ここのところ、登山のお客様の宿泊が続いています。
私たちがお客様を選んでいる訳ではないのに、本当にいいお客様ばかり来て下さいますが、今回のお客様は飛びっきりの素晴らしいご夫妻でした!
お二人は揃って68歳とのことですが、とてもそんなお歳には見えません。まだ、現役で働いておられるのかとばかり…(実際の年齢と生年月日とは、人によって随分差があるものなのだなぁ、とびっくり!)。
ご夫妻が揃って登山を始められたのは、定年退職後60歳から…。100名山登頂を目指して、なんと8年足らずで、北海道から屋久島まで、既に95座の名山に登頂されたのだそうです!?
「えーっ!では1年間に何回登山をするんですか?」と驚いてお聞きすると、「私たちは決して無理はしないの…。冬山は登らないし、お天気にも気をつけてるので、シーズン中(7~9月)は殆ど毎週登ってます」とのこと…!
「毎週?あの3000m級の高い山々に登るぅ…!?」とおうむ返しに聞きながら、奥様をまじまじと見つめてしまいました…。体格のいい夫君はともかくとして、この小柄で華奢な体のどこにそんなエネルギーがあるのか?不思議でなりません?
「いえネ、100名山の中では95座ですが、実際はもっと、もっと沢山登ってるの。千メートル位の低山まで含めたら、1年間に65座登ったこともあるのよ」とのこと…。もう、びっくり~!声も出ません!
「お二人とも、余程お丈夫でいらっしゃるのねぇ」と呟いたら、奥様は「決してそんなことはない、55歳までは15分歩いてもハァー、ハァー息切れする程だった」と…。体脂肪も高くて要注意と云われたのだとか…。
奥様の体質改善への挑戦は55歳から…。まず、ジムに通って少しづつ歩く時間を延ばし、速度を速め、徐々に体力をつけてから、ご自宅付近の低い山から登りはじめて、60歳定年までには、かなりの山に登られていたとのことです。今では、シーズン中は半月も登山をしないと、体がムズムズして気持ちが悪いそうです。登山をしている時が普通の状態なのだと…!?
登っている最中、きついところも幾らでもあるので、「どうしてこんなことを敢えてやるのか?ふと、思うこともあるけど、頂上を極めた時の達成感と、素晴らしい眺望、風に揺れる美しい花々…。此処に来なければ見ることのできない花だと思うと、余計に愛しい」のだと…。
人間の体は使わなければ使わない程ダメになるけど、使えば使う程よく動けるようになるのだそうです!
「但し、無茶は禁物、自分の体の調子をみながら、少しづつ鍛え上げる…」のが肝心なのだそうです。
これって、まさに格言!「どんな名医のお話よりも実感がこもってる!お二人で講演をして歩かれたら?きっと、多くの人に勇気を与えると思う!」と思わず叫んでしまいました。
そして、お二人はとても質素なお暮らしで、モノを大切にし、余分なものは買わずにあるものを最大限に活かすのだとか…。「ですから我が家は捨てるゴミが少ない!恥ずかしい位わずかなものです」と、細かく日頃の生活ぶりを話してくれましたが、ずーっとお聞きしていて、“エコの達人”とはこういう方をいうのだと、心から感動して聞き惚れました。
私たちの暮らし方も、かなりエコ度は高いと思ってましたが、上にはしっかり上がいらっしゃると…。まさに“目からうろこ”の2日間でした。(また、いつか、ぜひお二人にお会いしたいなぁ…。)
写真は、鮮やかなオレンジの「フシグロセンノウ」
信州「エコ心の宿」登録宿泊施設
http://www.eco-cocolo.net/