現在美術日記@関西

アートシーンは東京だけじゃない

横尾忠則全ポスター&束芋:断面の世代

2010年09月28日 04時04分01秒 | 美術
職業の話。



世の中には沢山の職業がある訳です。
イラストレーター、美術作家、グラフィックデザイナー、DTPオペレーター、染色作家、プログラマー。
社会保険が効きそうなのは、大手のDTPとPGだけな気もする。

大雑把に切り捨てると、
仕事になったらなんでも同じになるんじゃないの?とかも思ったりして、
仕事場ではその場なりの振る舞いがあって、ネコ被ってるなりに一生懸命こなしていて、
それでも、毎日明日が休みである事を本気で願ってはあきらめて、
そんな生き方は損をしている的なニュアンスのテレビ番組があって、
脳科学者さんの記事に今の学生にはまず、IT機器とアプリの知識がまず必要で、、、
なんて書かれた時には、水準以下の生活をおくってる人々にはどう伝える気なのかとか、
もし図書館にいって公共のPC使えとか言った日には、それであんたはほんまに何とかできんねんな?とか聞いてみたくて、
結局、
イラストレーターの人は美術には踏み込む気がなくて、
染色作家は現代美術に相手されてない事に気がついてなくて、
未だにデザイナーと美術作家はお互いにいがみ合う部分を持ってるんだろう。
そして、プログラマーは言わずもがなデータ&通信&ベンダーのしもべ(たぶん)。
じゃあDTオペレーターがいいな、でも毎日憔悴しきって帰宅する妻を見ているとそれもどうなんやろ。


そんな背景をもってこそ、
横尾忠則(敬省略)の作品はより鮮やかに、
血の通ったような生々しさを感じることができる。

国立国際美術館
横尾忠則全ポスター
2010年7月13日[日]~9月12日[日]



数年ぶりに見た、こんなに魅力的だったか。

もう細かなディテールには注目しなくてもよい。
線の取り方や色の付け方、構図や色彩構成など気にかけても意味は無い。
そんな所に首を突っ込もうとすると、これでええやないかとつっぱねてくる。

しょーもないこと考えなや。
その強さこそいいなと憧れる。
横尾忠則のポスターは見た目とは裏腹に、すごく静かでもある。



束芋:断面の世代
2010年7月10日[木]~9月12日[日]

束芋さん、たしか美大予備校の先輩だったはず。
僕が予備校に来たときには、すでに京造在学中にキリンアートアワードで賞をとってはった。
もちろん会った事ないんですが。

束芋さんが受験時に描いた絵が壁に貼ってあったの覚えてます。



初回の横浜トリエンナーレに最年少参加とか、ベネチアビエンナーレに出たとか、
京造に20代で教授就任とか、映画の悪人が賞とったとか、なんかすごいことになっとりますな。



展示は映像作品と悪人の新聞連載時の挿絵の原画でした。

映像作品は天井に映写したものを観客が寝っころがって見たり、
筒の中や足下に映されたりといった感じ。




挿絵のほうは、黒色の線で描かれたモノクロの作品。

新聞の連載ともあって、回ごとの勢いが感じられました。
内容はにゅるにゅるっとした印象ですかね。


関西出身なのに、こちらでは全然個展とかやってなかったはず。
これだから売れっ子作家は。

その分期待して見た方からは、辛口の批評が飛ぶんじゃなかろうか。
基本的に関西は東京嫌いやからね。
なにしろメジャーな展覧会が全部東京でしかやらんから。



国立国際美術館
〒530-0005
大阪市北区中之島4-2-55
http://www.nmao.go.jp/japanese/home.html



生存のエシックス

2010年09月25日 04時23分07秒 | 美術
ちと掲載画像が少ないですが。

京都国立近代美術館
生存のエシックス
2010年7月9日[金]~8月22日[日]



