壁井 ユカコ
アスキー・メディアワークス
発売日:2009-12-16
んもう!!メチャクチャ良かったーO(≧▽≦)O
あー、好きだ。
前作も好きだったけど(世界観が)、今作は世界観は変わらぬままさらによかった
難を言えばちょっとぶ厚いんだよね。もう一回読み直すのは、内容をうっすら忘れた頃かな。
さすがに続けて読む気にはらなんよ。
何がすごいって仮想現代の話なんだけど、「仮想」でありながら実際そういう事態になればこういう人が出てきそう。
とか、こういうことが起こりそうってことが盛り込まれてること。
差別や「返品」や・・・
まさに今、犬猫に対して起こってるようなことが人間に起こったりしそうっていうね。
今回のお話は。
遺伝子工学の発達によって、病気の因子を取り除き、さらに見た目やある程度の性格まで生まれる前から決められる。
トランスジェニックと呼ばれる子供たちと・・・
ジーンプア(遺伝子貧乏)と呼ばれる、自然出産によって生まれた子供のお話。
「優」のトランスジェニックとして生まれた倫太郎はある日トランクに詰められ、バイク便で「返品」されてしまう。
ヒステリーな母に毎日叱られ、彼は萎縮してしまっていた。
倫太郎を引き取ることにした千佳。
12年後。
予備校で倫太郎はジーンプアの清田と出会う。
おせっかいで鬱陶しい熱い清田。
そして冬上とも出会う。
まるで生気のないアニメから抜け出してきたようなトランスジェニック。
トランスジェニックを羨む清田と、それが大していいものじゃないと語る倫太郎。
父との二人だけの世界に生き、父の望む姿であり続けようとする冬上。
そして・・・
倫太郎は母に愛されて育った「弟」と再会する。
そして母とも・・・
弟を監禁し、母を欺いて自分の居場所を手に入れた倫太郎。
自分が追い求めていたものを手に入れたはずなのに満たされない倫太郎。
もう1冊の中で色んなことが起こりまくるんだけど、とにかく痛い!!
胸をザクザク抉ります。
最後もハッピーエンドとは行かないし。
でも深い。
そして引きこまれる。
清田にはキレイなままで、まっすぐなままでいて欲しい。
その願いは子孫を残せなくなってしまったトランスジェニックの憧憬なのか。
蔑まれるジーンプアでありながら、強くまっすぐ生きる清田に倫太郎が魅かれているのがなんともいえなかったな~
本当は容姿も頭脳だって本当は倫太郎の方がよっぽど恵まれてるのにさ。
書いても書いても書き切れぬ。
とにかく良い!!