東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

晩秋のハラビロカマキリ

2021年11月23日 | カマキリ
ムラサキツバメとムラサキシジミの観察を終えた後、散策路の林縁でハラビロカマキリを発見したのでカメラを向けた。

ハラビロカマキリ ♀(褐色型)

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D

ハラビロカマキリ ♀(緑色型)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
外来種のムネアカハラビロカマキリに話題が沸騰する中、今のところ沿岸部のフィールドでムネアカは未確認。この先も未確認のままでいて欲しく、自分が好むのは元祖、在来種のハラビロカマキリの方。樹木の幹で日光浴をする姿は、樹上性のカマキリとしての特徴を目線の高さで観察が叶う、晩秋ならではの好きな光景のひとつ。

撮影日:11月20日

コロナ禍の影響

2021年11月17日 | カマキリ
ここに来ると撮りたくなってしまうのがJR貨物線の風景。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
残念ながら先頭の機関車には間に合わず。通過時刻を把握したので機関車を入れた撮影はまた次回に。11月中旬だと言うのに日中は暖かく半袖で過ごせる陽気。自然池ではギンヤンマの飛翔が見られた。

ハラビロカマキリ ♀

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
そこだと花から遠いので獲物にありつけないと思ってしまうけれど、この時期は食欲よりも先ずは日光浴が優先。

ハラビロカマキリ(若齢幼虫)

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
再び若齢幼虫を発見。成虫と若齢幼虫が同時期に見られる機会は稀だけれど、季節外れに孵化してしまった幼虫は残念ながら冬を越せない。

セスジツユムシ ♀

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
キリギリスの仲間は長い触角を持つのが特徴。それを見て欲しいので触角も構図内に納めた。

晩秋の低い太陽に照らされて白く光るオギの穂

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
今年は特にコロナ禍+カマキリ先生の影響力により、虫捕りを目的としたファミリーが過去最高にアクセスが良い沿岸部の公園に訪れている印象を受けている。撮影地の公園では生き物の持ち帰りが禁止。なのにも関わらず職員の監視が緩く、ルールを守らないファミリーを多く見かける。その影響で、特にカマキリとカマキリのエサとなるバッタが激減。自然観察や昆虫に興味を持つ子供達が増えてくれる事は嬉しけれど、道路に囲まれた区部の公園の中に、わずかに残された環境にしがみついて生きている昆虫が減少傾向にあるのは非常に残念でならない。コロナ禍の影響により、こうした状況下にあるのは沿岸部の公園だけでは無いと思う。複雑な気持ちだけれど、一時的ブームであって欲しい願いと、公園管理者には今まで以上の環境保全の推進を求めたい。コロナウィルスは人間だけではなく、少なくとも昆虫に悪影響を与えていると感じている。

撮影日:11月13日

凝視

2021年09月09日 | カマキリ
イチモンジセセリ

この時期、頻繁に見かけるイチモンジセセリ。花から花へ吸蜜に忙しい様子だけれど、そこには危険な捕食者が待ち受けている事を知る余地もない。

ハラビロカマキリ ♂(幼虫)

最強の昆虫ハンター、カマキリの捕食行動。鋭いカマでイチモンジセセリをがっつり掴み捕食に至るシーン。花で待てば必ず獲物にありつける。カマキリの持つ生態本能がそうさせているのかもしれないけれど、いったいどのように花を認識しているのかは謎。ちなみにこの花はサルビア・ファリナセア。そうそう、カマキリを飼育している子供達がよくバッタを捕って帰り、エサにしているようだけれど、カマキリはバッタよりもこのイチモンジセセリが大好物。食いつきが違うから試してみて。

撮影に近寄りせぎるとこの通り。

顔に鱗粉をつけながらジロッと向いて凝視。こちらの様子を窺う場面。このように捕食中でも決して警戒心を緩めないところが素晴らしい。この個体はまだ幼虫だったけれど、既に成虫の姿も見かけているので、この先はカマキリの活動にも目を向けていきたい。

全てNikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

撮影日:8月29日

擬態上手

2021年06月15日 | カマキリ
コナラ林でゼフィルスを探していた時に、ふと、見た枝に違和感を覚えたので、近づいてよく見ると、そこには...

ナナフシ(ナナフシモドキ)褐色型

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
緑色型は良く見かるけれど褐色型は久しぶり。褐色型ならではの、枯れ枝にしか見えない擬態姿が素晴らしい場面。自分の知見からすると、コナラ以外ではサクラやエノキでの発見例が多い。

ナナフシ(ナナフシモドキ)緑色型

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
夏の昆虫だけれど日影を好んでいる様子にあり、晴れの日は葉裏に、曇りの日は葉上に出現している事が多く、撮影目的なら曇りの日がオススメ。

撮影日:6月12日、13日

すずなり

2021年04月20日 | カマキリ
オオカマキリの孵化

D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
冬場に見つけていたオオカマキリの卵鞘をチェックしてみると孵化が始まっていた。天気が悪かったせいか、今回はごっそりでは無く少なめ。一度に沢山の幼虫が孵化する場合もあるけれど、回数を重ねて繰り返し孵化する場合もある。トンボの羽化にカマキリの孵化。春は新しい命が誕生する場面にカメラを向けられるチャンスが多い季節。

撮影日:4月17日