ユグドラ旅情

方向性が見えない

どうでもいいがDS欲しいな

2007-12-16 03:20:19 | ユグドラ・ユニオン
私はGBA版を5周はしている。そのため、システムの問題点などはすでに受け入れてしまっているため、今回のリメイクを手放しで絶賛せざるを得ない状態となっている。つまり主観的になっていて客観的なものの見方ができていない。

体験版を触った限りでは根本的なシステムは変わっていなかった。それらは新規層にとってどのような印象を与えるのか一度離れて見ていきたいと思う。

まず、GBA版ユグドラ・ユニオンの不満点としてあげられるものを羅列してみよう。
●クリティカルによる戦局変動の極端さ
●士気回復手段の少なさ
●戦闘スキップがない(特にマキナブリッジなど)
●戦闘が長い、スキル演出が長い

●敵の優遇
●突撃・反撃時の乱数
●セーブの間隔が広すぎる
●ストーリーの陳腐さ
●キャラクターデザイン
●装備品の着脱
●フリーバトルがない、よって詰まり易い
●プロテクトや無敵がかかったユニットが分からない
●一部を除き汎用グラフィックであること(ステータス絵、敵味方の汎用キャラの区別なし)
こんなものだろうか。

緑の物は程度の差こそあれ改善されている。ただ問題が完全になくなったわけではない。

スキルはおそらく完全に飛ばせるのではなく高速化で対処されると思われる。これは「何故完全に飛ばせるようなオプションを付けなかったのか」と言われる可能性が高い。製品版を手に入れないと分からないが、FFのようにロング/ショートの設定ができるということはなさそうだ。
マキナブリッジなど友軍が戦う場合は高速化があるが、戦闘をイベントに組み込むにしても少々量が多すぎたと言える。
マキナブリッジでは7回もイベントバトルをみる必要がある。ガルカーサを追いかけて戦う戦闘を一回減らし、アイギナ隊のメンバーを一人減らしてもよかっただろう。

士気回復手段は既報のとおりこれまでのアイテムによるもの(HIGHは味方ではほぼ例外なので除く。ゴードン以外は結局プレイヤーが回復しなければならないため)に加え、未出撃ユニットが自動回復、スキル「リフレッシュメント」、確認していないがレベルアップ時に増加した最大士気分回復するということもあるらしい。このように回復手段は増えたのでGBA版に比べればプレイは楽だろう。
ただし、これは相対論であって絶対的にはなおプレイのハードルは高い。まず、常に出撃するユニットには自動回復の恩恵はないためである。毎BF終了後全員20%回復ぐらいまで思い切った方がライトユーザーに優しかったのではないか。
個人的にはGBA版の仕様でも全く問題ないのだがそれは
①どこで士気を大きく削られるかを知っている
②アイテムの埋まっている位置をほとんど覚えている
からであってどちらも何の情報を得ない限り初心者は分かるはずもない。よってゲームオーバーになる原因の主人公格二人の死亡を防ぐ手段とはなりがたい。
更にリフレッシュメントの使いにくさにある。「ユニオンに参加しているユニットの状態異状・士気を回復」と協力になって戻ってきたリフレッシュメントだが、相変わらず移動力は3、昼間限定スキルであるため使用どころが難しい。
移動力が3なのはTEC2以上ならば戦闘突入後すぐに発動できるメリットがあるため、まだ許容できるが昼間限定であると
●ガルカーサ戦で全く使えない
●昼間以外の時間固定で使えない
という欠点がある。初心者がほぼ間違いなく詰まるのはBF-17であろう。強敵ガルカーサを前にしても夕方固定であるためリフレッシュメントが使えない。あらかじめ士気回復をして臨むにしても往々にしてアイテム不足であることが多いのだ。
士気関連は毎BF終了後に1500以下は自動的にそこまで回復、などにしといた方が良かったように思える。未出撃やリフレッシュメントによる効果でどれほど回復するかによって多少は評価が上下するとは思うが根幹は変わらない。批判の対象になりそうだ。



