色彩で表現される異次元につながっているかのような空間表現が
印象に残りました。

アトリエの中の作品たちのコーナーに「少女の裸体」という絵
具象画ですが、そぎ落としたタッチで光と影を描いてている
クレーの画家としての力量を感じる印象深い作品でした。

「これも、ごえんですから」と「始まりの写真」の縁

2011-07-24 00:12:14 | 日本文化
先週・今週末、大塚のgallery園での週末イベントと展覧会
「これも、ごえんですから」と「始まりの写真」復興支援写真プロジェクト

縁側で、畳のお座敷で、玄関先で、まったり
土曜限定で美味しいフェアトレード珈琲とおやつがいただける 園カフェ

縁側で、今日は玄関先の綺麗なお庭が見えるところで、タイ式リフレクソロジーの施術をしていただける
縁側リフレ


珈琲が大好きな私、週末をとっても楽しみにしていました。
フェアトレード珈琲は、ペルーとティモールのもの。

キリっとしているというティモールの珈琲をいただきました。
深入りで苦味は強いのですがすが、独特な香りと甘みとすっきり感もあり、美味しい珈琲でした。

おやつは「閑古鳥」さん(すてきなネーミングの屋号です)の手作りマフィン。
珈琲にとっても合っていたし、バナナの香りが濃くておいしかった。バナナと黒糖のマフィンを選びました。

珈琲を入れてくださる森さんも、閑古鳥さんも、平日はお仕事をお持ちの方です。
でもそれぞれ、フェアトレードの珈琲、材料のお菓子への思いが強くて
週末に活動されているのだそうです。
パワフルですよね、女性のほうが、最近は。


縁側リフレも玄関先、というか庭先の屋外に椅子を置いて、今日は暑くもなく、とても気持ちよかった。
屋外で受けるマッサージ、解放感がとても気持ちいいです。


展覧会は「始まりの写真」プロジェクト
写真家の安藤毅さんが、東北の被災地で、地震で何もかも失ってゼロになってしまった皆さんの写真を撮って
その場でプリントしてプレゼントする、というプロジェクト。
この展示会でも、チャリティーで撮ってくださいます。1000円。

展示してある被災地の写真にうつる皆さんは、とても生き生きと素敵な表情なので、ビックリとともにホッとしたりもしました。

「子供たちなんか、大喜びで、まるで紙芝居のおじさんみたいだよね」とおっしゃっていたのが印象的。
そうか、こんなふうに新しい手法で「紙芝居」の方法があるのか。

写真って、なんだかウキウキするものなんだな、と思い、この「ご縁」の皆さんで写していただきたいと思い
みなさん一緒に撮っていただきました。

今日までに、安藤さんとギャラリーオーナーの勝俣さんが「開けてしまった」東北のお酒のカラ瓶を持つことに。
一人一本ありましたよ、飲みすぎでしょう。

というわけで、被災地東北のお酒を抱えて喜ぶ美女集団の写真が出来ました!



カメラマンは男性だけど、あとはみんな女性でしたね。
最近の女性はバイタリティのある人が多い、とよく思います。
それと、お酒が強い!
いやいや、頼もしい。

その場でプリントしていただきました。
被災地にもこの機材を持って行って、その場でプリントするのだそうです。
嬉しいですよね、その場でプロの写真をいただける。





素敵な写真をありがとうございます。

こんな風に、いろいろなご縁が広がっていく、場所を作るのも素敵です。






もう、後戻りはできない?

2011-07-20 20:10:02 | 生活改善プロジェクト
省エネを今までより強く意識するようになって
いろいろな我慢をしています。

エアコンはあまり入れないように、暑いな、と思っても扇風機に当たりつつ汗をふきふき

電子レンジをなるべく使わないで料理をしようと工夫したり

移動は自転車や、歩く範囲をを広げてみたり

欲しいと思っても、買うのはちょっと待って、本当に欲しいか考えたり

あるものは使う、今あるもので代用できるものは、代用する工夫をしたり

いろいろあります。

我慢と言えば我慢なのですが

暑い中汗をかくことも体には自然なこと、慣れるとクーラーに当たり続ける方がかえって体に辛いと感じたり

電子レンジを使わない調理法が美味しいこともあったり

歩く事を増やして運動不足を解消したり

無駄遣いが減って、お金の節約になったり

家に増え続けるモノが、少しは減って行ったり

あまり使ってないのにもったいないなあと罪悪感を感じ中ら捨てることが減ったり


悪いことばかりじゃなくて、いい発見もある。

そんな
省エネルギーを実行して、少し便利に慣れすぎた生活の針を戻して行こう
と思って行動するとき、それは本当に「いいこと」なのかな?と心に引っかかる点が2つあります。

一つは、特に家事に関して、手間や時間がよりか掛かること(エネルギーを使って便利ならないと)
は、自分のような家事も仕事もしなくてはならない女性は、
家事家庭に縛りつけられることにならないか、ということ。

もう一つは、便利を享受しなくても、自分で何でもできること、を大前提としてしまうと、

「自分ではできないひと」障害があったり、病気や年を取って体力が無くなっている人
社会的弱者と言われる人たちにとって、この便利さが
健康に自由に楽しく生きていくために
どれほど役立っているのだとう、ということ。

