若槻の木次小校長ブログ(2015.4.1~2019.3.31)

若槻の木次小校長時代の4年間の記録です。(今後の更新はありません)

卒業式の式辞

2017年03月19日 10時02分37秒 | 日記

卒業式の式辞を紹介します。

桜土手の桜のつぼみもだんだんふくらみ始め、春の気配が感じられる頃となりました。本日巣立ちの日を迎えた20名の皆さん、卒業おめでとうございます。

本日の式に際しましては、たくさんのご来賓の皆様にご来校頂きました。ありがとうございます。

みなさんは20名という木次小学校にとっては少ない人数の学年でしたが、本当に仲良しで、チームワークのよい学年でした。

この一年間は、一人一人がリーダーシップを発揮して、全校のよい手本となり、委員会活動や登校班、そうじ、あきば班でも下級生のお世話役をがんばってしてくれました。やさしく、たよりになる6年生のお蔭で、みんなが仲良く、一致団結して頑張るチームワークの良い木次小学校ができました。

チームワークの良いみなさんですが、小学校の6年間、ずっと同じメンバーというわけではありませんでした。4年生の時に木次小と温泉小が一緒になり、途中で新しく転入してきた友達も加わっての、今の20名です。
新しい友達が入ってきても、すぐに仲良くなれるみなさんは、人に優しく、相手の気持ちを考えて行動ができる本当に誠実な6年生でした。いつも温かい雰囲気の学級でした。

学校行事だけでなく、学習でも活躍してくれました。特に、5、6年生の総合的な学習の時間では、体験で終わらない、課題解決型の学習に取り組みました。
5年生の時は、「将来めざす仕事につくために、今何をすればよいか」の提案、6年生では「人間関係をつくるポイント」について、自分で考えた具体的な提案を根拠をもって説明する「提案集」を作成しました。
(凝縮ポートフォリオを見せながら)
少しだけ中身を紹介します。夢を実現するために今どうしたらよいのかを具体的に示してあります。看護師になるには、まずは体力、そして、笑顔を作る力、コミュニケーション力の3つの力が必要。キーワードは人を好きになること。なるほど!と思いました。

中学校という新しい世界で、よりよい人間関係をつくるポイントは、「自分から積極的に話す。自分ばかりしゃべらないで相手の話も聞くこと。笑顔で話すことが大切。相手の名前を覚えて、名前で呼んであげる。相手のよいところを見つけてほめてあげる。」

よく考えられた内容で、その完成度にはビックリさせられます。担任の先生の指導を受けて、熱心に取り組んだ成果が表れています。一人一人の成長を感じます。一生懸命がんばる強さを持った6年生でした。

立派に成長したみなさんに、最後にお話したいのは、「大切になもの」についてです。

先ほど卒業証書を一人ずつ渡しました。今手にしている自分の卒業証書を開いてそっと見てください。

真ん中には、みなさんが小学校の課程を修了し、卒業したということが大きく書いてあります。木次小学校を卒業したという証しです。

卒業証書の右上の番号、あなただけの番号です。木次小学校の第1回目の卒業生からずっとつながっている番号です。木次小学校の卒業生は5600人を超えています。あなたは、その木次小学校の伝統を受け継いでいるのです。

「自分の名前」も書かれています。世界であたなだけの卒業証書です。名前をじっくり見て下さい。その名前は、あなたが生まれたときにおうちの人が一生懸命、願いを込めてつけてくれた名前です。

あなたの誕生日も書かれています。その日にあたなは生まれたのです。

その日はどんな日だったのでしょうか。あなたがこの世に生まれたことを家族や親せきの人はどれだけ喜んでくれたことでしょう。その日から今日までずっと生きてきました。

今日までのことをふり返ってみてください。どれだけの人にどれほどのことをしてもらってきたでしょうか。

夜泣きをした時に、寝ずにずっとあやしてくれたのは誰ですか。

入学式の時にランドセルを用意してくれたのは誰ですか。

熱が出たときに心配してくれたのは誰ですか。

遠足や運動会の時にお弁当を作ってくれたのは誰ですか。

学校で、がんばったときにほめてくれたり、失敗したときに励ましてくれたのは誰ですか。

なまけたときにしかってくれたのは誰ですか。

登下校中に毎日見守りをしてくださったのは誰ですか。

あなたの命が生まれてから、たくさんの人があなたを見守ってくれました。あなたは、たくさんのことをしてもらってきたのです。あなたは、これまで、その人たちにどれだけのことを返すことができたのでしょうか。

大切なものは、目には見えない。見えにくい。日頃気づかない。気づきにくい。

でも、相手のことを考えたり、イメージする力に優れたみなさんなら分かっていますね。

あなたにとって一番大切な人は、一番身近にいるのです。大切なものは近くにあるのです。

心は見えないけれど、心遣いは見える。思いは見えないけれど、思いやりは見える。気持ちを伝えるには言葉や行動が必要です。

先ほど、みなさんは卒業証書をもらって、自分の大切な人にありがとうの気持ちを伝えてくれました。素直に自分の気持ちを立派に伝えられたみなさんを私は、誇りに思います。

みなさんが後で歌う卒業ソングは♪大切なもの あなたの大切な人達に向けて、思いを込めて歌ったり、メッセージを伝えたりしてほしいと思います。
 (では、証書をしまってください。)

最後になりますが、保護者の皆様、お子様の小学校ご卒業おめでとうございます。心からお祝いの言葉を申し上げます。

お子様は立派に成長されました。きっと、立派に中学校生活に入られることと思います。今後のますますのご成長をお祈り申し上げております。

これまで学校に対してご協力、ご支援いただきましたことに深く感謝いたしますと共に、今後ともよろしくお願い申し上げます。

さあ、卒業生の皆さん。羽ばたきの時です。伝統あるたくましい木次小学校の卒業生としての誇りを持ち、胸を張って、20人の絆をいつまでも大切にして、木次中学校での生活に羽ばたいてください。

以上で、式辞を終わります。 

 平成29年3月18日
        雲南市立木次小学校 校長 若槻  徹

※卒業証書に関わる部分は、現役の中学校校長の中野敏治先生のものを参考にさせていただきました。


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