さて、改善されていない、されていても批判はあると思わしき所を見ていこう。

まずはキャラクターグラフィック関連だが、こればっかりは仕方がない。きゆづきさとこ氏は本業は漫画家なのだから固有キャラクターすべての絵を描くわけにはいかないし、絵柄については完全に個人の嗜好である。
万人向けの絵柄ではあまり個性がないだろう。漫画家を採用するにしても有名な漫画家(語弊があるが私自身はきゆづきさとこ氏は四コマ漫画化の中ではメジャーな方だと思っている。あくまで世間一般での話)だとそればっかりが独り歩きする恐れがある。
ただ、テイルズシリーズのようにアニメ絵を採用する手段がなかったとは言えまい。そもそもキャラクター“デザイン”なのだからゲーム内で使用される絵はデザイナーが直接描く必要はないのだ。無論、きゆづき氏の絵の魅力がアニメ絵により損なわれるとは思うのだがOPアニメのクオリティがあればそこまで不満は出ないと思うのだ。

次にクリティカル、敵の優遇、乱数を見ていこう。
敵の優遇は客観的に見たところで私の意見は変わらない。これで良い。これを変更したらユグドラ・ユニオンの魅力がなくなる。これに不満を持つ人はほかのゲームをやればよい。
問題はクリティカルと乱数だ。詰将棋と例えられることも多いユグドラ・ユニオンだが、概して理論づめのSRPGにおいて運の要素が絡むのは仕方がないで済ますことはできない。どちらもあってはいいのだが、程度というものがあるだろう。GBA版でさんざん不満点としてあげられたため調整は入ってくるだろうが、やはり批判は避けがたい。
クリティカルはなくて良い、という意見まで出ているのだからバランス調整が難しい。極端に減らすと逆効果で、出た時のストレスが半端ない。

フリーバトルに関しては正直判断が難しい。救済用にリトライがあるのだが「ゲームオーバーにならなければならない」ため、文字どおり負けなければならない。これがストレスになる可能性がある。
だからといって安易にフリーバトルを入れると後述するストーリーの弱さが浮き出る可能性が高いし、強くしすぎてつまらない、という話も絶対に出てくる。
私はフリーバトルはなくても鎌輪にだろうと思うのだが、ライトユーザーにはリトライで毛で心が折れる人も少なからずいるだろう。やはり、難しい。

最後にストーリーについてなのだが、まずエンディングの軽さは直っていると信じたい。時間はたっぷりあったはずなのでこれが改善されていないならば逆にスティングを称賛せざるを得ないだろう。そのあとに待つのはスティングに対する失望感だが。
本編に目を移すと、伏線の投げっぷりや不可解な行動、自軍キャラクターの存在感の薄れが非常に気になる。ストーリーを多く語らないこととユーザーの想像心を刺激することは次元が違うのである。
ユグドラ・ユニオンのストーリはかなり王道に近い。だからこそオリジナリティーを発揮するのにサブストーリーに触れやすくすべきである。ところがカードというシステムをとった以上、無駄な動きはしづらい。そのためサブストーリーに触れるために犠牲となる部分が多いのだ。これはかなり痛い。
必ずプレイヤーが触れるストーリーを増強すべきだ。PSP版では新キャラクターが出ているが、あくまで「新」である。本篇のストーリーが増強されている望みは、薄い。



これらはどれもゲームの根幹をなしているが故に変更が難しいものが多い。つまり設計段階で狂いが生じていたのである。この狂いを受け入れなければきつい面も多いだろう。
オリジナリティーを目指す点は評価に値するが、なぜありきたりなシステムのゲームの方が結局安定しているかを考えてみる必要はないだろうか。DSやWiiで中途半端にハードの機能を使用した作品がどうなっているのかを見てみるといい。
新たな道を目指すには熟慮が必要なのだ。成功したDSやWiiのゲームを見てみるとよい。

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