便利になることは、自由が増えるということだと思います。
時間や労働から解放されて、自由な行動が出来る範囲が増えるということ。

人はだれもが、義務としての労働から解放されて、自由に好きなことをしていたい
と思っているでしょう。

だから、みんなお金がほしい。
お金は、自由を、好きを、買うために必要なのです。

だから、国は経済的発展をしなければならない
経済的発展をしつづけるということは、常に新しい商品やシステムを作って売っていくということ
常に新しく、常に多くのモノを作り、多くのものを消費すること。

しかし、いつまで発展すればいいのだろう、どこまで行けばいいのだろう
このまま進んだ先は本当に人間にとっていい未来が待っているのだろうか。
そんな不安と疑問を多くの人は薄々感じているのだと思います。

その一方で、弱い人たち(女性を含め)が、より自由に楽しく生きるためには
社会全体が豊かに成らなければならない、後戻りはできない…のでしょうか。

やはり私は、自由競争と自己責任社会であり続けることが、恒常的に経済的豊かさを追及しなければならない
大元だと思うのです。

強くとも弱くとも、同じステージで競わなくてはならない
私自身も、そんな社会が平等で自由であるべき形なのだと、
若くて自分は何でもできると信じていたころは、そう思っていました。

しかし、今は少し変わりました。
元々強い人もいる、弱い人もいる、それが社会です。
社会の多様性を認めるということは、すべてが自己責任で弱いものは淘汰されることとは違うはず。
弱い人にも楽しく生きる場がある、それが多様性を内包する社会ではないのでしょうか。
弱い人には弱い事情や理由があるし、強い人にも理由があるのです。
強い人は、能力を最大限発揮して、弱い人が出来ないことに手を差し伸べる社会
様々な能力や事情をもつひとが、自分を生かすべき場所がある社会、を目指したい、と思います。



苧麻の刈り取りとお引き 真夏の麻と格闘!

2011-07-11 21:03:46 | 職人芸
彦根の新之助上布で、「麻の刈り取りと、お引きをしませんか?」と誘われて
滋賀県琵琶湖畔で、自生の麻を刈り取ってきました。

そう、梅雨が明けた直後です。
暑い!太陽がけんかを仕掛けていますよ。

地元の若者たち、稲枝の青年団の方達や、新之助上布を助けるブレインの若いパワーの面々、に交じって
いざ刈り取り。





上布は今は苧麻の繊維を糸につむいで織りますが、残念ながら、現状の糸は国内で
生産されているものではありません。
麻の植物ををどうやって麻糸にするのか、具体的にやってみたことがなかったので
その一部分を体験できるというのは、とてもいいチャンス!

いざ麻刈りへ…
といってもただ刈ればいいもでありません。
刈り取った麻の葉をその場で落として、表皮を剥ぐのです。葉と芯はその場に捨てて肥料に。

布も和紙もそうですが、植物の靭皮繊維を、糸や紙にしています。
靭皮繊維というのは、一番表面の皮と、中心の芯の部分の間にある「白皮」と言われる部分から
取った繊維です。
植物の一番丈夫な繊維部分です。







さてさて、この表皮を、後工程をやりやすくするために、長く広く剥ぐのは意外と難しい…

すぐにボロボロに…

そんなこんなをみんなで2時間くらい。
バケツに4,5杯の皮が取れました。



涼しいところに移動して

今度は「お引き」作業

剥いで水に浸けておいた皮から、表皮をはぎ取って白皮にします。













小さな小刀のような刃物で、するっと剥いでから、残った緑色の皮を丁寧にこそげとります。

最初みんな恐る恐る。小さな一本の皮の処理に、10分くらいかかって…

ボロボロの白皮が出来上がります…

いや、ボロボロじゃ駄目なのかも?でもこの後さらに繊維を細かく裂いて
それを撚って糸にするので、まあ多少繊維が細かくても許してもらおう…

最初は全然出来なかったのが、少しずつコツを覚えて、いい感じの白皮に出来るようになると
みんな面白くなって集中しだします・・・なんだか無言・・・












作業も段々早くなり

みんなでこれだけの白皮を収穫しました。




たったこれだけ?
いやいや、本当に大変だったんです。
みんな真剣にまじめに頑張りましたしね!
でもこれだけ…
織り物一反の糸を取るのが、どれだけ大変か
身に沁みました。


すっかり日も高くなり、一番暑い時間帯…
用意していただいた冷たいお茶を飲みすぎ、多少へばってきたことろで

バーベキューでビール乾杯!




