草むらはパラダイス!

野に咲く花たちとの出逢い

ヒルザキツキミソウ

2011-07-16 15:02:32 | 桃色の花


春先からあちこちで見かける、優しい色合いのヒルザキツキミソウさん。
我が家の畑のあちこちでも見ることが出来ます。

お隣さんが観賞用として栽培していたものが我が家にも入りこんできたものと思われるので、野に咲く花としてここに紹介するのはどうかって思いもあるのですが、園芸種と呼ぶにはあまりにも野生化している感があるので載せることにしました。




畑を管理する母にとっては雑草扱いなので、もちろん防虫処理などしてません。
よほど美味しい葉っぱなのか、虫に食われている姿ばかり。
その辺がやっぱり園芸種の悲しい運命なのかなって思ったりも。

虫食いだらけでよく分かりませんが、葉っぱの縁にはギザギザの突起があり互生して付いています。
見た目より、硬めの手触りなのでそんなに美味しそうには思えませんが、虫たちにとっては味がいいのかもしれませんね。




茎と葉っぱと、葉腋から芽吹く新芽。
花芽なのかどうかは観察出来ずじまい。引き続き観察します。




マツヨイグサさんの仲間は夕方から開花して朝にはしぼみますが、ヒルザキツキミソウさんは名前のごとく昼間にも綺麗な花を咲かせてくれています。
雌しべの柱頭が4つに分かれるのは、マツヨイグサさんの特徴のようですね。



【データブック】
  ヒルザキツキミソウ 学名:Oenothera speciosa Nutt. アカバナ科/マツヨイグサ属
   ・北米南部原産の耐寒性多年草
   ・法面の緑化用にワイルドフラワーとしても利用されている
   ・5~7月に薄い桃色から白の花を昼間に咲かせる
   ・葉は披針形、葉縁に波状の鋸歯があり互生して付く

ウラシマソウ

2011-06-11 17:37:28 | その他の色の花


伊勢参りの帰り、ウォーキングも兼ねて駅まで移動している途中の道ばたに大きな葉っぱの植物さんを発見。
コンニャクさん?って思って近づいて根元を見ると、濃い茶色の物体が!

こ、これはウラシマソウさんじゃないかぁ!!!
まさかこんな場所で出逢えるなんて!

花のように見える仏炎苞と言う部分からは、名前の由来ともなった見事な長い釣り糸も出ています。
上手く写真におさまりきらなかったので、写ってませんが…




茎の先端に傘のように広がる葉っぱは何枚もあるように見えますが、実は切り込みがたくさん入っている一枚葉なんだそうです。
言われなければ絶対分からないですね。




こちらが全体像。
でっかいパラソルの下で、釣り糸を垂れている姿は何とも風情がありますね。

山野草なので、本来はもっと山間の湿気の多い場所に生育しているはず。
付近のどなたかが園芸用に栽培していたものが道ばたのこの地に根付いたものかもしれません。

秋になると、この仏炎苞の中の花序が赤い実となるらしいですが、その姿もいつか見れると信じて。
実だけでなく、全草有毒とのことなので観察の際は注意が必要のようです。



【データブック】
  ウラシマソウ 学名:Arisaema urashima サトイモ科/テンナンショウ属
   ・山地の湿地などに生える、耐寒性、非耐乾性の多年草
   ・仏炎苞の中には先端から長い紐状突起物を出す肉穂花序をもつ
   ・草丈は30~50cm、花期は3~5月
   ・葉茎の先端には鳥足状の小葉をもつ一枚葉を付ける
   ・雄雌異株で、根茎の大きさで性転換する
   ・秋に赤い実をつけるが有毒

チチコグサ

2011-06-11 15:58:50 | 赤~赤紫色の花


海岸観察ウォーキングの際、公園の木の根元にチチコグサさん発見!
チチコグサさんの仲間はたくさんで、なかなか判別が難しく。
ウラジロチチコグサさん、チチコグサモドキさん…

いろいろ調べて、本家の在来種のチチコグサさんにはなかなか出逢えずにいたので、嬉しくて。
小さくてシンプルで在来種らしい体つき。
頭花がほんのり赤みを帯びているのもとても可愛いのです。




花序は先端にまとまっていて、苞葉が頭花をラッピングしていてブーケみたい。
綿毛に覆われた苞葉がふわふわしていて気持ち良さそう。




葉っぱは他のチチコグサの仲間に比べるととても小さくて少ない。
表面にも綿毛がいっぱいで、白っぽい色合いに。
観察出来てないけど、同じように裏面にも綿毛があるようです。




根元部分を観察してたら、これから成長するであろうロゼット状のチチコグサさん発見。
まだ花茎を伸ばす前のものかな?

