クオリティー・オブ・ライフ QOL

医院・クリニック開業コンサルタント 佐藤 徹

患者側から見た性差医療

2011-12-15 19:30:04 | インポート

サクセス21 スタッフのつぶやき



00 現在の国内医療現場には、女性医師が以前に比べて増加してきたことは、いうまでもありませんが、それでも女性の人口に対して、女性医師の居る施設が少ないのが現実です。しかも、県内には、「女性外来」と標榜している施設がほとんどありません。
 女性医師の居る大病院に行くには、紹介状が必要だったり、受付時間に制限があったり、待ち時間が長かったりと、患者としては煩わしさを感じます。

 女性の体は、ホルモンの影響を受けやすく、特に閉経後は女性ホルモンのエストロゲンの機能が低下することにより、男性以上に骨粗鬆症やアルツハイマー病が発症しやすくなるなど、女性特有の症状や心身の変調をきたすこともあります。男性医師には相談しづらい悩みや、身体部位によっては診察されることへの羞恥心や不安などから、診察を受ける事を躊躇している女性も多いのではないでしょうか。

 女性にしてみれば、女性医師に診察をして貰えることで、同性ということから気負うことなく受診出来ますし、話しづらい悩みも時間をかけて、親身になって相談にのって頂けるような、性差医療を配慮した「女性専門外来」が必要なのではないかと感じます。
 しかし、その貴重な女性医師も、結婚をすることで家庭に入り、家事・出産・育児等と、生活環境が変化していくにつれて、やむなく数年間現場を離れることになり、いざ復帰をしようとすると、現場スキルの問題や職場選択のうえに於いて、厳しい状況になっているのも周知の事実です。
 女性医師が仕事を続けながら、そうした問題を解決できる政策や環境さえ整えば、現場から離れることもなく(一時的に離職したとしても)患者としては安心できます。
 WLB(ワーク・ライフ・バランス)を考えて、制度や協力体制の構築により、女性医師が現場から遠ざかることも改善されていくのではないでしょうか。

 知人である大学教授(医療を研究)が、「女性医師がプロフェッショナルな医師として、患者、家族、そして自分自身も納得できる医療ができ、同時に、医師としてだけではなく、ひとりの生活人としても納得できる人生を過ごせることが理想である。」と書かれていました。これが実現することにより一人でも多くの女性医師に、現場に留まって頂き悩める患者を救って欲しいと願います。
 前述の教授は、女性医師の半数の夫が医師であるというデータを基に、「援女医=エンジョイ!!」を合言葉に女性医師に焦点を当てて、ぜひ診療所を開設して頂きたいし、それを支援していきたいと申されておりました。

 首都圏や中間都市においては、電車の女性専用車両やフロアなど、女性に優しい環境が少しずつ増えていく中、一日も早く女性医師の診療所をもっと増やし、一人でも多くの女性が診察を受け易くなる地域医療の環境が整っていくことを心から願っております。


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