みんなのマンション

輪番制で、マンション管理組合の理事になった一素人(現在理事長)が、あれこれ考えた事、見た事、調べた事。その他諸々。

積立金「不足」43% 築20年以上のマンション修繕(2)

2007年01月08日 | 管理費・修繕積立金
修繕積立金の不足問題について触れます。
積立金「不足」43% 築20年以上のマンション修繕(1)』において、以下のような日経新聞の調査結果を掲載しました。

【修繕積立金の過不足状況】
 足りている(計画通り) 53.4%
 やや不足している 29.6%
 かなり不足している 13.8%
 無回答 3.2%
(合わせて43.4%が、修繕積立金が計画より不足と回答)

さて、修繕積立金が不足している管理組合が43.4%というのが、多いと感じるか少ないと感じるか。
日経の記事は、何となく、「43%もいますよ」・・・というニュアンスを私は感じたのですが、私個人の直感としては、正直たった43%か?と思いました。

例えば、廣田茂著『マンション管理はこうして見直しなさい』では、以下のような箇所があります。

5、6年ほど前までに分譲されたマンションなら、当初設定された「管理費」はほぼ100%割高です。デベロッパーが系列管理会社に十分利益が上がるようにしているためで、業務仕様を変えることなく、平均2~3割は下げられます。その一方で「修繕積立金」はほぼ100%不足しています。こちらは管理費とは違って、管理会社にすぐ入るお金ではないので、販売戦略上、目安の安さを優先しているためです。

「ほぼ100%」というのは、おそらくは著者の仕事上の実感であり、あまり厳密な話ではないとは思うのですが、それにしても「ほぼ100%」と「43%」では違い過ぎます。

この疑問というのは、私一人のものではなかったようで、ときどき当ブログにコメント、トラックバックを頂いている方のブログにも、その記載がありました。

デンコさんの『マンション管理組合元理事長ブログ』(2006年11月14日)
深山州さんの『マンション管理士がありったけを語ります』(2006年11月13日)

デンコさんは、そもそも不足の認識が無い、積立金の範囲内を前提に修繕している、組合・住民に問題意識が希薄、というケースが多いのではないかと推測されています。
一方、深山さんは、調査対象が問題意識の高い組合が多い、というご意見で、ご自身の実感としては、半分以上が今後20年以内に修繕積立金不足になり、30年でみれば9割方不足している、との事です。

いずれもなるほどと思わせられるご意見と思います。
こうして見ると、自分の直感も、あながち間違ってはいなかったのかな、とも思います。

先日当マンションで取ったアンケートでは、修繕積立金に関しての意見というのは全くありませんでした。
築年数の浅いマンション住民にとっては、どうしても、今見えている問題の方が気になり、修繕積立金などは、まだまだ先の問題という感じがすると思いますが、いずれ避けては通れない問題になる事は間違いありません。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご丁寧にありがとうございます。 (メル 深山)
2007-01-08 02:15:27
いつもありがとうございます。
大規模修繕や修繕積立金に対する所有者の認識の濃さ・薄さの差が、管理組合の底力の差となっていると私は感じます。
コンサル依頼を頂く管理組合は概ね意識が高く、当方の提案をスムーズに受け入れてくれます。どこのマンションも意識の啓蒙が大切ですね(^_^)
返信する
コメントありがとうございます。 (kishiyoru)
2007-01-08 09:35:22
深山様
そうですね。全体的に意識を高めていこうとする必要はありそうですね。
たいへん参考になります。
ありがとうございました。
返信する