この根生葉が花の時期にも残っているかどうかでチチコグサさんである判別ポイントにもなってるみたい。




花が終わった個体にも出逢えました。
小さいので肉眼でははっきり見えなかったけど、画像で観察するとタンポポさんのような綿毛と種子の様子が分かります。




小さくて細い姿なのでなかなか全体像を上手く撮影出来ずにいたのですが、友人の結婚式で犬山の明治村を訪れた時に、公園内でチチコグサさんの群生地を見つけました!

荒れ地より管理された土地を好んで生育すると言う性質にも納得。
在来種らしい、控えめで清楚な姿、とても愛らしく感じます。


【データブック】
  チチコグサ 学名:Gnaphalium japonicum キク科/ハハコグサ属
   ・日本各地の山野の道端や芝生の中などに生育する多年草
   ・地表を横にはう茎を出して増える
   ・花茎は高さ8~25cm、細長い根生葉の間から数本直立する
   ・頭花は茎の先に円形に付き、花序の下に放射状の苞葉がある
   ・花期は5~10月
   ・葉は広線形で少なく、両面ともに綿毛がある
   ・類似種のハハコグサ(母子草)に対して名付けられた

ヒナギキョウ

2011-05-28 16:59:27 | 青~紫色の花


浜辺観察ウォーキングの最終地点、マンテマの浜に到着。
久しぶりのマンテマさんにご挨拶を…と思ったものの、なかなか見つからない。

時期的にちょっと早かったかな?と思いながら、周辺を目を光らせていたら、青紫色の小さな可愛い花を咲かせる植物さんに出逢えました!

調べたら、ヒナギキョウさんでした。
シュッと伸びた細すぎる茎の先に花を咲かせる姿がとにかく可憐でたまりません。
小さいので撮影は困難を極めましたが。




浜辺特有の植物さんではないようですが、葉っぱはやはり肉厚ぎみです。
葉っぱの周辺にはギザギザがあって白い点が見えます。
これは何なんでしょう??




根元の根生葉は茂っていて、やや色が薄くなってます。

さらにこの土の下には、可憐な姿からは想像がつかない根茎が発達しているんだそうです。
残念ながら観察時にはそんな知識はなかったので、土を掘り返すなんてことはしてないですし、知ってても花の時期にそう言うことはやりにくかったりもしますね。




近くにはつぼみをつけた個体もありました。
つぼみも可愛いですね。

キキョウさんの提灯のような特徴的なつぼみとは違うようですね。




こちらは花の後。
この中に種が出来ているんでしょうか?この辺はキキョウさんに似てますね。
時期的にまだ成熟は早いので、中身は確認出来ずじまいでした。



【データブック】
  ヒナギキョウ 学名:Wahlenbergia marginata キキョウ科/ヒナギキョウ属
   ・関東以西の日本、朝鮮、中国、東南アジア、オーストラリアに分布する多年草
   ・日当たりの良い原野に生育
   ・高さ20~40cmになり、7~9月に小型の花を付ける
   ・根生葉はへら形、上部の葉は線状被針形でまばらに鋸歯がある
   ・葉の縁は肥厚しており、葉の表面にはわずかに毛がある

ヒメスイバ

2011-05-28 14:06:15 | 赤~赤紫色の花


観察ウォーキングをさらに続けていると、浜辺一面が真っ赤に色づいている場所を発見。
何かの植物が群生している様子だったので、近づいて観察しました。

まさか、アッケシソウ(サンゴ草)さんがこんなところに生えてるわけないし…
よく見ると、スイバさんにとても良く似たものでした。

浜辺で栄養状態が良くなくて、大きくなれないのか?
だったとしたら、こんなに真っ赤になるほど広い範囲に群生するのも不思議。
明らかに、この地に気持ちよく生育している感じですからね。

帰って来て調べてみて、ヒメスイバさんであることが分かりました。
スイバさんについて調べている時に存在は知ってましたが、ここでのまさかの出逢いにちょっとびっくり!