楽しく近江上布の将来に様々な思いを語りつつ、梅雨明けしたばかり、あつ~い夏の休日は暮れました…

新之助上布展 の オープニングパーティで頂戴したみなさまのお志を、被災地応援ファンドへ

2011-07-06 08:41:12 | 独立起業
6月17日~21日 gallery園での
「麻をまとう、涼の風 新之助上布展」

には、たくさんの方がいらしてくださいました。

縁側のある、畳敷きの日本家屋、風が通り抜けて、
古民家の静かな空間で、新之助上布のあたらしい魅力を見ていただけたならうれしいです。

今回は、薩摩琵琶奏者 榎本百香さんの祝演 とささやかなオープニングパーティを開きました。

オープニングパーティでは「投げ銭制」として、「東日本大震災チャリティ 漁業関係のファンドへ投資します」ということで、皆様からお志を頂戴いたしました。

総額 17,056円というみなさまの  温かいお志を頂戴しました。

パーティ経費は、大西新之助商店が全額負担しており、このお志は、大西新之助商店の意思で、全額復興支援へ使わせていただくことになりました。


どこへ使うのがいいのか、さまざまに検討した結果

ミュージックセキュリティーズ株式会社が運営する 「復興支援ファンド」のうち「山内鮮魚店ファンド」へ 
17,056円+鈍色舎出資分を合わせ 21,000円を投資&寄付いたしました。

このファンドの仕組みはというと…
     ファンド投資 5,000円
     応援金   5,000円
     運営者手数料   500円

が一口となっています。
応援金とファンド投資はセットになっており、投資をすれば必ず同額応援金として寄付します。
ファンドの契約期間は8年間、内投資先営業開始から2年は無分配期間に設定されています。
無分配期間以後は、投資先の営業利益に応じて、分配金が配当されます。

分配金は全額大西新之助商店へ送金し、この使い道は長い復興支援のチャリティのような形のための資金にしたいと考えております。
投資先の経営状態のIR情報は、定期的にこのブログと鈍色舎のwebサイトでご報告させていただきます。

投資した先の「山内鮮魚店」の三陸の魚の販売が順調に回復するのを、リアルタイムで知ることが出来ることにワクワクしますね!それが投資の醍醐味なのでしょうか。

出資者特典として、山内鮮魚店のお魚がいただけるそうなのですが、大西師匠のお酒の共として
師匠もちょっぴり特典を楽しんでいただきたいと思います。


そもそもなぜ、ファンドへ投資なのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
日本赤十字などへの寄付が一般的かと思いましたが、
義捐金が被災された方へ行き渡っていない現状や、会計報告が特にないこと、等を考え、

☆確実に被災された方へ渡ること
☆使途が明確にされ、確実な復興支援になること
☆契約期間は投資先の情報が提供され、いまどういう状況にあるのかを知ることが出来ること
☆大西師匠がお魚が大好き、大西師匠も私も漁業への甚大な被害を何とかしたいという思いがあること

から、このファンドへの投資を選択しました。


震災からもう4カ月近く経とうとしています。
日々被災地の様々な情報が流れますが、困難な復興の様子、行き渡らない支援の様子など、
もどかしく、苦しいニュースが未だ多く、どれほどの甚大な災害だったのか、今更ながら思い知ることばかりです。

東北の、そして日本が受けたダメージの大きさは段々と大きく深いことが明らかになるようで、苦しく不安な思いです。

それでも、前を向いて進まなければなりませんね!




夏越の祓い

2011-07-01 03:17:33 | 日本文化
6月30日 1年も半分過ぎた日です。
夏越の祓いの、茅の輪くぐりに行ってきました。

私の家の近所にある、由緒ある神社「小野照先神社」。

小野篁命と菅原道真命をお祭りしています。
小野篁命は平安時代に足利学校を創立した、学者で歌人

なので、この神社は、学問と芸能の神様の神社です。

また、境内に富士浅間神社があり「富士塚」という、富士さんを模した小さな山?があり、
ここは重要有形民俗文化財指定とのことで、史跡です。


1年のうち、夏越の祓いと7月1日だけ、一般に開放されて、「富士登山」が出来ます。
この日は「お山開き」として地元では有名なのです。



お昼すぎに訪れると、人もまばらでしたが、茅の輪をくぐっている方もちらほらいて、
臨時社務所に朝顔のお守りを買う方かな?並んでいました。まだ発売前のようで10人くらいの方が並んで待っていました。
なんだか気になりつつも、

茅の輪をくぐってお参りして
今年半年がなんとか無事に過ぎたことを感謝しました。
輪をくぐると、藁のいい香りがしました。

体調がすぐれないので、元気になりますように…というお願いも少しだけ。






もちろん、富士山にも登ります。
小さいながら、岩場の山道の通りに上ると、頂上は小高い丘の上に立った感じ、







下々を一望できて気分がいいです。

登山の印、ご朱印をいただいてきました。


夕方もう一度行くと、氏子さんたちがお花の苗を参拝者に配っていて、桔梗の鉢をいただいてきました。
今年は「東日本大震災復興祈願」ののぼりが立っていましたが
訪れる人は少ない様子、お花の苗がたくさん残っていました。
今年はもはやかなり蒸し暑いからかな?



こんな天変地異と気象の不安な時は、神社とかお寺に足が向く方が多いのかと思いましたが
そうでもないのかな?
様々なことが起きすぎて大変だった今年の前半半年の、けじめをつけたような気持ちになりました。

お参りの後、家に帰って、水無月を食べて、今年半分を収めました。

さあ、後半もがんばろう。

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