京都市立芸術大学創立130周年記念事業に協賛して行われた展覧会です。

生命、医療、環境、宇宙における芸術的アプローチによる、
先鋭的なテーマに挑戦する12のプロジェクトを紹介しているそうです。



それぞれはあるプロジェクトに基づいた関連資料を展示していて、
さながら新商品の見本市のようでした。

上の画像は宇宙で発芽させた植物だそうです。
360度どの場所から芽が出ても良いように面白い形をしています。




こちらはカメラに写った自分の口を開けた大きさによって、
左の小窓が連動して動くというもの。
なかなか軽快に動いてユニークです。

シャッターの中には、ずっと独り言をしゃべるロボットがいたんですが、、、
なんともこの辺が良くわからないんですね。

その他にも、MRIのような筒状容れ物入って横たわり、
脳波を調べる機器を頭につけて、その状態が機器の外側に様々な色となって光るというものや、

下図のような、ベニヤ板でできた山を裸足て登るというものなど、
体験したり、その動きに連動するようなアトラクションが多かったです。



この催しは、展示だけではなく各業界の方々とシンポジウムを行っており、
拝見した日もマニアックな雰囲気を漂わせた方が沢山いらっしゃいました。

一風変わった内容でしたが、人に連動したり間接的に情報が伝達されたりと、
IT系に広まっているリアルタイムストリーミング的な
コミュニケーションを広げる装置が多いように感じました。

未知数な先端技術であっても、気になるのはそこなんですねぇ。

京都国立近代美術館
〒606-8344
京都市左京区岡崎円勝寺町
http://www.momak.go.jp/

makomo exhibition "山"

2010年09月21日 03時27分10秒 | 美術
今回は尊敬するイラストレーターさんをご紹介。

芸術活動推進プランユノーが発行するフリーペーパー「temiru」等で活躍する、
makomoさんです。

ラ・ガルリ
makomo exhibition "山"
2010年7月16日[金]~8月8日[日]




大阪の茨木市にあるカフェ+ギャラリーのラ・ガルリで、定期的に個展をされているようです。

撮影の許可は頂いていないので作品は載せられませんが、
makomoさんのHPにたくさん掲載されていますのでこちらからどうぞ。

シンプルでユニークなイラストは、その緩い線ながら独特な説得力があります。
初めて拝見したのは先述したtemiruなのですが、
makomoさんのイラストが一つ入るだけでその紙面の空気に影響を及ぼしていました。

デッサンや色彩構成に頼らない、一本筋の通った男気を感じる男前なイラストに嫉妬すら覚えますw



【おまけ】勝手にmakomoさんとコラボ☆



勝手に複製してすみません☆


ラ・ガルリ
大阪府茨木市駅前1-8-28
GLAN FABRIQUE 1F
http://glanfabrique.com/

サービス旺盛な作家だったんですね

2010年09月17日 02時55分45秒 | 美術
さあ、今回は真面目なお話。

満を持して美術館に登場したのは二人組メンズユニット、パラモデル。

西宮市大谷記念美術館
パラモデルの 世界はプラモデル
2010年6月26日[土]~8月1日[日]


美術館に行くまでの道にもポスターがあります。
もし休館日に来てしまった人はここで引き返すと傷が浅くて済むという親切設計。

その時はトンネルを抜けた所にあるカフェに来たことにしましょう。



パラモデルと言えばもちろんコレ、プラレールのドローイング。
やっぱり作品は見られてなんぼな所がありますね。
一番緊張感が出る。

プラレールの作品は、ペインティングではなくてドローイングなんだなと
展覧会に行ってすごく納得してました。

でも得心した記憶だけはあるんですが、なんでか忘れちゃった。



おそらく線路の意味とか構図の意味とかツラツラ考えて見てたんやろうけど、
そんな事より作品制作のナイスアイデアやなっていう所で決着したんでしょう。

なにより作るのに単純である、というのがパラモデルの一番魅力的というか羨ましい所。
プラレールで一丁上がり!カッターマットの上でマカロニつなげて完成!

