KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

高所トレ@ミウラBC#1

2016年06月23日 | 海外

2016年6月23日(木)

 本日は代々木にあるミウラ・ベースキャンプの低酸素室へ。
 そう、あの80歳でエベレストに登ってしまった怪人、いやレジェンドである三浦雄一郎氏が提供する一施設である。

 実はこの夏、短期間で登れてしまうというお得な(?)南米の山をターゲットにしているのだが、一昨年(2014年)のケニア山で高山病にかかった経験から今回事前にできるだけのことをしておこうと思った。
 何しろ日本の山で高度順応をしようと思っても、最高が富士山の3,776mでは順応にも限界がある。
 で、このミウラBCでは(自然条件とは異なるが)擬似的に高々度の低酸素状態を体験できるということで、これは使わない手はない。
 
 いくつかコースはあるようだが、今回自分が選んだのは6,000m級コース。
 まず初回に標高4,000m状態で高所テストを140分。
 その後、四回に分け高度を500mずつ上げて(4,500→5,000→5,500→6,000m)高所トレが90分ずつ。

 
 お値段は最初の高所テストが1万円、後のトレーニングが各4,000円×4回=16,000円だが、セットにすると2,000円お得で計24,000円になるという。

 この金額だと新品のミウラーもしくはPUMPの回数券が買えてしまうが、一昨年の高山病の苦しさを存分に味わっていたので、若干迷った末に申し込む。
 いつでも好きな時に受けられるのではなく、事前に設定された時間に何人かが同時に受けるというシステムで、なんとなく歯医者や自動車教習所の予約と似た感じである。

 本日の高所テストに集まったのは、60代男性、60代女性、20代女性、そして私(50代男)の四人。もちろん皆、初対面である。
 60代男性と20代女性の目標はキリマンジャロ。男性の方はそこそこ山に登っている風のおっちゃんだが、女性の方は今まで山とは無縁で今度の正月に新婚旅行で登るらしい。
 うーん、キリマンジャロ、人気ですね。
 一方、もう一人の60代女性は特に海外の山を目指すというわけではなく、国内の山でも気分が悪くなってしまうのでその対処に来たとのこと。

  

 本日のカリキュラムは大きく分けて三つ。
 ・まず基礎測定。平常時の身体及び機能(肺活量)測定など。
 ・次に4,000m室での軽い運動(踏み台昇降)と呼吸法の練習。
 ・最後に4,000m室での睡眠で身体の変化をチェック。

 まず基礎測定は身長、体重、体脂肪率などを測るが、自分の体年齢はジャスト40とのこと。(実年齢は56)
 ただ肺活量の方はひどく、とても公表できないほど実年齢の平均を下回ってしまった。
 
 念のため言っておくと、体重は実際62.2kgと計測されていたのに66.2kg!と誤記載されていた。
 そのため理論値での体年齢は40よりももっと若いはず。

 また肺活量の方は器具の口がどうにも咥えにくく、横から絶対呼気が漏れていたのではないかと思う(言い訳ばかりでスミマセン。)m(_ _)m

 次に低酸素室へ。
 まずは高山病への基本的対処法をレクチャーされる。
 ・行動はゆっくりと。(我慢はしない。おしゃべりする。上を向いて歩く。)
 ・呼吸を意識する。(特に吐く時は強く一気に。)
 ・水分を多く採る。
 ・高山病にかかったらまずは高度を落とす。

 言われてみればそうかと思うが、たしかに自分はせっかちで、苦しい時は黙々と下を向いて登っているし、頻尿なのでむしろ水分は控えるタイプだ。
 これらは高所ではすべて良くない。

 その後、リズムに合わせて踏み台昇降を繰り返す。
 血中酸素濃度(SpO2)を測定するパルスオキシメーターを左手の人差し指にセットして続けるが、平地だと98%のSpO2が4,000mで軽い運動をすると私の場合78%まで低下。
 そこでミウラBC秘伝?の呼吸法を実践するとこのSpO2が若干上がり回復する。
 要はこのミウラBCではけっして短期間で高度に強い身体になれるわけではなく、あくまで高度障害を少しでも防ぐよう有効な呼吸法を覚えることが目的なのだ。

 最後は低酸素室での睡眠。
 左隣が20代の女性でちょっと嬉しかったが、右隣のオヤジが後半から猛烈にイビキをかき出し、気持ちを大いに乱される。
 が、ここでは自分のSpO2はほぼ85%をキープ。
 高度障害は呼吸を意識していない睡眠時に顕著に現れるらしく、人によってはこの睡眠時に数値が徐々に下がってしまう例もあるという。

 一昨年のケニア以来、もしかして自分は先天的、体質的に高度に弱いんじゃないかと不安だったが、他の人のデータをチラ見した限りそれはないと判明し、一安心。
 それにしても肺活量が平均より不足していること、さらに今日の段階では素人の20代女子よりも呼吸法がうまくできてないようでちょっとショック。

 次は一週間後、4,500m(マッターホルン相当)での訓練である。

  



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2 コメント

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Unknown (ぴょん太)
2016-06-30 12:24:10
現場監督さんこんにちは。

おお、もうすぐご出発なのですね。僕の方も、出発まで2週間を切りもうすぐです。ユーコンから念や気をお送り現場監督さんのご武運をお祈りいたします。

来期の遠征から山に復帰しようと考えていて、現場監督さんの南米での吉報で来期の山遠征に向けてさらにテンションを上げさせて頂ければとの思いです。
Unknown (現場監督)
2016-07-02 09:11:47
ぴょん太郎さん、こんにちは(゚▽゚)/

ご無沙汰で申し訳ありません。そちらももうすぐですね。
こちらこそいつもぴょんさんを見てテンション上げさせてもらってます!
膝の方は昨年に較べるとかなり良いのですが、まだ時折ヘンな痛みがあり、今回もいまさらながらどうなることやらといった感じです。
そちらの冒険も魅力的ですね!とにかく結果は二の次、お互い旅を楽しみましょう!

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