スイバさんよりかなり小さいという点以外は、花も全く同じです。
小さいので、撮影もかなり困難でしたが。




もしかしたらスイバさんではないのかもしれないって思ったのは、この葉っぱです。
浜辺植物特有の肉厚の葉っぱ。

ハマダイコンさんみたいに、スイバさんが浜辺で生育すると姿が変わる…そう言うものではないかな?って仮定した訳です。
しかし、ヒメスイバさんは浜辺以外の場所でも生育しているようなので、浜辺の植物ではなかった訳ですけど。




よく見ると、茎にも特徴が。
緑と赤茶色のストライプ模様がとても綺麗です。

この場所の個体の茎はほとんどがストライプ模様でしたが、図鑑などで見るヒメスイバさんにはこのストライプがないものが多く。
やはり浜辺生育の特徴だったりするんでしょうか?




花のアップ。
おそらくこれは雄花だと思われます。

雌雄異株なのですが、ヒメスイバさんは地下茎で繋がって拡がるので、群落全てが同じ性別であるようです。
雌花の株も探してみれば良かったとちょっと後悔してます。

次のシーズンにチャンスがあれば再度観察してみようと思います。


ヒメスイバさんを調べている途中で、偶然この浜でのヒメスイバ駆除作業のページを見つけました。
地元では厄介者扱いされて、定期的に駆除作業をしているそうですが、地下茎から根こそぎ除草するのは大変な作業のようです。

見た目は綺麗なので可哀そうな気がしますが、この浜に生育する在来の絶滅危惧種の貴重な植物さんが駆逐されているという現状を知ると、仕方のないことなんですね。



【データブック】
  ヒメスイバ 学名:Rumex asetosella タデ科/ギシギシ属
   ・ヨーロッパ原産の多年生帰化植物
   ・道ばたや荒れ地などの乾燥した場所に多く生育する
   ・5~6月に花茎を形成、雌雄異株
   ・葉の高さは10cm程度で小型
   ・葉は鉾型であり小さくて柔らかい
   ・種子と共に地中を横に這う地下茎でも繁殖する

ハマエンドウ

2011-05-28 12:52:26 | 青~紫色の花


浜辺ウォーキング、植物観察第二弾はハマエンドウさん。
子供の頃から海によく遊びに来ていてその存在は知っていたけど、ちゃんと観察をするのは初めて。

道ばたに咲くカラスノエンドウさんよりもずっと大きくスイートピーさんに近い感じかな。
改めて観察してみるととても美しい花なんですね。
すぐ隣の運動場では何かの大会が行われていて、地面に座り込んで顔を近づけて観察している自分の姿はかなり怪しかったかも。




こちらは開花前のつぼみ。
花は紫がかってるけど、開花前は赤みのが強く出るようですね。




葉っぱは3~6対の羽状になっていて、全体的に肉厚で柔らかい印象です。
浜辺の植物は相対的に葉っぱが肉厚になってるような気がしますが、これは浜辺での過酷な環境に対応するためなんでしょうか。

先端にくるっとしている巻きひげも可愛いですね。

ハマエンドウさんの特徴のひとつは大きな托葉なんだそうです。
3~6対になっている葉っぱの付け根にある萼のような葉っぱが托葉なんですが、この画像では(葉脈がなく白っぽく写ってるのがそうなんですが)分かりにくいですね。




群生している様子も見事です。
在来種のハマエンドウさん、海岸の整備や埋め立て、環境の変化などにより、近年では生育数が減ってきているそうです。

観察して歩いた堤防のコースでもハマエンドウさんを守る運動を行っている地区もあり、ゴミの投げ捨て禁止を呼び掛ける看板も見かけました。
いつまでも、このハマエンドウさんが群れ咲く美しい光景を守りたいものです。




