花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

『やらせメール問題-―九州電力の気骨に拍手!』

2011年11月02日 17時01分36秒 | ちょっと気になること
九州電力が「やらせメール問題」について、10月14日に経済産業省に報告書を提出しま

したが、枝野経済産業大臣やマスメディアが九州電力に対して連日激しく批判していま

すし、このような論調は多分、多くの日本国民の声でもあるのでしよう。

原子力発電の場合は、説明会への出席者はほとんど反対派住民で占められると言う現実

がありますので、九州電力の経営陣には賛否両論の意見が出てほしいとの気持ちがあっ

たのでしょうが、それでも、住民説明会に電力会社が社員を送り込んで発言させるとい

う行為は、説明会の公平性を失う行為と言われても仕方がありません。
 
住民説明会への社員動員は、原子力安全・保安院からも示唆(指導?)を受け、過去か

ら延々と行われてきたこともあり、感覚がマヒしてきたものと思われますが、九州電力

の「CSR(企業の社会的責任)への取組み」の中で、『九州電力グループ行動憲章 

第10、本憲章の精神の徹底と経営トップの責務』も定めてあり、毎年教育が実施されて

きたと思われますので、やらせメールについて、感覚がマヒしていたとは到底言えない

と思います。 


一方、やらせメール問題での保安院の責任については、枝野大臣は、当時の職員2名を

「戒告」、当時の上司4名を「訓告」とする処分を発表したと報道されています(産経

新聞:10月14日)。 九州電力の社長・会長に辞任を強要している割には、本人に実質

的な不利益を伴わない単なる形式的な処分でお茶を濁しています。 官僚の処分は何時

もこのように身内に大甘です。


枝野大臣の九電に対する発言は日増しに強烈になって来ています。本文末に新聞記事よ

り抜粋記載します。 枝野大臣は、菅内閣の官房長官で、福島第一原発事故の時には、

事故の情報を一手に握り、放射性物質の飛散情報を隠し、放射線被曝被害について誤

った情報を発信し、多くの国民を被曝させた由々しき張本人です。 本来ならば、被曝

した人々に謝罪の行脚をすべきところ、厚かましくも、野田内閣の経済産業大臣として

電力会社に睨みを利かせています。 

『枝野大臣、あなたにはだけには、このようなことを言われたくない』と九州電力の関

係者は思っているかも知れません。



本件に関する九州電力の腰は定まっており少しのブレもありません(毎日新聞:10月

15日)。  14日に九州電力が報告書を提出した時には、あえて古川佐賀県知事の関わ

りを記載せずに、経済産業省の指導で古川知事関与を記載するシナリオなのではないか

と勘ぐっていましたが、どうやら、このような姑息な手法ではなさそうです。 九電は

本気で、古川知事原因説を退け、“たとえ外から(要請が)あったにしろ、私どもの

行為が問題“ として、九電自身の行為が不適切だったと言うスジ立てを頑として守る

ようです。 


筑紫国(福岡県)には、7世紀から「大宰府」がおかれ防人を統括してきましたし、

その後、鎌倉時代には「鎮西探題」、室町時代には「九州探題」がおかれ、一貫して

大陸との外交や西国防衛に命を張ってきた九州人の気骨を見る思いです。 

すぐに責任を転嫁する政治家、役人が多い中で、九州電力幹部の頑な態度には妙に親近

感を覚えます。 

それにしても、中部電力は“お上”にめっぽう弱いですね。 菅総理からの浜岡原発

停止要請(実質指示)には、法的な根拠がないとして拒絶するべきでしたが。 少し

は、九州電力の意地をみならってもらいたいです。



(産経新聞:10月4日)
枝野幸男経済産業相は4日、原発に関するシンポジウムなどでのやらせ発言問題で、
公正・透明性を損なう恐れのある不適切な行為があったとして、原子力・安全保安院の
元原子力安全広報課長ら職員2人を戒告、鈴木正徳中小企業庁長官をはじめ監督責任の
あった当時の上司ら4人を訓告とする処分を発表した。 経産省は政府の第3者調査委
員会の報告を受け、国の電力会社への偏った働きかけの禁止▽シンポジウム運営に関
する「行動規範」の策定とその徹底▽広聴・広報専門家によるアドバイザリー・ボード
の設置-を柱とする再発防止の取り組み方針を公表した。安達健祐事務次官ら幹部職員
3人に対しては、再発防止に取り組むよう国家公務員法に基づく職務命令を出した。 
枝野経産相は同日、同省幹部職員に「国民の信頼を損なう言語道断の行為。1日も早い
信頼回復にあたってほしい」と訓示した


(毎日新聞:10月15日)
九電の最終報告書では、こうした知事や県の関与部分は一切触れていない。会見した
小野丈夫・経営管理本部長は「恣意(しい)的なつまみ食いでは」と指摘されると、
「たとえ外から(要請が)あったにしろ、私どもの行為が問題なのだ」と反論。仕込み
質問に関しては「私どもとしては県の意向をそんたくし、独自にそういう動き方をした
のではと考えている」と第三者委の指摘を否定した。


(朝日新聞:10月15日)
九州電力は14日、経済産業省に提出した「やらせメール」問題の最終報告書を、月内
にも再提出する検討に入った。佐賀県の関わりを認めない内容について、枝野幸男
経産相が強く批判したためだ。県の関わりを一転して認めるかどうかが焦点となる。  枝野氏は同日、訪問先の中国で記者団に対し、報告書について「世間に対して出すと
いうことについて何を考えているのか」と述べ、再提出を求める考えを示唆した。
また、九電の第三者委員会が県の関与を指摘したのに、報告書に盛り込んでいないこと
を「つまみ食い」「公益企業のガバナンス(統治)としてあり得るのか。大変深刻な
問題」などと批判した。


(朝日新聞10月16日)
枝野幸男経済産業相は16日のNHK番組で、「やらせメール」問題に佐賀県が関わっ
たという第三者委員会の指摘を最終報告書に盛り込まなかった九州電力について、
「理解不能だ。会長、社長の行動に対し、九州の原発周辺の皆さんの理解を得られると
は考えられない」と強く批判した。続投を表明した真部利応(まなべ・としお)社長
と、松尾新吾会長の経営責任は「権限を持っている立場なので、今の段階でそこまで
言わない」としつつも、「今の状況では原発の安全性について何を言っても、到底信用
されるとは思えない」と指摘。経営体制の見直しを含め、今後の九電の対応次第では、
停止中の原発の再稼働にも差し障るとの見方を示した。


(毎日新聞10月23日)
枝野経産相は「私には九電の人事権はないし、人事に介入するつもりはない」とした
上で、玄海原発の再稼働に際しては「安全性のチェックだけでなく、企業体として住民
に安心してもらえるようなマネジメントであるかどうかを重要度の高い要素として判断
する」と強調。九電に対し、自主的に抜本的な経営改革を行うよう改めて促した。



【九州電力グループ行動憲章】
9、法令遵守
 法令やルールを遵守することはもとより,市民社会の秩序や安全に脅威を与える
 反社会的な勢力とは断固として対決する。

10、本憲章の精神の徹底と経営トップの責務
 経営トップは,本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識のうえ,率先垂範
 するとともに,実効ある社内体制の整備を行い,社内に徹底のうえ,取引先に周知
 する。
 法令違反その他本憲章に反するような事態が発生した場合は,経営トップ自ら問題解
 決にあたり,原因究明のうえ,早急な是正措置を講じ,再発防止を図るとともに,
 自らを含めて厳正な処分を行う。

[平成17年1月27日  社長]




(2011年11月2日 花熟里)



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