対局日誌

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布石の創造(棋書評)

2008-01-05 23:55:55 | 棋書
布石の創造」(日本棋院:大竹英雄著)

大竹英雄囲碁直伝シリーズ第2巻。
その物々しいタイトルと、それでいて古書店でよく売れ残っているのをみて、大した本ではないと早合点していた。

紐解いてみてビックリ
「布石」の指南書という内容的には、近年入手可能な同様の本で十分カバーできるが、今でも十分有段者の実用に耐えうる充実度だ。

前半で「厚みに近寄るな」「スソアキ囲うべからず」など布石におけるセオリーを10個の箇条書きで列挙。
大竹プロは箇条書きが好き。
後半は講座と「次の一手」問題で、石の方向や急場の発見など、大局観を養う。
本書ではこれを、「観察」と「創造」と表現している。

この講座の一部が当時の棋書には珍しく、一部問題図までの手順が記されているのも驚き。
棋譜のほとんどは大竹プロの、1960年代から70年代の実戦から取材したもののようだ。

「アマチェアは布石は自由に打ちたいですね」
としながらも、
「石の運びの基本は、外してはなりません」
と厳しいスタンスも垣間見られる。
ややアンビバレンツな気もするが大竹プロの布石観が、現在の私の布石観とマッチしたのか、なるほどと思いながら読み進めることが出来た。

構成は小堀啓爾氏。

誤植がある、「次の一手」が余計、対象棋力があいまいなど、細かく気になる点はある。
が、布石の本を持っていなくて、かつ安価で入手可能ならば、有段者以上は手にとって見る価値はある。


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