少し移動した別の場所で、ハマエンドウさんの実を発見しました。
この実、美味しく食べられるそうです。

後から知ったので採取せずじまいでしたが、チャンスがあればいつか食べてみようと思います。


【データブック】
  ハマエンドウ 学名:Lathyrus japonicus マメ科/レンリソウ属
   ・日本全国の海浜に生育する多年生草本
   ・4~7月に濃紫色の蝶形花を咲かせる
   ・葉は3~6対の小葉をもつ羽状複葉、先端は巻ひげになる
   ・豆果は無毛で長さ5cmほどになる

ハマダイコン

2011-05-28 10:45:57 | 青~紫色の花


5月も半ばを過ぎた日曜日。
天気も良く、花粉症もおさまって来て最高のコンディション!
なまった身体を動かしつつ、植物観察ウォーキングにお出かけしました。

コースは海沿いの堤防。
早速浜に下りて、花の盛りを迎えているハマダイコンさんの観察。

野菜として栽培していたダイコンさんが野生化、もしくは原種に戻ったものだと言われてますが、花の色は紫色がかっていてとても綺麗です。
浜辺で群生している姿はとにかく見事!

ダイコンそのものが塩分に強いものなのか?塩分が花の色に影響してるのか?
いろいろ興味深いところもありますが、専門的なことは分かりません。




葉っぱは大根そのもの。
しかしながら野菜として食べるには、かなりゴワゴワした印象ですね。

実は、2年前から七草粥を野草を摘んで作っているんですが、スズシロはこのハマダイコンを浜まで採りに来て毎年使ってます。
親戚の家でダイコンを栽培しているのでもらってくれば良いのですが、どうしても「野生種」にこだわりたくて。

味はダイコンそのもの。
1月頭のロゼット状でも根っこには小さな大根が出来ています。
硬くて物凄く辛いのですが、それが七草粥の良い味のアクセントにもなってます。




花の時期も終盤なので、実もたくさん出来てました。
この姿がとても面白いのです。

数珠のような形で、画像にはちゃんと写ってないですが(失敗)先っぽが尖っています。
完全に熟したら中にどんな種が入っているのか興味ありますが、観察するまでにもうちょっと時間がかかりそうですね。


【データブック】
  ハマダイコン 学名:Raphanus sativus var. raphanistroides アブラナ科/ダイコン属
   ・海岸の砂地に生育する越年草
   ・ダイコンが野生化したものと言われている
   ・4~6月に淡紅紫色の花を咲かせる
   ・茎は高さ30~70cmで、葉は羽状に分裂
   ・実の上部は細くなり数珠状にくびれ、熟しても裂開はしない

カモガヤ

2011-05-22 19:12:34 | その他の色の花


パラダイスの中でひときわ目を引く、ふわふわした穂を揺らすカモガヤさん。
遠くから見ると、この穂の部分だけがふわりと浮かんでいるように見えて面白い姿なのです。

イネ科の植物さんは良く似たものや種類が多すぎて判別が難しいのですが、カモガヤさんはこの姿ですぐに分かり覚えやすいのがありがたいところです。




穂の部分にズーム!
糸状のものが、まとわりついていますね。
「絹糸草」と呼ばれているのも、これが由来だったりするんでしょうか?

カモガヤで検索をかけると、100%に近い確率で「花粉症」の文字が目に飛び込んで来ます。
花粉症の原因植物としても有名なようですね。
ただ、スギやヒノキの花粉とは違って飛散距離が短いために局所的に反応する方がいるようです。

この花の時期のポンポン姿が可愛いんだけど、花粉症の身としては複雑な心境になってしまいます。
因みにこの画像はかなり接近して撮影しましたが、症状は特に酷くなることはなかったです。




カモガヤさんは英名でオーチャードグラス。
そう言えば、以前に職場でも牧草種子として扱っていて名前はよく耳にしてました。
日本には明治時代の初期に牧草として導入されて、その後帰化したものだそうです。

優秀な牧草ですが、花粉症を起こす原因となっては、厄介に思う人も多くなってしまってるんでしょうね。


【データブック】
  カモガヤ 学名:Dactylis glomerata イネ科/カモガヤ属
   ・ヨーロッパ~西アジア原産の植物
   ・明治初期に牧草として導入されたものが帰化
   ・高さ50~120cm、葉は長さ10~40cmとなる大型植物
   ・植物体は柔らかく葉の色はやや青みを帯びている
   ・花の時期は5~8月で、花粉症の原因植物となっている

コウゾリナ

2011-05-21 15:14:08 | 黄~橙色の花


通勤路の道端でふと目に止まった黄色い花を咲かせるキク科の植物さん。
もしかして…と思い、自転車を急いで止めて近づいてみてバンザイ!!

