(1枚目)仮面を取ったSignet35。なかなか良い顔をしています。
(2枚目)ヅラを取ったSignet35。ヅラを取るのは簡単だが被せる時はちょっとコツがあり、うまくいかないとフィルムカウンターが動かなくなる。
*2枚ともEOS7D+Sigma18-50mm F2.8 Macro
EktarはKodakの最高級レンズに付けれらる名前ですが、放射線元素のトリウムを混ぜた特殊ガラスを使っており(勿論今では製造できません)、そのシャープネスと濃く渋い発色は伝説的です。
トリウム入りレンズは経年で黄色く変色するので、今では発色についてはよく判らないけど、確かに古いレンズなのに切れ込むようなシャープさがあります。
特にこのSignet35のEktar44mm/F3.5は評判が高く、わざわざ外してデジカメに付ける改造をしている人もいるらしい。
正統派ではないが実力派、といった感じが、僕がこのカメラを好きな理由です。
もちろん人体に影響があるような代物ではない(はず)です。
昔のトリウムを混ぜたレンズは一様に描写性が高いようで、僕の知る限り、LeicaのSummicronも初期のトリウム入りのほうが描写が良いとされて人気がある。
国内でも、CanonのFL50mm F1.8はトリウム使ってますね。
さて、このSignet35は、外観は結構綺麗なほうです。
ただ、入手した時はファインダー像がかなり曇っていました。
幸いハーフミラーの劣化ではなさそうだったので、買って早々に分解して光路上のガラスを全部磨き、とても快適になりました。
そう、このカメラ、簡単に内臓まで行き着くのです。
驚いたことにレンズの前群に至っては、工具もいらず、手で回すと簡単に外れて、レンズシャッターにアクセスできます。
ドイツや日本のカメラなら考えられないことで、車の修理ですら自分でやるアメリカンの発想なんでしょうか。
あとはシャッターのバルブだけがなぜか不調で、指を離してからも開きっぱなし、忘れた頃に「あ、そうか」という感じでとシャッターが閉じます。
バルブなんてまず使わないし、シャッターのチャージレバーを手で戻せばシャッターも閉じるのでずっと放ってありますが、ここもいずれ修理してみようかと思ってます。
本日は以上。