ちょっと怖い話

時計が鳴っている。
誰もいない１階の居間で目覚ましの音が「ぴぴぴぴぴ」と、鳴り続けている。
現在時刻は午前１時半。
なぜこんな時間になってるんだろうか…おそらく子供が昼間にいじったんだろう。
普段使っている目覚まし時計ではなく、親戚から貰ったお古の時計である。
今日、押入から出して、スチール棚に置いておいたのだ。
あまり大きな音ではないため、２階で寝てる子供達も起きる様子はない。
起きているのは私一人なのである、がどうも真っ暗闇に降りていって時計を止めるのが怖くて動けない。
みんなが起きてしまう大音量の方が助かる。
一人で時計を止めに行くのはこんなに怖いことなのか…。

先ほどまで少しだけ怖いアニメを見ていた。
この世に無いものが見えるとかそうゆうたぐいの。
時計を止めに行ってホッと息をつき、ふと時計をみると設定時刻は全く違っている。
なのに、何故鳴ったのか？
なんて事になったらどうしよう、など妙な事を考えてしまう。

高校生の頃、みんなが「見えない」というものが見えた事があった。
ドイツに空手の団体試合をしに行ってそのホテルで、ふとカーテンを開けると子供の首がこちらを見てたっけ…
降りられない～……