これはコウゾリナさんではないか!?間違いない。
ネットや図鑑などではその存在は知っていたものの、実物にはなかなか逢えずにいた植物さんのひとつ。
毎日通っていたのに、これまで気付かなかったことを不思議に思ってしまうほど。

確かに、昨シーズンもその前のシーズンもこの場所周辺で咲いていた記憶はある。
でも、ぱっと見の姿から園芸種のものだろうと勝手に思って素通りしてしまってた。
植物さんとの出逢いって、そんなものなのかもしれないですね。




名前の由来は、全身の剛毛。
さわると痛いくらいにザラザラしていて、この触感をカミソリに例えて「剃刀菜」と呼んでいたものがコウゾリナに変わって行ったと言う説や「顔剃菜」から変わったという説もあり。
何にしろ、このゴワゴワした印象が名前の由来のようですね。




特に茎にはこんな剛毛が!
素手で茎を折ろうもんなら、出血しそうなトゲトゲ感。




花は舌状花のみとのことだけど、時間が悪いのかなかなか全開している状態の花に出逢えずじまいでした。
この場所を通るのは朝と夕方だけなので、昼間に来ないといけないのかもしれませんね。

花のあとは、タンポポさんのような綿毛(冠毛)が出来るそうだけど、この個体では観察できませんでした。
次のシーズンへの課題がいくつかありますね。

この場所と後日家の近くでも見つけたのですが、数がそんなに多くありません。
今シーズンの種が来シーズンにたくさん芽生え、除草に遭わずに大きく生育してくれることを祈るのみです。


【データブック】
  コウゾリナ 学名:Picris hieracioides var. glabrescens キク科/コウゾリナ属
   ・日本の各地に生育する越年性の一年草本
   ・道端、原野、牧草地などに生育し適湿のやや栄養良好な場所を好む
   ・春以降、花茎を延ばして1m近くに生長
   ・頭花は舌状花のみで、5月頃から晩秋まで次々に咲く   ・
   ・茎と葉には褐色の剛毛がある
   ・果実は痩果で、羽毛状の冠毛がある

ウマゴヤシ

2011-05-14 14:00:59 | 黄~橙色の花


ゴールデンウィークを利用して、沖縄に旅に出た時のこと。
沖縄本島最北端の辺戸岬を目指し、名護のバスターミナルで乗り継ぎのバスを待っている間に周辺の野草パラダイスを観察。

沖縄のパラダイスには本州にない植物とも出逢えるので、観察も楽しいのです。

歩道に作られた花壇に、黄色く小さい花を咲かせる植物を発見。
コメツブツメクサさんだろうと思って近づいてびっくり!
これはずっと逢いたいと思っていたウマゴヤシさんじゃないかぁ!!

全国的に分布しているはずなんだけど、自分の家の周辺では出逢う事がないままで。
まさか沖縄でその姿を見れるとは思ってなくて嬉しい限り。




葉っぱは小さいながらもクローバーさんと形は同じ。
花も葉っぱも見た目では、コメツブツメクサさんと変わらず、見分けは難しいですね。

ウマゴヤシと言う名前は、昔、馬など家畜用のえさ(牧草)として使われてたという所から来ているみたいですね。
現在では牧草として使われている事はないそうですが、各地に野生化して生育しているようです。




