サッカーの試合で、ペナルティ・キック(PK)の成功率はプロレベルで約80%だそうですが、逆にいうと、近くから誰にも邪魔されずに蹴って、5回に1回ははずしていることになります
意外にはずすことが多いのは、プロ選手のPK戦が、いまやデータにもとづく心理戦になっているからです。
たとえば、2010年のW杯アフリカ大会では、PK戦を除いて全64試合で15回のPKシーンがありました。
そのうち特典が決まったのは9回で、成功率60パーセントと低かったのは、その裏でデータ・サッカーが繰り広げられたからです。
各チームは、キッカーの蹴る方向や蹴り方をあらかじめ調べ上げ、ゴールキーパーはそのデータにもとづいて対応しました。
また、キッカーのほうも、自分のキックが調べあげられていることを承知していましたが、その裏を読んだり、考えすぎたりして、かえってはずしてしまうというケースが目立つことになりました。
日本代表でPKといえば、シドニー五輪の準々決勝を思い出す人も少なくないでしょう。
しかも、はずしたのはエースの中田英寿選手でした
アメリカのGKの動きが予測とは違ったため、一瞬のとまどいが、中田選手のキックに微妙な影響を与えたのかもしれません。