ミョウガを食べると物忘れするって本当？

冷奴やそうめんの薬味、味噌汁などに使われるミョウガ。

独特の香りと風味があり、夏バテ防止にも効果がある食材です。

わたしたちが食べている部分は花の苞の部分で、薄い黄色のきれいな花が咲きます。

ミョウガを食べると物忘れがひどくなるという言い伝えがあり、中高年の方のなかには、これ以上物忘れがひどくなってはかなわないとミョウガを敬遠している人もいるのではないでしょうか。

しかし、この説にはなんの根拠もないようです。

では、何故このような俗説が生まれたのでしょうか

むかし、お釈迦様の弟子のひとりに周利槃特（しゅりはんどく）という人がいました。

槃特は物忘れがとてもひどく、自分の名前さえも覚えられない人であったそうです。

そこで、自分の名前（茗）を書いた札を首にか（架）けて歩いていました。

ミョウガは本来「芽香」が訛ったものですが、それに「茗荷」の字が当てられて、槃特のエピソードと混ざり合い、茗荷を食べると物忘れするようになると言われるようになったのです。

江戸時代に「宿屋の主人が旅人にミョウガを腹いっぱい食べさせて財布を置き忘れさせようとする」という落語の話が人気となったことから、世の中に広まったとされています。