ウマゴヤシさんの特徴的な姿がこの実。
ぐるぐる渦巻いた、とても変わった可愛い形をしています。

我が家の周辺では、どんなに探してもこの姿を見つけることは出来ませんでした。
素人では、花が終わった後にしかコメツブツメクサさんとの区別は難しいですね。




黒く熟した実を摘んでバラしてみました。
ひとつひとつの形のかわいさが分かるでしょうか?
巻き貝のようにも見えますね。

緑の時に見えていた角のような突起は、熟すとなくなってしまうんでしょうか。
実にくっついているゴミのようなものが突起だった部分なのでしょうか。


【データブック】
  ウマゴヤシ 学名:Medicago polymorpha マメ科/ウマゴヤシ属
   ・ヨーロッパ原産の越年草
   ・江戸時代に牧草として導入されたものが野化している
   ・茎は地を這い斜上し、高さ10~60cmほどになる
   ・葉の脇から花柄を出し3~5月に黄色の蝶形花を4~8個咲かせる
   ・豆果はらせん状で縁に毛状の突起がある

カスマグサ

2011-05-08 17:41:45 | 青~紫色の花


カラスノエンドウさんとスズメノエンドウさんの群生に紛れて、紫色の筋の入った花を咲かせる植物さんを発見!

ススメノエンドウさんの接写撮影をしていた時に偶然見つけてしまったのですが、葉っぱも良く似ていたので同じ仲間だろうと思い調べてみたら、カスマグサさんであることが分かりました。




花を咲かせる前のつぼみ。
とても清楚な雰囲気が漂っていますね。
カラスノエンドウさんやスズメノエンドウさんと比べて、カスマグサさんに一番心惹かれるのは、この花の色と姿かたちが理由かもしれません。

でっかくたくましい長男とやんちゃで元気な末っ子の間の物静かで清楚な美人がカスマグサさん…なんて勝手な想像をしてみたり。

それにしても、「カ」ラスノエンドウと「ス」ズメノエンドウの「間」だから、カスマグサってネーミングはいかがなものかと。
もっと素敵な名前を付けて欲しかったなぁ~と思うのは、私だけではないはずです。
かと言って、ハトノエンドウなんて付けられても困りますが。




葉っぱは、スズメノエンドウさんに似ています。
先端に切り込みの入ったカラスノエンドウさんとははっきりと区別はつきますね。
小葉の枚数は、スズメノエンドウさんよりも少なめのようです。

パラダイスではこの時期、3種のエンドウさんが混在して生育しているので、ツルがあちこち絡まりあってどれがどなのかかなりしっかり観察しないと分からないってのもありますね。


以下、カラスノエンドウさんやスズメノエンドウさんの記事にも載せましたが、この時期のパラダイスのマメ科の仲間たちの比較の画像をこちらにも貼っておきます。




左からカラスノエンドウさん、カスマグサさん、スズメノエンドウさん





大:カラスノエンドウさん、中:カスマグサさん、小:スズメのエンドウさん


【データブック】
  カスマグサ 学名:Vicia tetrasperma マメ科/ソラマメ属
   ・日本各地、ユーラシア大陸の暖温帯に広く分布する一年草
   ・やや乾燥した路傍などに生育
   ・花は1~3つで少し離れてつき、花弁には紫色の紋様が出る
   ・小葉は8~12枚で、先端が円頭でやや尖る
   ・果実は無毛

スズメノエンドウ

2011-05-08 17:39:16 | 白色の花


パラダイスの中、カラスノエンドウさんに紛れるように小さな白い花を咲かせているのがスズメノエンドウさん。
大きめのカラスノエンドウさんと比較してのネーミングとの説もあります。

カラスノエンドウさんが葉腋にひとつの花を付けるのに対し、スズメノエンドウさんは葉腋から伸びた花茎の先に2~4個の花を付けます。
花の色も大きさ自体も違うので、区別は簡単につきますね。




丸めの葉っぱのカラスノエンドウさんに比べると、スズメノエンドウさんの葉っぱは細くスマートです。
食べ終わった魚の骨みたいですね。




さやの表面には細かい毛が生えています。
この中には2つの種子が入っているそうです。

中の種子が成熟してくると丸々としてくるので、複数のさやを付けた様子がとても可愛いくて思わずにっこり。
こちらも完全に熟すと鞘は真黒になってしまいます。
その姿も可愛いのですが、また後日アップします。

