税務署へ届けに行かむ道すがら馬に逢ひたりあゝ馬のかほ
斎藤茂吉
小高賢さんはこの歌についてこう書いている。
「茂吉は意図していないでしょうが、詩型がほころびて、歌からはみ出してくるものがある。それは短歌がかつて持たなかったおかしさだ」
税務署に行って、職員の話ぶりが変だったとかではなく、途中で逢った馬の顔を詠嘆する。
常人には思い付かない離れ業だ。
ああでもないこうでもないと考えながら歩をすすめるうちに、ふと見上げると馬の顔に出逢う。馬の前でひとり佇む茂吉は可笑しいけれども寂しい。
斎藤茂吉
小高賢さんはこの歌についてこう書いている。
「茂吉は意図していないでしょうが、詩型がほころびて、歌からはみ出してくるものがある。それは短歌がかつて持たなかったおかしさだ」
税務署に行って、職員の話ぶりが変だったとかではなく、途中で逢った馬の顔を詠嘆する。
常人には思い付かない離れ業だ。
ああでもないこうでもないと考えながら歩をすすめるうちに、ふと見上げると馬の顔に出逢う。馬の前でひとり佇む茂吉は可笑しいけれども寂しい。