クオリティー・オブ・ライフ QOL

医院・クリニック開業コンサルタント 佐藤 徹

開業と孤独

2009-03-30 07:44:12 | ブログ

今年の冬は、自身の記憶によると、九州の平地ではほとんど雪が降らなかったように思う。Sakura_2 年初の1月末に4駆を駆って、九州中部山岳の深山に足跡を残したが、例年になく降雪はかなり薄い印象を受けた。

その代わりに平野部での雨の多さを、会社を起業したばかりに『今後俺の人生はどのように展開していくのだろう』などと、連日冬の雨を不安と辟易の視線で眺めていた。

敢えて長年勤めた職場に別れを告げるのに秋を選んだのは、生まれ変わるつもりで開業準備にあてて冬を乗り越え、『春の訪れと共に一気呵成だ!』と、自身に言い聞かせるための意味も込めた計画だったのである。

別れを告げた理由はもうひとつある。長年先生方の開業のお手伝いをさせて頂いて、サラリーマンには味わえないこの『開業時の孤独』と言う命題を兼ねてから自身で体験し、自分の人生になぞらえて意味をもたらせたかったということだ。

とても乱暴な発想と一蹴し笑われるかもしれないが、数年前から心の中に深く刻み秘めていたことなのである。

ある開業支援を手伝わせて頂いた過去のドクターの言葉が耳朶から離れない。

『佐藤さん、僕は地域医療の為に頑張ってみる。もし僕のクリニックに患者様が来てくれなかったら、○○誌の医師の求人募集にでも問い合わせて、この位の借金は責任もって僕が返しますよ』・・・別れた後、私は溢れる感動の涙で瞳が濡れてしまった。『絶対にそんなことをさせてなるものか!』

そのドクターが今では当然ながら、その地域でなくてはならない大切な存在になり、順調な経営をしていることは言うまでもない。

今、自身が立場は違うが大いなる夢を抱き起業した。それはとても単純で無垢な発想であるが、創業理念に掲げた想いをそのまま貫き、今後も経験を活かし精一杯精進したいと思う。新しい事務所への引っ越しも無事万端に終了し、先ずは「医院開業個別相談会」の開催である。奮って御参加をお待ちしています。

アランの言葉『幸福論』

「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意思によるものである」

いよいよ春欄満。桜の花が例年よりも早く蕾を開花し始めた。

本格的な春の到来である。同時にそれは私の新たなスタートの合図でもあるのだ。