カラスノエンドウさんよりも荒れ地を好んで生育するそうですが、これらの画像を撮影した近所の散歩道では、同じ場所に仲良く生育しています。
確かに、道路脇などのアスファルトの割れ目から生育しているのがスズメノエンドウさんが圧倒的に多いですけどね。


以下、カラスノエンドウさんの記事にも載せましたが、この時期のパラダイスのマメ科の仲間たちの比較の画像をこちらにも貼っておきます。




左からカラスノエンドウさん、カスマグサさん、スズメノエンドウさん





大:カラスノエンドウさん、中:カスマグサさん、小:スズメのエンドウさん



【データブック】
  スズメノエンドウ 学名:Vicia hirsuta マメ科/ソラマメ属
   ・本州から琉球、ユーラシア大陸などの暖温帯に広く生育する一年草
   ・カラスノエンドウに比べ、やや荒れ地に生育する傾向を持つ
   ・秋に芽生え、4月頃から開花する
   ・葉は12~16枚の小葉からなり、先端は巻きひげになる
   ・小葉の先端は平切状で、葉脈の先端が棘状に突出する

カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)

2011-05-08 17:38:06 | 赤~赤紫色の花


春のパラダイスではあまりにも有名なカラスノエンドウさん。
有名ゆえ、あえてこちらに残さなくても良いかなと思い、遅くなりました。

詳しく調べていて初めて知ったのですが、正式な和名は「ヤハズエンドウ」と言うそうで。
これだけでもここに取り上げた甲斐があったというものです。

しかしながら、素人にも分かりやすいと言う点から、こちらではあえて通称の「カラスノエンドウ」を使わせてもらうことにします。




葉っぱは、丸くて形も姿も綺麗に整っていて、幾何学模様と言っても良いですね。
わんさか茂っていると、ひとつひとつの葉っぱに注目する事もないですもんね。

エンドウと言うだけあって、カラスノエンドウさんは食べる事が出来ます。
既に何度かいただいたことがあるんですが、この先っぽの柔らかい部分を摘まんでさっと炒めたり天ぷらにしても美味しいです。
茎や葉っぱの部分でも、エンドウ豆の味そのものがします。




花の後にはもちろん、豆(さや)が出来ます。
先が上に向いて実をつけている姿は、ソラマメさんの仲間だからでしょうか。

この豆も、食べる事が出来るそうですが、家で栽培しているエンドウ豆さんも同じ時期に大量に収穫できますので、わざわざカラスノエンドウさんを食べるって事はなかったりします。
一度は食べてみたいと思ってるんですけどね。

子供のころは、成熟した実から種を取り出して笛にして遊びました。
地域によってピーピー豆とも呼ばれたりしてますが、私の地域では「シービー」と呼んでました。
なんでそんな前なのか見当もつきませんが。

複数の笛を作って一斉に鳴らしたりする器用な子もいたり、授業中にも鳴らして遊ぶ子もいたので教室には持ち込み禁止になったと言う懐かしい話もあります。
この豆で遊んでいる子を最近全く見かけないのは、なんだか寂しい気がします。

実は熟すと真っ黒になり、触ると弾けて中の種子を飛ばすのです。
その姿は、また後日。




同じ時期にパラダイスで出逢うカラスノエンドウさんの仲間を比較してみました。
左からカラスノエンドウさん、カスマグサさん、スズメノエンドウさん。
同じ種類なのに、大きさ、花の色、花の付き方、葉っぱの形、それぞれに個性があって面白いです。




同じように実(豆のさや)も比較してみました。
一番でっかいのが、カラスノエンドウさんで、一番小さいのがスズメノエンドウさんです。


【データブック】
  カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ) 学名:Vicia angustifolia マメ科/ソラマメ属
   ・本州以南の日本各地に生育する一年草
   ・ユーラシアの暖温帯に広く分布している
   ・学術的には「ヤハズエンドウ」と呼ばれる
   ・秋に芽生えて越冬、4~6月に紫紅色の花を咲かせる
   ・果実は熟すと黒くなり、中の種子を弾き飛ばす

