旧十月八日。旧暦十月穏やかに晴れて暖かい日のことを“小春日和”と言います。小春日和と冷たい雨、木枯らしを繰り返し本格的な冬へと季節は移ってゆくのですね。東京の銀杏も黄色く色づき始めました。紅葉も後半戦です。
居酒屋寄席を開催する渋谷の居酒屋ニュー信州で、高座の後ろに飾る何かさりげなく季節を感じられるものはないだろうか、と考えていました。そんな折、二年ほど前にたまたま街を歩いていて見つけたのが額装する日本手拭いです。この額装手拭いが今静かにブームを迎えているように感じます。
そのそも伝統的な小紋柄や、歌舞伎役者縁の柄、様々な場面でお得意さんやご贔屓さんに配る個性豊かな柄を染め抜いたのが日本手拭いですが、タペストリーのように、そのものが一幅の絵のようにデザインされた手拭いが増えてきました。最初に飾るきっかけとなったのが、中秋の名月とススキの穂。その後も桜、紫露草と蛍、雪山とさざんか・・・となかなか季節感が伝わる装飾になっています。
今秋の十三夜(11/3)も過ぎた頃、名月に代わるものはないか、と探し続けていたのですが、紅葉で良いものがない、雪山には少々早いし、と思っているうちに季節は冬へと移ってしまいました。居酒屋寄席も近づいてきて、そろそろ決めなければ、と思っていたところで見つけたのが南天のデザインでした。右の写真の柄です。いかがでしょうか、日本の師走、正月を静かに彩る名脇役の南天、12月16日には落語を一層引き立ててくれることでしょう。
暮らしのリズムお薦め、手拭いのお店をいくつかご紹介しましょう。