そのフットワークの軽さが美術的な強度を上増ししているんですな。



ああ、
プラレール見てて、ただ線路を目で追いかけてたような気がします。
なんでそうしたのかまでは思い出せないですが、パズルのように組み合わされている
その規則性が引きつけたのかもしれません。



そして、この展覧会を見て思った事は、
パラモデルはサービス精神の旺盛な作家だったということ。

写真にはないですが、展示室の全ての壁にプラレールを這わせた場所があります。
天井の照明の上まで這っている青い線路は、
それはそれはやり過ぎな程覆い尽くしていました。

「パラモデルと言えばこれでしょ」という観客の期待を先回りしたかのような埋め尽くし。

でもしかし、この方法で作品を作っていけば自ずと全面覆う事になるでしょうね。
というよりもそこにしか行く場所が無いということを露呈していたのかもしれません。



0か100かという意味合いでしか語られないのなら、
何を見てもつまらなくなるでしょう。

いやいやパラモデルの魅力はまだまだここから。




最近の私のお気に入りはこのお寿司の作品。
作品名を知らない事に気がつきましたが、そんなのは気にしなくても良し。

トラックがネタに見えたんやから、それでええやん。
この一点突破の推進力は作家の真骨頂でしょう。

なんでトラックにお寿司が乗ってるの?
なんていう子供がいたら許しません。

トラックがお寿司に見えたり、これからすしローを見たらトラックを思い出すとか、
子供にはこの魅力に目を輝かせて欲しいです。
特に日本では。



とにかく美術館の庭から茶室から、全ての敷地に作品を配置させた展示に
家にあるもの全部持ってきた感が出てました。

バザーで家財道具を売っぱらったように、家の中が空っぽになっていたら、
作家は新たになにか作るしかないわけで、今後どんな展開を見せるのか楽しみです。

この軽さを失わずに歳をとれるのか。
特に今の若い世代に、苦みを感じさせる事は重要だと思います。


【おまけ】勝手にパラモデルとコラボ☆




西宮市大谷記念美術館
〒662-0952
西宮市中浜町4-38
http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/

※ご紹介した作品画像は、当ブログに掲載すべく撮影させていただきました。
個人管理のブログにも関わらず、
快諾していただいた各ギャラリー様のご厚意に、心より感謝致します。

書かなきゃいけない展覧会はたくさんあるんですが、

2010年09月14日 04時28分45秒 | 日記
とりあえず、挙げられるものを挙げとこうという残念な更新orz

まず1つ目。
だいぶ前に神戸に行った時、あいちトリエンナーレの宣伝イベントやってました。
デビューしたてのIphone4で撮ってみた動画を配置してみよう。



会場にはピンクの集団が、お客さんのひんしゅくを買いながら盛り上げてました。



あいちトリエンナーレに興味あるお客さんなんて皆無だっただろうなぁ・・・。
場所がアウトレットだったしね。



私と嫁は去年やっていた愛知トリエンナーレのプレイベントに行っていたので、
これは嬉しいハプニング。



おもしろがって写真を撮っていたら、
知り合いに会ったかのように、めちゃめちゃ集まってきました。

ようやく楽しんでくれてる人に会ったんやろうなぁ、はしゃぐはしゃぐw



それから、2つ目。

記事ということでもないけど、Twitterを遅ればせながら始めました。

最初はインターフェイスが使いにくいなぁと思っていたんですが、
慣れれば割とわかりやすいんかもです。

ただ何をつぶやこうか迷うと負けな気がしてくる。
そして結局、昼休みに仕事の愚痴なんぞが出てくる始末。


ツイッターで就活とかできたらいいのに。

とりあえず続けてみます。

よろしければこちらどうぞ。
http://twitter.com/kkkkk20090115




あかん、記事が適当過ぎるw
次の記事はもっと真面目に書こう。