タネツケバナ

2011-05-07 16:47:02 | 白色の花


我が家の中庭にタネツケバナさんが群生しているのを発見!
去年まで気が付かなかったのが不思議なくらい、あちこちにいっぱい生育していてビックリ。

いつの間にこんなに増えたんだろう?
ちゃんと観察をしようと思いつつ、あまりにも身近な場所過ぎて後回しにになってしまい…
やっと観察する時間を取れたと思ったら、もう花の時期はすっかり終了。




先端部分の葉っぱは、切れ込みが多くて大きめ。




しかし、根元部分の葉っぱは丸みを帯びた形。
色も紫がかった深い緑色で、同じ植物の葉っぱだとは思えないほど。




花の時期がすっかり終わっていた事で、実の部分が物凄く目立ってます。
この姿を見るとミチタネツケバナさんとは違うものだなって分かりますね。
(※最初はミチタネツケバナさんをタネツケバナさんだと間違ってました)

たくさん種を付けるから「タネツケバナ」なのかと思いきや、名前の由来はこの花が咲く時期に稲の種をまくために水に漬ける準備を始める「種漬け」から来ているそう。
この姿を見れば「種付け花」でも良いと思うけどな。




撮影のため近づくと、実が弾けてびっくり!
小さな種なのに、あまりの勢いなので痛いほど。
弾けて種を飛ばすって話は聞いてなかったから、驚いたよ。

ふと見ると、弾けた実の半分がめくれてクルクル巻いてる!可愛い!!
これだけの種を飛ばすのだから、あっという間に広がるのも納得だね。

タネツケバナさんの茎や葉は食用になるそうです。
クレソンの仲間なので、辛味があって結構美味しいんだとか。
次のシーズンには是非食してみようと思います。


【データブック】
  タネツケバナ 学名:Cardamine flexuosa アブラナ科/タネツケバナ属
   ・北半球に広く分布する一年草
   ・水田や水路の周辺など湿り気のある場所に主に生育する
   ・10月頃に発芽、ロゼットで越冬して春に花を咲かせる
   ・葉は互生し、羽状の複葉で頂小葉が一番大きくなる

スズメノヤリ

2011-05-07 15:53:52 | その他の色の花


この時期、パラダイスの中でよく見かける、空に向かって細くしっかりした茎を伸ばし、その先っぽに丸くて茶色の実をつける植物さん。
子供のころはタバコ草と呼んでいたけど、本当の名前はスズメノヤリさん。

タバコ草と呼んでいた理由も定かではないんですけどね。
先っぽの丸い部分がキセルに入れる煙草に似ているから?そもそも身近にキセルでタバコを吸っていた人も居ないし。

形はユニークだけど、見る限り地味な印象の植物さん。
しかし、花の時期に観察してみると、結構面白いのです。
アップ出来るような良い画像がないのですが、上の画像の左下に花を咲かせた状態のものが写ってます。

(ズームの画像はまた後日…来年?)

専門的に説明すると、雌しべが成熟した後に雄しべの葯が伸びて目立つようになる「雌性先熟」の植物さんなんだとか。
画像の黄色く見えている部分が雄しべの葯のようです。




パラダイスでは先端の丸い部分だけが目立ってますが、葉っぱを観察してみてビックリ!
シュッとした茎からは想像もつかなかった毛むくじゃらの葉っぱ。
柔らかそうな長い毛で覆われてます。意外だな。

この毛はスズメノヤリさんの特徴なんだそうです。




既に花の時期は終わっているようで、黄色い雄しべを出しているものは見つからず。
丸い花序の部分を観察してみると、丸く膨らんで中に実が出来ている様子。




成熟して中の種が見えているものもあったので、摘んで種を出してみた。
肉眼ではよく分からなかったのだけど、ズームで撮影したものを確認すると、種が面白い形をしてる!!

ハート型!?可愛いっ!!
ちょっとピントが甘くて分かりにくくてすみません。



【データブック】
  スズメノヤリ 学名:Luzula capitata イグサ科/スズメノヤリ属
   ・日本全国から東南アジアにかけて分布する多年生草本
   ・葉が全て根生のため、草丈の低い草地でのみ生育が可能
   ・春に10~30cmの花茎を出し茎頂に1つの集まった花序を付ける
   ・葉の縁には長いクモ毛を持つ