森の空想ブログ

MIYAZAKI神楽紀行―´23-´24高見乾司のデッサンによる― 5月10日~19日まで<友愛の森空想ギャラリーにて>

10日から始まる予定の「南国の赤/水元博子展」が20日からに延期になったので、その間を利用して今季(2023年秋-24年春)の神楽デッサンを展示しています。短期間ですが、現場での仕事や古い作品のリメイクなどを確認する良い機会となっています。
     ☆
初回は椎葉・栂尾神楽のデッサンを紹介。
 
「鬼神」。
椎葉にも縁の深い柳田国男は、「鬼」とは、大和民族に制圧された先住民の末裔が山に依拠し、「まつろわぬ民」となったもの、と定義したが、九州脊梁山地の深奥部の神楽では鬼神は先住神として降臨する。
反骨の思想と自然と協調して生きる山人<やまびと>を象徴する神である。
 
「荒神」。
森の奥から怒り出てくる荒神は、宇宙星宿・天地自然を支配する根本神である。
神主との問答で、宇宙の真理、自然との協調の理を説く。
渡来神と先住神との激突と相克、和解と強調を象徴する神。
 
 
「手力男命」。
岩戸に隠れた天照大神を導き出し、この世に光を回復する神だが、ここでは天地開闢の文字を入れた。
政権から最も遠い椎葉の神楽では、岩地番付は取って付けたような位置づけにあり、神楽の主格は狩猟儀礼や荒神祭祀にあるが、栂尾神楽では丁寧に演じられる。
椎葉の広大な山脈が夜明けを迎える場面で登場する手力男の活躍は、岩戸神話というよりももっと根源的な、天と地の開かれる場面のように思われたのである。

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