先日幕を下ろした第89回センバツ大会のベストナインを次のように選出した。
捕手は優勝校、大阪桐蔭の福井章吾が強肩でナンバーワンだった。毎試合、イニング間の二塁送球で1.8~1.9秒台を連発する迫力は他の追随を許さない。リード面では滋賀学園との延長15回引き分け(1対1)、翌々日の再試合(5対3)でエース三浦の内角攻めを引き出した古賀悠斗(福岡大大濠)が抜きん出る。延長15回の試合ではイニング間の二塁送球で最速1.90秒を計測しているように、強肩でも光る存在。総合力で古賀を選出した
一塁手は2回戦で姿を消したが清宮幸太郎(早稲田実)がバッティングの迫力で文句なく選出。東海大福岡戦の第3打席で放った高い放物線を描いたフライは外野手の目測を誤らせ、三塁打にしてしまった。1、2回戦連続で満塁ホームランをかっ飛ばした山下航汰(健大高崎)はまだ2年なので来年以降の巻き返しを期待したい。
二塁手は北川智也(福井工大福井)が1番打者らしくないフルスイングの迫力で大西翔(日大三)を上回った。1回戦の二塁打のときの二塁到達が8.08秒、2回戦再試合の三塁打のときの三塁到達が11.77秒という脚力も光った。
三塁手は準優勝校・履正社の3番、安田尚憲を順当に選出。始動がメジャーリーガー級の遅さでもストレートに差し込まれないスイングスピードの速さは圧倒的。すべての球を自分のタイミングで打てる稀有な存在だ。
好素材が集中した遊撃手では小園海斗(報徳学園)を文句なく選出。打撃がまだ安定しないが、走力と安定した守備力は全国トップクラスで、来年のドラフト上位候補と認定したい。半情冬馬(秀岳館)の走攻守も捨て難かった。
外野手は左翼、中堅、右翼で分けて選出した。左翼は打撃の安定感で成瀬和人(静岡)が若林将平(履正社)を上回り、中堅は決勝戦で2本のホームランをかっ飛ばした藤原恭大(大阪桐蔭)がそれまでの不振を挽回し、右翼は西浦颯大(明徳義塾)を選出した。
投手は、右腕は三浦銀二(福岡大大濠)と徳山壮磨(大阪桐蔭)の争いになったが、コントロールで上回る三浦を選出、左腕はスピード、変化球の精度をくらべても川端健斗(秀岳館)が他を圧倒した。
<第89回センバツ大会ベストナイン候補者>
(捕手)
◇古賀悠斗(福岡大大濠)、*福井章吾(大阪桐蔭)、篠原翔太(報徳学園)
(一塁手)
◇*清宮幸太郎(早稲田実)、*山下航汰(健大高崎)、木本凌雅(秀岳館)
(二塁手)
◇*北川智也(福井工大福井)、大西翔(日大三)
(三塁手)
◇*安田尚憲(履正社)、廣部就平(秀岳館)、野村大樹(早稲田実)、山田健太(大阪桐蔭)
(遊撃手)
◇*小園海斗(報徳学園)、安里樹羅(健大高崎)、*半情冬馬(秀岳館)
(左翼手)
◇成瀬和人(静岡)、若林将平(履正社)
(中堅手)
◇*藤原恭大(大阪桐蔭)、*鈴木萌斗(作新学院)
(右翼手)
◇*西浦颯大(明徳義塾)、山本ダンテ武蔵(大阪桐蔭)
(右投手)
◇三浦銀二(福岡大大濠)、徳山壮磨(大阪桐蔭)、金久保優斗(東海大市原望洋)
(左投手)
◇櫻井周斗(日大三)、丸山和郁(前橋育英)、川端健斗(秀岳館)