日々不穏

吉法師の不穏な日々

ブログ再開・嗚呼!佐村河内守よ!!・「エレニの帰郷」

2014-02-05 16:56:08 | 不穏な日々
ブログを再開することにした。

実に2008年以来である。
書くことがなかった訳ではない。時間がなかったのだ。
最近は少し時間が出来た。それと、これは決定的な理由だが、ある絵を描く女性のHPを見て、「自分もブログぐらい再開しよう」と思ったのだ。

その今日、ショックなニュースが入ってきた。
あの耳の聞こえない作曲家。現代のベートーヴェンともいわれる佐村河内守氏の曲が、すべて他人が書いた曲である事が判明したのである。
彼のCDは3枚とも持っている。80分を超える大作「交響曲第1番」は、ブルックナーとマーラーにショスタコーヴィチを掛け合わせたような曲で、音楽史の1ページのどこに置かれても不自然ではない優れた曲であった。2曲の弦楽四重奏曲も、室内楽好きの私を楽しませてくれる傑作とだと思った。
最近発売されたピアノソナタ2曲も、少々長いが傾聴に値する曲だった。

それが総て他人の作曲した曲だったとは・・・・・・。
発売元の日本コロンビアは全てのCDを出荷停止にしたそうな。名誉市民賞を与えた広島市も撤回を検討しているらしい。

現代音楽は今完全に袋小路に入っている。だいぶ前に作曲家の吉松隆氏が語っていたが、若手時代の作品発表会の時、少しでも普通のメロディの部分があると審査員のオヤジ達が露骨にいやな顔をするのだそうな。奴らはシェーンベルクのような、あるいは武満徹のような不協和音さえ鳴っていれば満足というわけだ。そんなんでは現代音楽の復権はありえない。

そんな時代に登場したのが佐村河内守氏であったのだ。
彼の曲にはちゃんとしたメロディがある。もちろん現代音楽的な要素も多いが、それは聴いていて心地いいものであった。

まあ、ショックだが仕方ない。
で、そのゴーストライター氏に言いたい。
「ちょっと曲が長すぎやしないかい?」(笑)。


明日テオ・アンゲロプロスの「エレニの帰郷」を観に行く。
「エレニの旅」の続編、というよりアンゲロプロス監督による新しいギリシア現代史3部作の第2部にあたる作品である。
ところが、そのアンゲロプロス監督が2012年にその3作目を撮影中、オートバイに引かれて亡くなってしまった。「エレニの帰郷」はアンゲロプロスの遺作となってしまったのである。
2時間7分とアンゲロプロスの映画としてはひょうに短い上映時間だが、今から楽しみである。「旅芸人の記録」(75年)をはじめとするテオ・アンゲロプロス監督の思い出を胸にじっくりと観ようと思う。

感想はまた観てから。
このブログは時間的にいって毎日は更新できないと思う。しかし、なるべくこまめに更新できたら幸いである。
だれか読んでくれるかな?(笑)。

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